人的資本経営ができていない人事部が、社内の経営会議で他部門から思われていること
1. はじめに
本日は、人的資本経営ができていない人事部が、社内の経営会議で他部門から下に見られていて悔しいというお話を書かせてください。
企業には様々な部門がありますが、一つ一つがなくてはならない存在だと考えています。
しかし、各部門のKPIが異なることにより、社内で漠然とした優劣があると日々感じています。
その中でも、人事部は人的資本経営ができているかどうかにより、同等み見られるか、下に見られるか変わってくると感じています。
海外ではGoogleを始め、多くの人事部がデータドリブンで人事戦略の立案・実行をしています。
だからこそ、データドリブンの人事戦略ができていない場合は、さらに下に見られるのです。
グローバル共通で人事部が下に見られるのであれば諦めがつくのですが、そうでないからこそ悔しい気持ちでいっぱいになります。
2. ビジネス部門の自負心とバックオフィスの現状
ビジネス部門には「自分たちこそが会社の売上を支えている」という強い自負があります。
彼らは自らが稼ぐ利益が企業の存続を支えていると考え、そのため「直接的にお金を稼がないバックオフィス部門」を軽視する傾向があります。
バックオフィスは会社を支える重要な役割を果たしているものの、目に見える形での売上に貢献していないとみなされることが多いのです。
特に財務部門は、KPIを定量的なデータで提示することができ、ビジネス部門とも対等な立場で議論を展開できることが多いです。
しかし、人的資本経営が十分にできていない人事部門は、こうした評価指標を定量的に示すことができない場合があります。
3. KPIが定量評価できない人事部の弱み
人的資本経営が導入されていないと、人事部の報告内容は他の部門に比べて「しょぼい」と見られてしまいます。
経営会議で、ビジネス部門が利益や売上のデータ、財務部門が財務指標を掲げる中で、人事部が感覚的な報告や曖昧なデータに頼ると、他部門から見下されることが少なくありません。
これは人事部にとって非常に悔しい現状です。自らの部門が組織の中で「頼りない」と見なされるのは、モチベーションを大きく下げる要因となります。
4. アメリカとの比較と日本の現状
アメリカでは、人的資本の開示が義務化されつつあり、人的資本経営はビジネス戦略に直結しています。
データドリブンの人事戦略が当たり前となっており、経営会議でも人事部門が他部門と同じように定量的な評価指標を提示できます。この違いが、日本の人事部門にとってさらに悔しい現実です。
日本にいるだけで、同じ人事業務を行っているにもかかわらず、「データを持っていない」「戦略的でない」と見られてしまうのは、非常に不公平に感じます。
人的資本経営が普及している海外と同じ土俵で評価されることを目指すべきです。
5. マーケティング部門の例に学ぶ
昔はマーケティング部門も同じように、定量的な評価指標を持たないことから「感覚的な部門」と見なされていました。
しかし、現在ではデータドリブンがマーケティングの常識となり、ROI(投資利益率)やCPA(顧客獲得コスト)といった明確な指標を掲げることで、経営において不可欠な存在となっています。
人事部も、マーケティング部門のように、データドリブンを強化し、定量評価を可能にすることで「会社の成功に不可欠な部門」へと進化できるはずです。
6. 人事部が取るべき次のステップ
一日でも早く、形見の狭い思いをしている人事部から脱却し、他部門に頼られる存在になりたいと考えています。
人事部も、第二のマーケティング部門のようにデータを武器に、社内でのポジションを確立する必要があります。
今こそ、人的資本経営を実践し、他部門からも評価される存在へと変貌を遂げるべきだと考えています。
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