御本拝読・コロナ療養中に読んでいた本

 本当に熱が高かった時は、筋肉痛や頭痛がひどすぎてベッドでのたうちまわるしかなかったです。無音や暗闇は怖いので、常夜灯とテレビつけっぱなしで意識を紛らわせてた3日間……エアコン一回も切らなかった……来月の電気代請求が怖い。ちょっとおさまってるときは、横になったまま本読んで寝落ち。
 微熱になっても、読書も絵を描くのもしんどく、ひたすらごろごろしてました。平熱になって、ようやく家事や用事を片付けてますが、体力を消耗してるのか、横になるといつまでも寝られる
 というわけで、この一週間ベッドのおともにしていた本たちを紹介。主に漫画やイラストエッセイ。
 まず、熱が高い+体痛い状態で、難しい本やストーリー漫画は読めません。長いものや重いものも無理。まあ、私そもそもそんな大長編やどシリアスな漫画買わないけども。そして、仕事を休んでることを気に病んでるので、そういう時に現代のものや仕事がテーマになってるものはパス
 
・「サザエさん」長谷川町子
 説明不要の、国民的4コマ漫画。特にフリークというわけではないのですが、現実逃避したい時用に、文庫本版をばらばらの巻数で10冊ほど持っています。今回、一番役に立ったというか、お世話になりました。戦後すぐの話から昭和後期まで、ってあの時代に毎日このクオリティで4コマ描かれていたなんて、と新鮮な驚きとリスペクト
 よく見れば、品行方正で全年齢、とも言い切れない。ちょっとしたブラックユーモアも、大人にしかわからないペーソスも、前提としてのエロスもある。国家転覆とか大規模脱税とかを目論んでる人はいないけど、ちょっとずつみんな悪戯だったりズルかったり意地悪だったり。それが全然不愉快でないのは、長谷川先生の腕のすごさなんだろうな。
 ぱらぱら読み進められるし、くすっと笑って気が楽になるし。具合の悪い時のベッドのおともに、最適でした。3周くらいした。今からまたもう1周する予定。
 
・「うちの3姉妹」松本ぷりっつ
 実は、これはもう15年以上私のベッドのおとも。引っ越してもずっと、ベッドサイドに並べてる大切な拠り所。睡眠障害で眠れなかった時、長すぎる夜の恐怖を、松本家の日常を読むことで随分和らげてもらったものです
 実は、子育てエッセイものって、お子さんが大きくなると感性が合わなくなってきたり商魂のたくましさに引いてしまったりするんですが、ぷりっつ先生のは平気。なんでだろう。旅エッセイのシリーズも好きです。
 よそのお子さん、ということもあるんですが、自分の周りに女児がいない分、楽しんで読めるのかも。それぞれに個性的でかわいらしく、それを見守るぷりっつご夫妻も素敵な親御さん。お二人とも若々しい趣味だしお子さんと一緒にはしゃげるのだけれど、ちゃんと大前提「親」として愛情や節度、躾をしっかりされているのが、安心して見ていられる理由かも。
 
・「コアラ絵日記」ゆあみ
 かわいらしいコアラさんの日常を、2ページ漫画でつづった本。ほとんどセリフがなく、ひたすら絵で追っていく形式。登場人物は全て動物で、バスやお店でも動物たちが働いています。セリフがないのも、ファンタジックな世界観を後押ししていて良い
 SNSで見つけて好きになったのですが、最近の話ではナマケモノも登場して、新刊が楽しみです。
 
・「お散歩ブック」杉浦さやか
 イラストレーター・杉浦さやかさんの文庫本。東京、京都、海外、といろんな場所をお散歩した記録をぎゅっとかわいらしい絵日記形式でまとめたもの。
 杉浦先生のイラストがもともと好きだったんですが、先生の「これが好き!」「こういうものを美しいと感じている」が端的に詰まっていて好きな一冊です。実際に行けるところばかりではなくても、いつか行ってみたいと思わせてくれるプチ・トリップ疑似体験。有名観光名所や高価なお買い物も、元気があるときは楽しんで見れるのですが、病気でぐったりしてるときは、これぐらいの穏やかで小さなお散歩がちょうど心の慰めに。
 
月曜日から仕事復帰予定なのですが、ベッドのおともたちが愛しすぎて、行きたくない気持ちにすらなりつつあります。

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