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いと麗しきMy Guiter紹介 Fujii Guiters編

皆様ごきげんよう!アコギヲタクの無射(ぶえき)です!

本日より、いと麗しき私のギター達を紹介していきたいと思います!

1.ギター紹介

まずギター紹介をするにあたって、一番お気に入りのギターを最初に出すか、最後に出すかで非常に悩んだのですが、ここは一発目にドカン!と最高のギターを紹介していきたいと思います!

それがコチラ!!!

Fujii Guiters OO-scw European Frame Maple

Fujii Guiters!!!

……いったいどこのメーカー?といった声が聞こえてきた気がします笑

こちらのFujii Guitersは、富山県在住の藤井圭介さんという方が一本一本丹精を込めて製作しているギターでございます。

いわゆるギタールシアー。個人製作家さんの作品ですね。

藤井圭介さんは、2001年製作修業の為に富山に移住。
2012年に独立し、富山市に工房を構え立ち上げたのがFujii Guiters!

国内でもトップクラスの工作精度を誇り、若手ルシアーの中でも人気の個人製作家さんです。

2.スペック

次に、Fujii Guitersの気になるスペックを紹介していきましょう!

①トップ

top:German spruce

まずトップ材は美しいジャーマンスプルース。

ジャーマンスプルースは、アコースティックギターに一般的に使用されるシトカスプルースに比べてしなやかさとツヤがあり、クリアな音質が特徴的なスプルースです。

昔からバイオリンやチェロなどの弦楽器のトップ材として使用され、高級なクラシックギターにも必須の木材とされてきた、歴史あるトーンウッドです。

かの有名なストラディバリウスも、ジャーマンスプルースと同じ樹種(産地は違う)で作られております。

②サイド&バック

side&back:European Frame Maple

そして、サイドバックはヨーロピアンフレイムメイプル。別名シカモアと呼ばれております。

特徴はなんと言っても、滑らかで美しい木肌と均等に入っているフレイム杢!美しいです!

見る角度によって杢目が変わる

ヨーロピアンメイプルは通常の木材としては一般的ですが、フラットトップのアコースティックギターのサイドバック材として使われるのは比較的珍しいです。
ほとんどのフラットトップのアコースティックギターは、ローズウッドorマホガニーですからね。

このヨーロピアンメイプルもジャーマンスプルースと同じように、昔からバイオリンやチェロの製作に使われてきました。

またまた同じく、かの有名なストラディバリウスにもこの材が使用されています。

つまりは、ヨーロッパに古くから伝わる弦楽器製作のために使われていたトーンウッドと、まったく同じ構成で作られたギターという訳です。

③指板

指板材は、高級アコースティックギターに一般的に使用されるエボニー。
一般的とは言っても、真黒と呼ばれる真っ黒なエボニーはもう枯渇寸前であり、黒の中に薄らと茶色が混ざっている物や、マッカーサーエボニーという黒と茶色がストライプのようになっている木目の物が使用される事が多くなっています。

エボニー指板

Fujii Guitersも少し茶色のラインが入っていることが分かります。

④ヘッド

ちなみにこのギターは、ヘッドにもマッカーサーエボニーが使用されています。

表:マッカーサーエボニー
裏:ローズウッド

美しいストライプ模様ですね。

⑤ネック

ネック材は柾目のホンデュラスマホガニーが使用されており、厚みもしっかりと持たせているため、反る心配もほとんどありません。

ホンデュラスマホガニーネック

ネックに厚みがあるというと、「弾きにくいのでは……?」と思う方もいらっしゃるかと思います。というか、私がそうでした。

確かにFujii Guitersのネックはしっかりと太さを残しておりますが、手の小さい私が握ってもまったく違和感のないネックフィーリングです。

これがまた不思議なのですが、厚みのあるネックということが握った瞬間に分かるのにも関わらず、そこに握りづらさや弾きにくさをまったく感じないのです。

むしろグリップ感がある分、あまりに細すぎて反りが心配になるようなネックよりも手のひらへの密着度が高く、非常に握りやすく感じます。

実際私もK.YairiやBreedlave、AyersやLarriveeと細めのネックのギターを保有していましたが、その中でもFujii Guitersはダントツで弾きやすいです。

⑥ブリッジ

通常のアコースティックギターであればブリッジ材と指板材は同一の素材を使用しますが、このギターはなんと……ブリッジ材にハカランダを使用しております!

ハカランダブリッジ

個人製作家の方々は、ブリッジだけをローズウッド系の素材に変えることが多々あります。

音質を考慮した結果なのかどうかは、私には分かりません……

今度、藤井さんに聞いてみようかな……?

⑦ロゼッタ

最後にロゼッタを紹介したいと思います。

アンボイナバールロゼッタ

ロゼッタはアンボイナバールで作られており、木工製品の上品な味わいを感じさせてくれます。

また、Fujii Guitersにはモザイクロゼッタという種類のロゼッタも作成しています。

ひとつひとつ柄の違う模様を手作りで作成し、埋め込んでいるのです。

どれも美しい……惚れ惚れしてしまいますね。

木そのものを感じられるアンボイナバールロゼッタと、工芸品のような美しさを感じられるモザイクロゼッタ。

あなたは、どちらの方がお好きですか?

3.特徴

これまでに紹介してきたスペックだけでも十分に特徴的でしたが、Fujii Guitersの魅力はまだまだこんなものではありません。

写真の中に写り込んでいるので、「何コレ?」と思った方もいるかとおもいますが、このFujii Guitersでしか見ない特殊な形状がコレ!!!

①スラント・カッタウェイ

ネックヒールの部分が、カッタウェイの傾斜に合わせて斜めになっていることが分かります。

通常のアコギのネックヒール

このスラント・カッタウェイのおかげでハイフレットの演奏性が高く、17フレット付近までほとんど違和感なく演奏することが可能です。
19フレット以降はさすがに弾きにくいですが、もちろん最終フレットまで指が届きます。

通常のノンカッタウェイのギターは12フレット以降の演奏が難しいこと。
カッタウェイ有りのギターでも14フレット以降はネックヒールに手が当たり、演奏に違和感を覚えることなどを考えると、非常に画期的と言えます。

ソロギターで、5フレット以降にカポタストを付けて演奏したり、ハイフレットを多用する曲を弾く時に便利ですね!

②リブレスト(バックコンター)

リブレスト(バックコンター)

胸に当たる部分に付けられたバックコンターです!

このリブレストは通常のバインディングから滑らかに繋がっており、見た目としても非常に美しく、さらには角が体に当たるのを防いでくれるのです!

これによって長時間演奏しても体にほとんど負担を感じず、ギターライフがより楽しく過ごせます。

③ロッドカバー

さらにヘッドにまで特殊な機能が付いております!

磁石付きロッドカバーで簡単に着脱可能

磁石でくっ付いているヘッドの木材の蓋をパカッと取り外すと、中から調整可能なトラスロッドが顔を覗かせます。これによって、弦を張ったまま簡単にネックの調整が出来ます。

チューニングを変更して、若干のネック調整が必要になった際などに重宝しますね。

4.音

ここまではFujii Guitersの見た目や機能について紹介してきましたが、なんだかんだ言ってもギターは楽器です。音が良くなければ、いくら見た目を着飾ろうと意味がありません。

そこで、まずは皆さんに音を聞いていただきましょう。

いかがでしたでしょうか?

人それぞれ様々な聴こえ方があるとは思いますが、ここでは私の感想を述べさせていきたいと思います。

まず始めに、非常に滑らかな音の質感が動画越しでも伝わってくるのではないでしょうか。

ジャーマンスプルースらしいしなやかさと、高音域の煌めき。そして、メイプルらしいレスポンスの良さを感じさせつつ、音に嫌な硬質感がありません。

しっとり滑らか。しかし反応は非常に良い。

低音域から高音域まで優しく艶やかな音質は、まるでクラシックギターを弾いているかのよう。

そんなFujii Guitersの音の特徴のひとつが、太い基音です。

『良い音』とは何か?と聞かれると、Martin D45のような、煌びやかな倍音成分を含んだギターを思い浮かべる人が多いと思います。しかしFujii Guitersでは、倍音がぶわぁ〜っと広がっていくというより、芯の太い基音がサウンドホールから前に飛んでいくような印象を受けます。

かと言って、もちろん倍音が疎かになっているわけではありません。木そのものの鳴り、ナチュラルリバーブをしっかりと感じられます。

各弦のバランスも非常に良く、どこかの音域が出過ぎているということもありません。そのため、低音が強すぎてメロディが埋もれることも、高音が強すぎてルート音が聞こえ難くなることもありません。

また、コードストロークやアルペジオをした時の音の混ざり合いも非常に美しく、まるで違う周波数の音同士が溶け合っているようにも聴こえます。

さらに、Fujii Guitersはサスティンの伸び方がとても独特です。

普通のギターであれば、弦を弾いて音のピークが来た後、だんだんと音が小さくなっていきます。しかしFujii Guitersの場合、音のピークがきた後、しばらくピークの音量をそのままにサスティンが伸び、その後ゆっくりと音が小さくなっていきます。

これは私も他のギターメーカーで感じたことがない感覚でした。
ローズウッドのような、小さくなっていってもどこまでも音が残り続けるサスティンではなく、音の大きさが弾いた後からしばらく変わらないというのは、通常のギターに慣れている分、余計に不思議に感じてしまいます。

また基音が太いことも相まって、非常にマイク乗りがいいように感じました。どんなマイキングをしても、それがFujii Guitersの音だということが分かると言いますか……倍音も含めて全体的にまとまった音質のため、ハズレの音を拾う事がないのだと思われます。

5.まとめ

以上、Fujii Guitersの魅力について語っていきました!

もちろん、これから弾いていくうちにもっと様々な魅力に気づいていくのだと思いますが、今現在私が感じたことをまとめてみるとこんな感じです。

何気なく書き始めましたが、自分でも予想以上に長くなったことに驚いています笑

自分のギターを紹介するとなるとやはり気合いが入りますので、次回以降は少し気を抜いて書ける内容にしようかなぁ〜、なんて思ったり。

この記事を読んで、少しでもFujii Guitersなどのルシアーメイドのギターに興味を持っていただけたら幸いです。

なかなか高い買い物ではありますが、確実にお値段以上の満足感を味わえると思います。

私は自分の家で、生音という最高の音質で、楽器を自分自身で演奏出来る。それこそがアコースティックギターの醍醐味だと思っています。

その醍醐味を存分に味わわせてくれるFujii Guitersと、その製作者である藤井圭介氏に感謝を念を送り、締めとさせていただきます。

ご愛読ありがとうございました!

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