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上杉昇さん オマージュ 詩1.




代償

曇天の空を恨めしそうに 見上げる
羽根に黒い血を湿らせ

雨は静かに 全てを呑み込み流し斬る

折れた翼は もう 開けない
見下ろした世界は 小さく
見上げた空は 広い

誰モ知ラズ 誰(タ)ガ為二叫ブ
 

冷たい鎖を断つ術は無い
繋がれたままの脚は凍てつき

風は強く 全てを飲み込み消し去る

白く濁った眼には 何も映らない
想像した世界は 狭く
最後に見た世界は 暗い

誰モ知ラズ 誰(タ)ガ為二叫ブ


自由が欲しけりゃ 代償は 躰か魂か・・・

自由が欲しけりゃ 代償は 躰か魂か・・・

それとも 精神か・・・


失望も希望もない 憤りも悲しみも
安眠も 水も

あるのは 疲れ切った 怯える躰ー。

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