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多くの企業にコンサル出身者が採用され、コンサルファームの価値が下がってきていることについて人的資本経営の観点から考えてみる

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
今回は、多くの企業がコンサル出身者を採用する一方で、コンサルファームの価値が下がってきている現状を人的資本経営(HCM)の観点から考察してみたいと思います。

1. コンサル出身者の活躍

(1) 事業会社での活躍

コンサルティングファームで修行を積んだ人々が、事業会社で活躍するケースが増えています。
実際、弊社にも複数名います。
これらの人々は、問題解決能力や戦略的思考を持ち込み、企業の成長に貢献しています。
彼らの経験とスキルは、事業会社にとって大きな資産となります。

具体例

  • 問題解決能力
    複雑な課題に対するアプローチ方法を熟知し、迅速かつ効果的な解決策を提案できる。

  • 戦略的思考
    長期的な視点で企業の戦略を考え、実行に移す能力。

(2) 企業文化の変革

コンサル出身者は、データ分析やプロセス改善など、効率的な業務運営を推進する文化を企業に根付かせる役割も果たします。
これにより、事業会社は競争力を強化し、持続可能な成長を実現することができます。

2. コンサルティング費用の削減

(1) コンサル依存の見直し

多くの企業がコンサル出身者を採用しているため、以前よりもコンサルティングファームへの依存度が小さくなってきていると感じます。
これにより、コンサルティング費用を削減し、その資金を他の取り組みに活用することが可能になります。

具体例

  • 内部人材の育成
    コンサルティング費用を削減し、社内での人材育成プログラムに投資することで、長期的な競争力を強化。

  • 新規事業開発
    コンサル費用を新規事業開発やイノベーションに再投資し、企業の成長を促進。

3. コンサルファームの現状と課題

(1) ドキュメント作成に偏るコンサルタント

コンサルティングファームは売上拡大を見据えて、ここ数年で大量採用を行ってきました。
その結果、戦略策定よりもドキュメント作成に偏るコンサルタントが増加せざるを得ず、割合も大きくなってきていると思います。
これにより、世の中の事業会社が抱くコンサルのイメージと、実際のコンサルのイメージの乖離が大きくなってきていると感じます。

具体例

  • 形式的な報告書
    形式的な報告書やプレゼンテーション資料の作成に時間を費やし、実際の戦略策定や実行支援が不足するケース。
    コンサルティングファームの若手は、上位者が考えたことをパワーポイントにするタスクを行うことが多いため、パワーポイントの作成スキルはとても高いと日々感じています。

  • 実務経験の欠如
    戦略的な思考力はあっても、実際のビジネス運営経験が不足しているコンサルタントが多い。
    新卒でコンサルティングファームに入ると、そうなることは必至です。

4. 自社戦略の重要性

(1) 自社での戦略策定

企業の戦略は自分たちで考えるべきであり、外部のコンサルに頼らない姿勢が求められます。
内部の人材が企業のビジョンやミッションに基づいた戦略を策定し、実行に移すことが重要です。

具体例

  • ビジョンの共有
    全社員が企業のビジョンや目標を共有し、一丸となって戦略を実行。

  • エンゲージメントの向上
    自社での戦略策定により、社員のエンゲージメントが向上し、組織全体のパフォーマンスが向上。

(2) コンサルの役割再定義

コンサルティングファームは、ドキュメント作成にとどまらず、実践的な支援や専門的なアドバイスを提供する役割が求められます。
企業は、コンサルの価値を再定義し、効果的に活用することが重要だと思います。

具体例

  • 専門知識の提供
    特定の分野における専門知識やノウハウを提供し、企業の戦略実行を支援。

  • 実行支援
    戦略策定だけでなく、実行段階でのサポートや改善提案を行う。

終わりに

多くの企業がコンサル出身者を採用する一方で、コンサルファームの価値が低下している現状を人的資本経営の観点から考察しました。
企業は、自社での戦略策定と内部人材の育成を重視し、コンサルティングファームを効果的に活用することで、持続可能な成長を実現することが求められます。
今後も、企業は人的資本経営を通じて競争力を強化し、変化するビジネス環境に柔軟に対応していくことが重要です。

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