天上の花

今日は『天上の花』という映画を観てきました。
東出昌大さんが三好達治役を演じてるんですけど、こいつがとんでもないDVクソ野郎で。
萩原朔太郎の娘・慶子に一目惚れするも、他の男と結婚してしまったので、仕方なく別の女(佐藤春夫の娘)と家庭を持つんですが、慶子が夫と死別したと知るや否や、求婚して妻子を捨てるんですわ。その際に離縁状を書き、妻に署名をしてもらう場面なんかもう、完全に狂人なんですよ。そしてそこまでして娶った慶子が自分の理想と遠ざかると平手打ちにするという…慶子は慶子で神話のパンドラみたいなところはあるんですけど、それにしてもほんとねー、三好達治株大暴落、ストップ安ですよ。
これを演じる東出昌大さんがまぁーすごいんだ。もちろん演技なんだけど、演技であんな虚な目ができるかねっていうくらいすごい目をするんですよ。もともとこういう人なんじゃないかって思えてくるくらい。いつの間にこんな達者になったんだろう。
東出昌大さんて、めっちゃ背が高いじゃないですか。実際の三好達治が身長どのくらいか知らないけど、昭和初期の人にしちゃ背が高すぎやしないか、当時の日本家屋や調度品だとバランスが悪くて変な感じになりゃしないかと、変に気になってたんですけど、これがほんとうまいことバランスがとれていて。
目についたのはちゃぶ台をはさんで慶子と向かい合うシーン、慶子(入山法子さん)が座ってる座布団が分厚いんですよ。お坊さんが座るような感じの。一方の東出さんは何も敷かず畳に直に座っているの。こういうところでうまくバランスとってるのね。
他の場面もさりげなく机なり椅子なりの高さが合っていて、美術監督いい仕事してますわ。気持ちよかった。
愛する女を手中にしながらどうしても振り向かせることができない東出昌大さんがねー、体格の良さも相まって、だんだん北斗の拳のシンに見えてきて。実写版北斗の拳のシン役は東出さんしかいないなーとか思ってました。
ま、そんなところですかね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?