プロ「ペシッ」評価値「その手、ダメww」視聴者「あーあ間違えた」←これ

2chみたいなタイトルですみません。

誤解を恐れずに言うと、私は最近の将棋中継が好きじゃないです。

いや、好きじゃないに誤解も何もないんですが、1つ言えることは、昔の将棋中継は好きでした。

NHK杯にしてもニコニコの中継にしても、昔はよく見てました。

今と昔、何が変わったのか?
明らかに大きく変わったことがあります。

それは評価値と最善手の表示です。

常に画面には形勢グラフとその局面の最善手が表示され、視聴者は①どっちがいいのか
②次の一手の「正解」は何なのか

を知ることができます。

私はどうもこれが気にいらないのです。

確かに、観る将にとってはこのシステムはいいのかもしれない。
将棋を指さない観る将にとっては局面だけ出されてもなんのこっちゃで、よく分からないまま決着が着いた、ということも昔はあったのでしょう。その点形勢が可視化されると、新しい楽しみ方ができる、という見方もあります。

ただ第一に、局面を自分なりにあれこれと考える、という楽しみ方が失われました。
「いや、考えるのは今もできるだろ!」
という批判が来そうですが、将棋というのは、正解が分からないものを自分なりに考えていくのが楽しかったりします。

この局面は詰みがあるのか、はたまた逃れているのか、うーん………
従来は画面に正解が表示されることもなく、解説者も正解は分からなかった。

でも今は、詰みがあるのかどうかは画面に出ています。

正解が分かっているものを考えるほどつまらないものはないわけです。

第二に、評価値の表示は、対局者にとって極めて残酷なシステムだということです。

少しでも間違えると、途端に評価値が下がります。
すると、視聴者側も、間違えたことがはっきりと分かります。
一方の棋士を応援している視聴者は、「○○○を指してくれ…!(最善手)」という思いで中継を見ることになります。

これの意味が分かりますか?

視聴者が、対局者の上に立ちすぎているんですね。

この手指せるかな……あわわ
指せなかったーあー間違えた

今の将棋中継はこうなっています。
何となく、我が子のおつかいを見守るお母さんみたいになっていると感じます。

今や、将棋AIは人間の棋力を遥かに超えています。
24のレーティングでいうと1000点以上は離れています。
いや、2000点は離れているかもしれない。
2000点差がどういうことかというと、例えば500点と2500点。
級位者と高段者ほどの違いがあるわけです。
当然、級位者は高段者に100回やって一回も勝てません。

これは少し穿った見方をすると、
高段者が級位者同士の将棋を見て、
「ふむふむ、これはいい手、これは悪手だね~。」
「この手が指したいんだけど、指せるかな~」
と説明している状況に近いです。
いやいや、公開処刑以外の何物でもありません。。。

まとめ

少なくとも、昔から今にかけて、将棋中継の見方が大きく変化したことは事実なんです。
それをポジティブに捉えるか私のようにネガティブに捉えるかは人それぞれなんですけどね。

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