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2023-24 ブレイブルーパス東京展望① リッチー・モウンガとBK

 2023-24シーズン開始前ですが、来季はシャノン・フリゼルとリッチー・モウンガといったビッグネームが2名加入することもあり、それぞれの選手とFW/BKの展望について書いていきたいと思います。

 まずはアンケートでご回答いただいた中で一番要望が多かったリッチー・モウンガとBK陣について展望をまとめていきたいと思います。


リッチー・モウンガ(Richie Mo'unga)選手 プロフィール

  • 出身:ニュージーランド クライストチャーチ

  • 経歴:NPCカンタベリー/SRクルセイダース/ニュージーランド代表(All Blacks)

  • 生年月日:1994年5月25日(現在29歳)

  • ポジション:スタンドオフ

  • 身長176cm/体重83kg ※ブレイブルーパス東京加入時 https://www.bravelupus.com/news/221226_2/

  • 既婚者で奥様とお子さんと共に来日する予定。ダンスやピアノが得意

  • お父さんはトンガ人、お母さんはサモア人

  • ブレイブルーパスを選択した理由の一つは、クライストチャーチ出身者が多かったから

ブレイブルーパスとSRクルセイダース関係者まとめ(miz_sue作成) 
クライストチャーチ出身者やモウンガ選手の関係者がわかるようにまとめて見ました

モウンガ選手のプレースタイル・特徴

 すでに多くのメディアでモウンガ選手の特徴をまとめられていますが、キックの正確さ・多様さ、相手のディフェンスラインを切り裂くラン、ゲームコントロール、メンタルの強靭さ、などが特徴でどのスキルも非常に高く、まさに世界最高の選手の1人と言っても良いと思います。

(参考動画)

 ポジションはSO専門で、SO以外のポジションを担うことは基本的にありません。またリザーブからインパクトを与えるより、スタートから出場して試合をコントロールすることが多い印象です。

2023-24チームビジョンとモウンガ選手の役割

「アタックはリーグトップクラスの数字を残せたし、スタイルを確立できたのかなと思います。ディフェンスはフィジカリティでスタンダードに達しなかったのと、相手のアタックのボールを遅らせることができなかった。その点で後手に回ってしまった。全体としてレベルに達していなかったので、次のシーズンは新しいディフェンスコーチと新しい方針で、しっかりと改善をはかっていきたい」
 その後もキックの使いかたやセットピースなどの改善点を、トッドHCはあげました。

東芝ブレイブルーパス東京公式HP【物語りVol.84】「頂点」への戦いは始まっている
https://www.bravelupus.com/exclusive/story_84/

 来季のブレイブルーパスが目指す方向として、トッドHCは先日の記者会見で「キックの使い方の改善」を課題の一つとしてあげました。

 昨季までは試合中のキックは小川選手、テイラー選手、松永選手らを軸に展開していましたが、試合を支配する攻めたキックと言うよりはリスクをうまくコントロールした丁寧なキックを展開していました。

 来季はおそらくモウンガ選手のキック能力の高さを武器に、多様なキック戦術を展開することが想定されます。また同時に他の選手にもキックによるゲームメイクで高い水準を求められることになると思います。そのためSH、CTB、FBで出場する選手にはキックスキルが求められてくると思います。
この辺りはプレシーズンマッチから要注目ですね。

モウンガ選手が加入することによる所属選手への影響

 モウンガ選手はSO専門であり、2022-23シーズンまで在籍したトム・テイラー選手との入れ替わりになるため、モウンガ選手が加入することによって著しく出場機会が減るようなケースはあまり起きないと考えています。
 他のSOとしては中尾選手、松永選手がいますが、中尾選手は12番CTBも出来ますし松永選手はFBとして過去2シーズンを戦ってきました。2選手ともに十分に出場機会があると考えられます。
 またモウンガ選手も全試合フル出場せず、パフォーマンスを維持するために定期的なリフレッシュ(休養)を取ると考えられるため、SOで頑張りたい選手にもチャンスは必ず来ると思います。
※Super Rugbyクルセイダーズ在籍時もBYE WEEK以外も時折休養のために試合を欠場することがありました。これは本人のコンディションやAll Blacksの規定に基づくもののようです。

モウンガ選手加入を想定した予想フォーメーション

 誰しもが出場機会を得るべく切磋琢磨しているので、全員にチャンスがあり全然予想がつかない状況ですが、昨季までを振り返った上で私が個人的に期待する選手とその理由を記します。

9 スクラムハーフ

 スクラムハーフは、順当にいけば共同主将の小川選手が大方の予想だと思います。特に小川選手はラックからのハイパントの精度も高く、キックの使い方を改善するという方向性にも合致する選手です。

 ただ個人的には現在NZ留学中の髙橋選手、杉山選手を推したいと思います。モウンガ選手はトム・テイラー選手よりフィジカルが小さい分、タックルやブレイクダウンに率先して入る場面はあまりないと思います。
 これは守備をしないわけではありません。いざという時はしっかり守備をします。ただ相手のキックもケアしないといけない立場なので、真っ先にブレイクダウンに突っ込むタイプではないと考えています。

 髙橋選手は、小柄ながら強靭な体幹を持ちジャッカルなどコンタクトの強さを持ち味としていて、なんというかモウンガとの相性の良さを感じます。
また2021-22シーズンプレーオフ3位決定戦の時に松永選手と2人で取り切ったトライなど、アンストラクチャーな場面で切り込める選手だと思いますので、そういう場面では必ずモウンガ選手がサポートに来ると思うので2人だけで決め切ってしまうような場面も期待してしまいます。

 また杉山選手は、試合の進め方や戦術、場面ごとの状況を理解した上でのボール捌きは巧みだと感じています。球出しのテンポもムラが少なく、相手の動きから狙いを察知することに長けているので、モウンガ選手が攻撃のタクトを振るう一方で、モウンガ選手を含めた全体をコントロールしてチームが仕掛けたいシチュエーションを作り出せる気がしています。
 エゴが少ないので目立ちませんが、そこが良いという感じですね。
 どことなくモウンガ選手が所属していたクルセイダーズのSHに似た印象を受けるので、かなり早い段階でマッチするような気もします。

 SHは2023年6月時点で3人しかいないので髙橋選手、杉山選手両方に出場機会が巡ってくると思います。とにかくSHはケガなくシーズンを過ごしてほしいです。

10 スタンドオフ

 SOはモウンガ選手なのですが、不在時(ケガや休養、あるいは交代)の候補としては中尾選手が筆頭になると考えています。昨季はケガの影響などで出場機会が減少しましたが、第15節で復帰して復調の兆しを見せてくれました。
 中尾選手の強みはキックの精度とタックル・コンタクトの強さ、ハードワークを厭わないタフネスだと思います。また戦術理解度の高さ(とてもクレバー)、メンタルの強さも感じます。松永選手がFBでプレーする可能性が高いのもあり、モウンガ選手不在時は中尾選手がファーストチョイスになるのではないでしょうか。

12 インサイド・センター

 12番CTBは日本代表に選出されたマクカラン選手、初MotMを獲得した眞野選手、SOと兼任できる中尾選手が挙げられますが、個人的に期待しているのは眞野選手です。

 眞野選手は元FLということもありコンタクトが強くハードワークが持ち味です。またレフティーで強いキックを蹴ることが出来るので、チームが目指すキックの改善においてアクセントを加えることが出来ます。(モウンガ選手は右利き)

 またマクカラン選手は、パス、ラン、タックル、全てのスキルが高いので様々な役割をこなせて起用しやすい選手だと思います。また12,13どちらのCTBもこなせるので出場機会は多くなると思います。リザーブメンバーとして22,23番も期待できますね。日本代表でさらにレベルアップしてくれることを期待しています!

13 アウトサイド・センター

 13番CTBは筆頭はやはりセタ・タマニバル選手だと考えています。デカイ・強い・やりたい放題を体現する圧倒的な個人技で相手チームの脅威になると思います。
 ただモウンガ選手同様、全試合フル出場するのは考えづらく代わりに13番C TBで出るであろう選手の筆頭はマクカラン選手だと思われます。
ただこちらは先述の12番CTBの起用もあり得るので、個人的にはこの13番CTBに新加入選手の補強があると考えています。セタ選手はカテゴリCなので、代わりの選手はカテゴリA・Bどちらも考えられます(Cはすでに3枠確定で空きなし)
 13番CTBはサインプレーにも大きな役割を担いますが、ブレイブルーパスの場合はセタ選手のフィジカルの強さや大きさを活かしたサインプレーがあるので、代わりの選手にもそれなりに身体が大きい選手が合いそうです。

11,14 ウイング

 一番悩ましいのがウイングですが、昨季多く出場した濵田選手、ジョネ・ナイカブラ選手は引き続き起用されそうです。ただサイズがあり安定したプレーをする松延選手、ハイボールキャッチに強い松岡選手なども出場機会が巡ってきそうです。セブンスで経験を積んでいる宮上選手も気になります。

 そんな中で自分が注目している選手は桑山淳生選手です。淳生選手の特徴は独特のステップで相手を翻弄するランだと考えていて、モウンガ選手や他BKとの相乗効果でどこまで化けるか見てみたいという思いがあります。
身体も大きい方なのでセタ選手との並びは迫力ありますし、一貫して質を維持してプレーできればポジション奪取してブレイクする可能性があると期待しています。
 淳生選手は出場するとしたら14番側だと思っていまして、11番は濵田選手が良いと考えています。濵田選手は小柄ですがその足の速さと体幹の強さはブレイブルーパスでも抜きん出ている気がします。見栄えが良いのであまり目立っていない気がしますが、相手のタックルで簡単に倒れない体幹の強さは強みだと思います。
 身体が大きい選手の間から濵田選手が抜け出してトライをとるシーンを昨季何度も目にしましたし、来季のさらなる飛躍が期待できます。

 またついに日本代表として試合に出場したナイカブラ選手も楽しみです。ミサイルのような速さ・強さに磨きがかかっていて最近は守備も上手くなっている印象です。キック処理の部分がさらに良くなれば14番の座は不動になる気がします。
 ウイングはポジション争いが特に激しいので、誰がメンバーに選ばれるか楽しみです。

15 フルバック

 フルバックは松永選手が有力だと考えています。キックの改善において、松永選手のハイパントの競り合いにおける強さや、ラインブレイク能力の高さはチームにモメンタムをもたらす重要な要素だと考えています。
 モウンガ選手が交代した後にはSOに役割変更も出来るので、起用される機会は引き続き多いと思います。プレースキッカーとして期待できるのも頼もしいです。

 その他の選手ではNZ留学で修行中の森勇登選手も期待しています。SO、CTBとしての起用もあると思いますが、NZの試合では様々なポジションで出ているようなのでどのような選手に成長しているか楽しみです。
 また身体が大きくハードワーカーという点では桑山聖生選手にも期待しています。ハードタックルで相手に刺さるシーンは昨季も見ましたし、WTBとして起用される可能性があるので出場機会が巡ってくる気がします。

BK予想フォーメーションまとめ

以上をまとめると個人的な予想フォーメーションは以下の通りです。

  • 9番SH 杉山選手か髙橋選手(どちらかが21番)

  • 10番SO モウンガ選手(22番 中尾選手)

  • 11番WTB 濵田選手

  • 12番CTB 眞野選手

  • 13番CTB セタ・タマニバル選手 (23番 マクカラン選手、ナイカブラ選手、もしくはカテゴリB新加入選手)

  • 14番WTB 桑山淳生選手

  • 15番FB 松永選手

今回は無理やり一つにまとめて見ましたが、チームとして戦力が充実してきているので様々な組み合わせがあると思います。
BKの中だけでなくFWとの相性などもあると思うので、15人全員でどういう構成がプレシーズンマッチ等をよく見て期待を膨らましていきたいと思います。
 BRAVERとして当然ですが、どの選手が出場することになっても全力で応援し続けたいと思います!

次回はシャノン・フリゼル選手とFWについて考えてまとめたいと思います。

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