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いてもたってもいられないメンヘラ

 私がうつで会社を辞めることになったときも、強い自己否定感でいっぱいだったのを思い出した。
 できたことがどんどんできなくなっていく上に、本当に何もひとつもまともに思考・判断できなくなっていた。
 会社でイスに座っているだけで、強烈な不安感に襲われて、一刻も早くこの場から立ち去りたい、その一心だった。
 定時、会社を出た瞬間が一番ほっとした。家に着いたら着いたで明日の出勤のことを考えて苦しくなる。

 実際、逃げるようにして会社を辞めた。辞めることを伝えたことで、すべての力を使い果たしてしまった。翌日から引き継ぎが開始される予定だったが、それすらムリな旨を伝えて、もう出勤しなかった。
 会社からすればハタ迷惑な話であるし、自分でも最低だったと思う。だけど当時の私にはそれ以上どう頑張っても何もできなかった。

 今にして思えば、私はもっと早くに精神科にかかるべきだったのだ。それより前から症状は出ていたのだから。

 しかし精神の病というものは、初めてかかった人間に、どの段階で病院に行くべきか判断するのは非常に難しい。まして、直近のトリガーとなった出来事だけではなく、それまでの人生であったさまざまなことが絡み合って原因となっている。

 要するに、積み重ねということ。己の限界を越えるくらい、ストレスをかけ続けてきたということ。
 間違った頑張り方をした結果が精神の病となってあらわれる。

 うつを治すということは、それまでの生き方を見直して、改めるということだ。薬を飲んで簡単に治るものではない。
 ないがしろにしてきた自分自身と向き合って、見つめ直す作業を繰り返さなくては、また同じことの繰り返しになるだけだ。

 自分を大事にすることや、自分自身の考えを持つということは、私たちのように精神を病んだ経験のある人間からすれば、一番難しいことかもしれない。

 必要なんだ、そういう訓練が。私たちには。それが、一番大事にすべき人間である自分を大事にしてこなかった罰とも言える。

 誰かや何かに依存して、望むものが与えられなくて、ギャーギャー泣き喚くことも無意味なんだよ。
 他人には、私の面倒を見る義理なんてない。

 自分の足で立って生きていくには、自分と向き合うより他ない。それがどんなにつらく、痛みを伴う作業であっても。

 うつ病急性期の人はきちんと病院にかかって、たっぷり休んでね!考えたり行動したりするのは、休むことに飽きてからで十分だよ!

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