1915 サンフランシスコ万博へ行こう!

秋田に住む秋子が蔵で父親の遺品を整理していたら、不思議な印刷物が丸められているのを見つける。「なにこれ?銅版画?」。広げるとギリシャ彫刻風の美女2人が恭しく何かを発表をしている様子だった。何か英語らしきもので書いてあるが秋子は外国語を目にするだけで具合が悪くなる。しかし好奇心には勝てず、高校生の息子に頼むとGoogleレンズで翻訳してくれた。どうやらこれは表彰状で、1915年のサンフランシスコ万博での銀賞受賞を称えているらしいということが分かった。
「父親が店をたたむまで、たしかにウチは樺細工(山桜の皮を剥いで作った工芸品)の製作をしていた。でもまさか、それが万博で賞を取ってたの??」
秋子はこれから社会から降りて本格的に終活準備に取り掛かろうとしていた矢先、周りのにわか熱量に巻き込まれる。
さびれた町の町おこしに利用したい観光協会、地方で高学歴を持て余しているお節介おばさん、お金はあるのに筵小屋に住む侍コスプレ男、MITで博士号を取った後にマタギになっちゃった女性、物静かで口下手な秋子が1915年の謎を解き明かすミステリーハンターに担ぎ上げられる。
一体銀賞を取ったものは何なのか?
どんな図書館でもネットでも、なぜこの調査の答えが見つからないのか。
謎とともに樺細工が誕生した江戸時代、マタギ、職人、武士、と時空がからみ合い、舞台は秋田から東京、日本からアメリカへ、サンフランシスコ万博のミステリーを追う旅になる。

#週刊少年マガジン原作大賞


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