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モバイル端末で縁石のような段差を点群化する:①
PIX4Dcatchで、「路面のちょっとした段差が撮れないか?」というニーズがあったので、検証してみました。
ことの発端としては、「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」の「第4編 路面切削工編」において、地上写真測量が使えるのですが、求められる測定精度が、例えば「鉛直方向の測定精度 ±4mm」となっていたりして、この測定精度が出せるのか疑問に思ったからです。
今回は、道路の縁石の段差がどれぐらい鮮明に撮れるかと、どれぐらいの測定精度で捉えられるのか実験してみました。
一直線に歩く
まずは、何のこだわりもなく、縁石の真横を歩いてみました。歩きスマホ感覚で、縁石の横を5m程度歩いただけなので、計測時間は5秒というレベル。
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点群の質はどうでしょう?目的次第とは思いますが、出来形計測は一旦置いておいたら、ニーズによっては十分なのではないでしょうか?縁石の段差も捉えていて、エッジの形状もしっかり出ています。トレースすれば、敷地の区画の計測や、距離や面積の計測もできますし、道路台帳の作成で求められる精度であれば余裕でクリアできます。
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まぁ、日常的に点群計測をしているので、個人的には若干の物足りなさはあります。路面や縁石のエッジはちゃんと点群になりますが、側面の部分は点が抜けがちです。カメラをその方向に向けていない訳なので、当然と言えば当然なのですが。もっとキレイに撮れるはず!
グリッドパスで撮ってみる
より鮮明に点群が撮れるように、いわゆるドローンで空撮するときの「グリッドパス」のスタイルで撮ってみます。上から始めて地面にしゃがみ、左に少しズレて立ち上がり、また左にズレてしゃがむ、という動作を繰り返します。こうすることで、上下で動くパス同士で、「サイドラップ」があるので、鮮明に撮りながら、かつ、SFM的には画像同士の相関が取れます。
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点群の質はどうでしょう。
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見よ、この鮮明さ!!これが作りたかったのですよ。やはり、色んな角度から撮っているので、側面もカメラの画角的には正面から撮影されていて、点群もどこかれ見てもキレイです。しかも、びっくりしたのは、断面です。坂道に沿って断面を切ってみました。
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点群の厚みが3-4mmって、冷静に考えてすごくないですか?!
TLSでも同等ですよね?! iPhoneでここまでとはびっくり。
![](https://assets.st-note.com/img/1720159639056-9v5L7OJcFG.png?width=1200)
縁石の段差を切る方向に断面を切っても、ばっちり形状を捉えていました。
冒頭でも触れましたが、路面切削工の鉛直方向の測定精度は±4mmです。上記の点群だと、厚みが4mmなので、測定精度としては±2mmになります。今回は、特に標定点も何も設置していないですが、ちゃんと位置合わせを行えば、±4mmに収まると思います。
この実験で、しくじったな、と思ったのは、坂道の縁石を撮ったこと。点群のソフトウェアによっては、垂直の断面の他に、斜めに断面がカットできるので、坂道でも「地面に直角な断面」を切れます。上で見せている断面も、そうやって作っています。より汎用的なデータを作るため、フラットな路面で再撮影する必要があるなと思いました。
次回
フラットな路面で再撮影したのですが、なんだかんだで試行錯誤してしまったので、別の記事にまとめたいと思います!
Part 2はこちら↓
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