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勤怠管理にAIを活用することへの違和感とその可能性

はじめに

こんにちは、「データ分析やりたくて人事部に入ったわけじゃないのに」です。
最近、勤怠管理にAIを活用する話を聞きましたが、これには違和感を感じる部分が多いです。
特に、打刻が適切に行われていない、サービス残業が横行しているような企業では、AIを導入する意味が薄れてしまうと感じます。
しかし、適切な運用がされている企業では、AIが勤怠管理に大きなメリットをもたらすことも考えられます。
今回は、勤怠管理におけるAI活用に関する違和感とその可能性について考察してみたいと思います。

1. 勤怠管理にAIを活用することへの違和感

(1) そもそも打刻が適切に行われていない

AIを活用して勤怠管理を行うためには、まず基本的なデータが正確であることが前提となります。
しかし、そもそも打刻が適切に行われていない企業では、AIが分析するためのデータ自体が信頼できません。
例えば、社員が打刻を忘れたり、手動で修正するケースが多いと、AIの予測や管理機能は正確に働かない可能性があります。

(2) サービス残業が常態化している

サービス残業が常態化している企業では、公式な勤怠記録と実際の労働時間に乖離が生じます。
このような状況下でAIを導入しても、公式記録に基づく分析しかできないため、実際の労働状況を正確に把握することは困難です。
結果として、AIによる勤怠管理の効果が限定的になるか、全く機能しない可能性が高いです。

2. AIが勤怠管理に効果を発揮するケース

(1) きちんとした勤怠ルールが確立している企業

AIによる勤怠管理が効果を発揮するのは、きちんとした勤怠ルールが確立し、打刻が正確に行われている企業です。
例えば、社員がタイムカードやデジタル打刻システムを正確に利用し、勤怠記録が一貫している場合、AIはそのデータを元に効果的な分析や管理を行うことができます。

(2) データの活用意識が高い企業

データの活用に積極的で、勤怠管理においてもデータドリブンなアプローチを取っている企業では、AIの導入がスムーズに進む可能性があります。
AIは、勤怠データから労働時間のパターンや異常値を検出し、業務効率化や労働時間の最適化に貢献します。
これにより、働き方改革や社員の満足度向上につなげることができます。

3. 勤怠管理にAIを活用するメリット

(1) 労働時間の効率化と最適化

AIは、社員の労働時間や勤務パターンを分析し、労働時間の効率化と最適化に貢献します。
例えば、過剰な残業を検出し、改善策を提案することで、社員の働きすぎを防止することができます。
また、シフト管理や休暇の最適化にも役立ちます。

(2) リアルタイムのアラートとレポート

AIは、リアルタイムで異常な勤怠データを検出し、管理者にアラートを送ることができます。
これにより、問題が発生する前に対処することができ、早期に労務問題を解決する助けとなります。
また、定期的なレポートを自動生成することで、管理者は労働時間や勤務状況を常に把握しやすくなります。

(3) コンプライアンスの強化

AIは、労働基準法や就業規則に基づくコンプライアンスの強化にも役立ちます。
例えば、労働時間の法的制限を超えないようにアラートを設定したり、休憩時間の管理を行ったりすることで、法令遵守を徹底することができます。

終わりに

勤怠管理にAIを活用することには違和感を感じる部分も多く、手が動いていない時間でも頭で必死に考えていたりするので、正直業務時間を正確に働くことにはあまり意味がないと思います。
もちろん、成果と作業時間が単純に比例するような業務であれば意味があると思います。
すなわち、勤怠管理が意味をなさないような職種は実際のところ多いので、そのような曖昧な勤怠管理というものにAIを活用したところで、曖昧な示唆しかでないので、ユースケースの選定がいまいちなんだろうなと思っています。

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