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Vtuberのリアイベというものに初めて現地参戦した話

この世の中にVtuberというものが生まれてもう6~7年ほどになるだろうか。
今やメジャーとなって久しいこのコンテンツだが、配信を軸とするスタイルが主流になってからは、個人的にはどうにも波に乗り切れず、かるーく見る程度になっていた。ライブが盛んな時間はリアルの仕事がもれなく入っているのでリアルタイム視聴ができず、アーカイブも長時間に及ぶため、わざわざそこから追いかけようという気にもならなかったからだ。
せいぜい見るのは切り抜き動画くらいで、これまではきわめてライトにVtuberというものに接してきた。

そんな中、動画を軸としているVtuberも少数派ではあるが存在しており、そういった方々の動画は継続的に拝見していた。
そんな中の一人が、酒クズ系Vtuberおよびにんにくプロフェッサーとしても名高い「今酒ハクノ」女史だ。お酒およびおつまみに関するレビュー動画には定評があり、私も彼女の動画を見てはその日の晩酌のネタの参考にする者の一人である。つまるところ、私も末席ながら「滅ぼシスト」の一員ではあるのかもしれない。

今回、そんな氏が全国のクラフトビールを紹介する本を出版し、その出版記念としてトークショー形式のリアルイベントを開催する運びとなった。
折しも当日は仕事が週休であること、そして件の本に登場したクラフトビールが実際に飲めるとあって、私はいてもたってもいられず参戦を決意した。なお、参戦の動機はトークショー:酒=3:7くらいである。仕方がないじゃないか、呑兵衛だもの。

とはいえ、先述の通りこれまでVtuberにはあまり深くかかわってこなかったため、当然リアルイベントの参戦経験は皆無。今回が人生初のVtuber関連リアイベ現地参戦となった。ちなみにこの件を会社のVに明るい同僚に話したところ、「初参戦はいいんですけど、なんでそんなにキワキワのところ行ったんすか」といわれた模様。うるせえほっとけ。

ということで期待と不安を半々くらいで持ちながら臨んだ人生初のVtuberリアイベ。今回は感想戦として、その様子を記念に書き残しておきたいと思う。

開演前:早くも始まる酒宴

まずもって、リアイベというものは種類問わず、そのジャンルに一定の熱量を持った人間しか集まらない。別にこれはVtuberに限った話ではなく、アニメだろうがアイドルだろうがそうなのだ。
そしてこれをハクノ女史のイベントでやるとどうなるのか。


130名の一騎当千酒クズたちによる大宴会の開催である。




今回の会場であるLOFT9 Shibuya様はお酒と料理を楽しみながら各種イベントを堪能できるスペース、というコンセプトで営業していらっしゃるお店だ。今回のイベントにあたって通常用意されている各種フードメニュー&ドリンクに加え、先述の通りクラフトビールが6種類特別に用意されていた。

▲垂涎のラインナップ

そして今回のイベントはチケット+ワンオーダー制。この手のイベントであればたいていソフトドリンク1杯くらい頼んで終わりかな、くらいのものであるが、そこは訓練された熟練の酒クズたち。そんなもんでは終わらなかった。

まず手始めにクラフトビール1本注文は当たり前、場合によっては一人で2本も3本も頼む者も。何なら全種コンプもいたかもしれない。てかいた。
そして酒を頼んだものがそのまま終わるわけもなく、流れでおつまみも注文する。結果として開演10分前にはすでに各地で料理のかぐわしい香りが立ち込めており、開演を待たずにクラフトビールを空けてしまってた者もちらほら存在していた。さすがである。

ちなみに私は伊勢角屋麦酒ペールエールとコエドビール紅赤、フィッシュ&チップス、カマンベールチーズフライをオーダー。まぁ残りのビールは随時頼んでいけばよかろう……と、思ってしまったのが最大のプレミだったことをこの時の私はまだ知らない。

そして開演10分前くらいにようやくオーダー品が出そろう。で、この料理がまたばっちり美味しい。特にフィッシュ&チップスは大変美味で、時間がたってもサクサク衣を維持し続けるフィッシュフライに、トークを聞いている間に冷めてしまってもしっかりおいしい濃い味付けのポテト。完全にこういったイベントを楽しみながら堪能するフードとしてカスタマイズされていて、本当にビールが進んだ。カマンベールチーズフライも軽い口当たりでついついポリポリいってしまって気づいたらなくなっていた。マジで飯が美味かった。惜しむらくは、飯が出そろったタイミングではすでに会場が開演直前で暗くなっており、写真が取れなかったことか……
あの量のオーダーを必死にさばいていたスタッフの皆様には、頭が上がらない。

なお、個人的にはクラフトビールが瓶でダイレクトに来た辺りに、「お前らは直飲みいける人種だよな」という主張と治安の悪さがビンビンに伝わってきて大変よろしかった。

開演直後:酒クズたちの本領

すでに飲み会のセットが完全に出来上がってしまっている状況下で遂に開演。会場中が待ち望んだ本日の主役の登場だ。
開幕音声トラブルといういかにも姐さんらしい始まり方をしつつ、前説もそこそこにこの日のメインイベントの一つが早速登場。

リアルでの「滅びよ人類(乾杯)」大合唱だ。

本当にね、一視聴者としてこれがやりたくて現地に来たまであるのだ。冗談抜きで。
ペールエールはすでにあけてしまったのでコエドビールで参加。
行くぞ、滅びよ人類!!!!

本当にとんでもない音量の乾杯でございました。この時点で行ってよかった。現地の皆様、本当にありがとうございました。

そして始まるトークショー。先ほどの乾杯でコエドビールも空けてしまったので、追加でクラフトビールを頼むことに。
ここは揚げ物と合わせてしっかりスタウトでも飲みたいな……

そう、思っていたら、枯れていた。クラフトビールが。すべて。

開演10分~20分で、軒並みである。


後に姐さんも「完全に目測を見誤った」と語っていたが、正直ここまでの速度で枯れるのは私も想定外だった。確かに数量限定とは書かれていたから意識は頭の片隅でしていたけれども。にしても速すぎんか??君らどんだけ飲みたいん???人のこといえんけど。

ということで、あわよくば出されるクラフトビールをコンプリートしてやろうとか考えていた私の計画は、もろくも崩れ去った。まさか開演前に全種一気に頼むのが唯一の解だなんて誰が気づくねん。ぬるくなるの警戒してちょいちょい頼もうってなるやん、普通。
つくづく、己の見通しの甘さを痛感した瞬間だった。

ただ、ここで立ち止まっていてはリアル参戦者の名折れというもの。
枯れたのはあくまで限定のクラフトビール。すなわち通常のドリンクメニューは無事であるということ。すかさずプレモルの中瓶をオーダーし、ここからの戦いに備える。
すぐさま周りも同じ発想に至ったのか、ものの数分で今度はデキャンタワインとコロナビールとプレモルの中瓶が乱れ飛んでいた。流石である。
そしてこの後デキャンタワインもコロナビールも枯れたって話を聞いた。マジであの日の日本の総飲酒量の1%くらいはあの会場で占められていたような気がする……。

前半トークショー:胸をえぐられる話題

そんなこんなで酒と料理が乱れ飛ぶ中始まったトークショーイベント。有料アーカイブが公開されているため、あまり込み入ったところまでの言及は避けるが、出版にあたっての裏話がたくさん聞けつつ、いつもの動画のようなネタも接種出来て非常に有意義な時間だった。
これに酒と料理がついてくるんだからもう最高オブ最高ってもんだよ。

全体的に笑って声出して非常に楽しませていただいたのだが、その中のある話が個人的にどえれえぶっ刺さったので、そこだけは触れさせていただきたい。

それが何なのかというと、「本の校正」の話なのである。


校正、というのは簡単に言うと、出版物に書かれている文章を原典や既に世に出ているものと突き合わせて、表現が間違っていないか、適切かどうかを確認する作業のことだ。確認項目は日本語として正しいかどうかや構成として不自然でないかどうか、時には著作権や掲載許可確認なんかも入ってくる。
で、この作業は何か文字媒体を世に出す際には必ずといっていいほど付きまとってくる。私も本職で校正をメインの一つの仕事にしていたことがあったのだが、マジで話のすべてが全面同意か胸の奥のトラウマを抉られるかのどちらかになっていたため、中瓶を片手に無事撃沈していた。藪蛇事件辺りはもう机に顔を突っ伏す勢いで首をぶんぶん振っていた記憶。

いやねぇ…本当に大変なのよ校正って……普通に暮らしてたら気にもとめんような細かな表記ゆれとかにも全力で気を配らなきゃいけないのよ……間違いがあって刷り直しとかになったら数百・数千万単位の損害になることもままあるのよ………
自分がかかわっていたのはチラシの制作だったので1枚もので文章量もそこまでなかったからまだマシなんだけども、それでも顧客のアンケートとか作文使うときは中身の精査とかもしなきゃだしアニメネタ使われてたら著作権とか原典との表記ゆれとか確認しなきゃだし他にもいろいろあって、これを1冊の本でやるとか想像しただけで………オロロロ

世の中のすべての本は、こうした地味な作業の積み重ねの上に出版されている。改めて、出版に携わったすべての職員さんに感謝を申し上げたい。


なお、このトークショーの間も酒はガンガン出ていた。コロナビールとかこの辺でたくさん出てた記憶。テーブルを確保している方々はデキャンタワインや中瓶でよろしくやってた。最早ただの飲み会と化してた説はある。
スタッフさんずっとあちこち駆けまわってたからねぇ……バカスカ頼んですんませんでした。本当にありがとうございました。
後半戦に備えて中瓶もう1本とたこのからあげとオーダーして、休憩へ。

後半質問コーナー:別名、みんなの大喜利

後半戦は再度ほろじんを挟んだのちに事前に集めていた質問に答えるコーナー。送られてきたものの中からピックアップして回答する形式だ。
ここでの感想はただ一つ。

まともな質問がなくなるの早すぎるよ!!!

ふつうこういう質問コーナーって、出版に関するあれやこれやの質問が大半を占めるものだとは思うのだが、なんとまじめな質問は冒頭4つのみ。残りの質問はすべて「様相がおかしい(現地MC原文ママ)」ものばかりというソドムとゴモラの市。

即興ラップを要求してくる無茶ぶりマンやら、逆張りオタク撲滅マンやら、前提条件がマジで意味不明なくじ引きを引かせた挙句外れたら自由の女神の持ってるやるつの先端に飛ばさせる、酒を静脈注射でもしとるんかとしか思えん質問を投げる奇人やらと、とにかく癖が強すぎる質問の面々。何喰ったらそんな質問思いつくんや。………酒か。

とはいえそんな重厚な質問に四苦八苦するハクノ姐さんを肴に、会場のボルテージも最高潮。この日誕生日を迎えたという方の質問が読まれた際には、会場全体から拍手とおめでとうの声が鳴りやまなかった。すさんだ世の中において人のやさしさを感じる場面だった。なお、件の誕生日の人は、まさかのじぶんの席の真ん前の方だったからさらに驚きだ。
開演前からちょいちょい話させてもいただき、本当に人の良い方だった。改めて心から祝福したい。

EXステージ:現地参戦者限定コーナー

ということで、ここまではアーカイブで残っている部分。ここから先は現地参戦者しか聞けなかった部分。
何が起こったかというと、新曲が初出しされた。

新曲が、いきなり来た。

大切なことなので2回言いました。嬉しすぎるサプライズ。曲の雰囲気も今回のイベントにピッタリで最後の締めに相応しかった。居酒屋がクラブに早変わりである。
本公開は近日中とのことなので、心待ちにしたい。あまり多くを語ってしまうと約束を破ることになってしまうため、この辺で。

撮影コーナーもあったぞ!!

総括

以上、現地参戦の感想だった。
改めて、イベント開催にかかわっていたすべての方に感謝を申し上げたい。
人生初のVtuberリアイベ参戦ということで、正直どうなることか不安だったが、まったくの杞憂だった。思い切って新たな領域に飛び込んでみたのは大正解。周りが同好の士であるという絶対的な安心感はやはり偉大であり、ひとたび酒を酌み交わせば、そこはもうホームグラウンド同然。これぞライブの雰囲気、といった感じで、久々にイベントのライブ感を味わえて大変楽しかった。次回があれば、是非ともまた参加したいものだ。
もしもこの感想を読んでいる、今回現地参加を見送った滅ぼシスト同士がいれば、悪いことは言わないから是非とも次の機会は現地参戦をオススメする。みんなでワイワイしながら楽しみたいならば尚のことだ。

願わくば、第二回・第三回とイベントが続き、まだ見ぬ同士と杯を交わす機会があらんことを。

そして帰宅してこの文を書いておりましたとさ。

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