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リモート環境におけるプロジェクト管理の一事例

リモート環境での仕事が始まって、もう半月ほど経ちました。
回線の強化やライセンスの拡充など、まずはインフラ面の課題が多数吹き出し、情シスの方は相当にご苦労されたものと思います。
 ※回線状況のウォッチに始まる可用性の担保に、
  いまだ情シスの方は労力と精神を使っていると
  思われます。ホント、ご苦労様です。
それを乗り越え、リモートを開始して現場の人間の慣れも進んできましたが、なによりプロジェクトのマネジメントには多くの方が苦労しているのではないかと思います。
これから書くのは、恐れ多くも「ベストプラクティス」とは言えませんが、ボクなりに考えて一部は実践している内容です。参考にしていただければ嬉しいし、これを機にいろんなご意見、施策の話ができればと思っています。

1.リモートワークのメリット

今更ですが、リモートワークのメリットをおさらいしておきます。

・通勤時間が無くなる
ボクの場合、片道1.5hの移動時間が無くなりました。

・移動の負担がなくなる(混雑、天候、電車遅延etc...)

電車の混雑や、風雨をしのぐ装備、電車遅延のリスクなど、移動に伴って発生した負荷がなくなりました。

・上記に伴う費用(交通費、オフィス賃料、保険など)

ボクはフリーランスで通勤の交通費が自腹だったので、これがなくなるのはかなり大きかったです。
また、会社の目線に立てば、オフィス賃料、従業員の交通費負担、それに伴う保険料などもなくなります(減額できます)

・遠距離でも人を雇う・作業を委託することができる

管理監督さえできれば、雇用、業務委託をするうえで所在地が関係なくなります。地方のフリーランスの人にとっては大きいはず

・必要な人を、簡単に招集してディスカッションできる

リモート会議をうまく使うことで、必要な人を必要な時間だけTV会議に呼び出して議論する、なんてことがしやすくなりました。

2.リモートワークでの問題点

一方で、リモートワークでの問題点もあります。
このNoteの本題でもあります。

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・通信環境が悪いと、TV会議や情報共有がやりにくい
・作業状況が見えないので、フォローするタイミングをつかみにくい
・顔色がわからないので、機微がつかみにくい
・ホワイトボードなどの施設を使ったディスカッションができない

主に管理上の問題点が浮上してきます。
これらを解決するために、ツールと工夫をする必要があります。

3.利用しているハードウェア/ツールの紹介

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■ハードウェア
・ノートPC
・WIFI(リモートwifi、家屋内用のwifiルータ)
・HDMIケーブル
・ヘッドフォン(重要)
・プライバシーフィルター(重要)
・スマートフォンとタッチペンパネル
・方眼用紙(でかいやつ)

■ソフトウェア
・Backlog
・Teams(Zoom/Slack)
・Line

4.各シーンでの工夫

27241036-オフィスでノート-パソコンで作業のスーツのビジネスマンの笑みを浮かべてください。

1.会議は基本的に録画・録音しておく
Teamsの機能で録画、録音機能があるので、必要に応じて使う。

2.会議の結論を読み合わせ、時間をテキストで残す

議事録はもちろん撮るのですが、経緯の必要な内容については最後に経緯も含めて読み合わせします。
議事録には「読み合わせした時間」を書いておき、後から聞いて詳細を確認できるようにしておきます。
議事録はシンプルに、詳細は音声で。

3.Backlogを陳腐化させない

Backlogは便利なツールですが、
 ・使い方を決めておく
 ・わかる日本語で残す
をやらないとクラウドツールなのに属人化します。
特に課題の背景、経緯がないと、日々の進捗で読み直してもなんのためにやっているのか、当人にしかわからなくなってしまいます。
そこで、ボクは「日本語としてわかるかどうか」をチェックし、どう書くべきかを指導します。手間暇かかりますが、
 ・統一感が出て属人化しない
 ・課題状況にいったん目を通すので把握できる
 ・個人の報告も簡素になる
ので、この苦労はしてもいいかと思っています。

4.ビジュアルが必要な場合はタッチペン、方眼紙
日本語って難しいですし、共通認識を取るためには日本語よりも図式、数式の方が効率が良い場合があります。
そんなときは、タッチペンで書いたデータを共有します。

タッチペンがない場合は、大きな方眼用紙に図を手書きして、画面に映すことで共有します。
タッチペンのデータはそのまま会議の成果物として、紙に書いた内容は決定事項に合わせて清書して共有します。

5.自由を認める代わりにLINEは離さない
LNEはメインツールではなく、サブツールです。
ずっと席にいることを監視もできないので、どうしても必要な時はLINEで呼び出すことをルールにしておきます。

6.上記を前提にした朝礼・夕礼

プロジェクトの成果物、大線表もナンバリングしておきましょう。
課題を把握するBacklogもIDがあります。
こうすると、「大線表の何番」と言えば、こっちはそれを見るだけで何の話かおおよそ理解できます。
日々のタスク、課題は基本的にBacklogですが、Backlogも番号でたどっていけば「3」できちんと背景や経緯が書かれているので、把握は楽ですよ。

7.PMのZoomは立ち上げておく

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どうしてもPMは駆け込み寺になりがちです。
本来、自走してもらいたいところですが、やはりここってところでは頼られることが多いです。そこで、いったんZoomは雑談用として立ち上げっぱなしにしています。
個別チャットでもいいのですが、やはり
 「すぐ答えがもらえるときは、すぐ相談したい」
のかな、と思うので、あえてやっています。
そのうち止めるかもしれませんw

5.環境を作るために(備考)

ここからは、上記を推進するための参考情報です。
・リモート環境での仕事は、基本的なルール・規定を先に明示する
・ネット環境は家庭ごとに異なるので、最低限の施設準備は会社で対応してもらう。

  ※経済的なメリットも出ているはずなので、
   少しづつでも設備投資を進めてもらう
・リモートで使うPCは助成金を活用する
厚生労働省では、リモートワーク推進のための中小企業向けに設備投資の助成金を出したり、ガイドラインを提供したりしています。

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 テレワーク総合ポータルサイト
  https://telework.mhlw.go.jp/

・その他助成金、サポートの活用も頭に入れておく
リモートワークだけでなく、各事業、状況に合わせて厚生労働省では助成金や支援を行っています。
特に、会社員でリモートワークが主体で働いていた方は少数派なわけで、精神的な負担、新たなトラブル事象など起きえるので、どんなサポートがあるのか、把握しておくとよいでしょう。
 
 各種助成金・奨励金等の制度
  https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/joseikin_shoureikin/index.html


 

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