シン・仮面ライダー

シン・仮面ライダーを観てきたわけですが。
けっこう面白かったんですよ。
まずロケーションが素晴らしいですよね。
終盤の本郷がマスクをあれする海辺とか、富士山がバックにでかでかと見えるところとか、本当に美しく素晴らしい。
俳優さんたちももちろんいいです。
ただね。

『シン』シリーズは庵野秀明の独自解釈と考察に基づく再構築なので、原作と乖離していても、それはそれで構わないと思うんです。
でもやっぱりこれが仮面ライダーである以上、こちらとしても譲れない部分はあって。
石ノ森章太郎さんの描くヒーロー像ほとんどみんなに共通するのは、『望まない力を得てしまい苦悩する』『その力ゆえに敵対者から憎まれ人々からも忌避される』『それでも人類のために悪と戦う』という孤独な姿ですよね。
シン・仮面ライダーにはそれがない。
そもそもシン・仮面ライダーのショッカーは世界征服を狙う悪の組織ではないし、本郷猛が戦う理由も個人的な理由でしかない。
それはねー、それだともう仮面ライダーというか石ノ森章太郎じゃないんだよなぁ。
いや、さっきも書いたとおり、シンはシンなので、それはそれでいいと割り切ってはいたし、そもそも平成ライダーでいくつもそういう(これは石ノ森章太郎じゃない)を経験しているので、ある程度慣れというかね、まあいいかと受け入れてしまっている部分もあるので。
でもなぁ…なんかなぁ。

しかしそう考えたとき思い出すのが、紀里谷和明監督のCASSHERNなんですよね。
あれさ、公開当時めっちゃ叩かれてたじゃないですか。
でも、あれって早すぎたシン・新造人間キャシャーンだったんじゃないかなって。
むしろ今こそ再評価すべきなんじゃないか。
まあキャシャーン叩いてた人はシン・仮面ライダーも叩くよね、というのがストレートな線ではあるけれど。
そういや紀里谷監督の新作が4月に公開されるそうで。俄然楽しみになってきた。

あとね、書き忘れてたので追記しますけど、私仮面ライダーXがすごい好きなんですよ。でもあれはすごく消化不良な作品で、誰か現代にリメイクしてくれないかなぁってずっと思ってるんです。
でね、シン・仮面ライダーはXをベースにすればよかったんじゃないかって、観てる最中ずっと思ってた。
マスクの構造的にもあれはXに近いしさ。
ルリ子を霧子にして、一郎をキングダークにして。
シンの怪人たちってそれぞれが独立してアジト持ってるじゃないですか。その感じで海底に居を構えるネプチューンやタワーマンションの最上階に住むイカロスとか、地底にいるクロノスとか、それぞれ元ネタに相応しい居場所から神の名のもとに人類を支配しようと暗躍するみたいな。そんな中で人間と最も近い存在であるアポロンの化身アポロガイストが霧子に恋してXと三角関係になるみたいなのもいいし。
そういうの見たいんだけどなーどなたかやってくださいませんか。

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