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人生を面白くする本物の教養

読書が好きだけれども、、、

私は本を読むのが好きで、1週間に2冊ぐらいのペースで本を読んでいるのだが、人からおすすめの本を聞かれたりしたときに、その本の何が面白かったのか、役に立ったのかを説明できない場面が多々ある。要するに本の内容が頭に入っておらず、読んだことに満足してしまうのだ。全ての本から何か学びを得る必要はないとは思うが、何も思い出せないというのもちと寂しい。
読書の内容や気付きをアウトプットすることを前提に読書をすれば、より深く理解できるのではと思い、ブログで書評を書いてみることにした。

教養とは?

書評第一弾は、出口治明著「人生を面白くする本物の教養」。ライフネット生命創業者として知られる出口さんが、教養とは何かを解説した本である。
この本を読むまでは、教養とは学校で勉強して習得する知識のようなものをイメージしていたが、出口さんがおっしゃるには知識だけあっても意味はなく、その知識を活用して人生を面白くすることが何よりも大切だとおっしゃっていた。従来、日本の公教育に置いては、詰め込み式学習が重視されてきたが、その弊害として、自分の頭で考える、自分の意見を持つ、といったことが苦手な大人が多い状況となっている。自分も間違いなくそんな大人の一人である。アンケートなどで、”どちらでもない”を選択しがちだが、そんなものは自分の頭で考えられていない証拠だと出口さんは一蹴する。

自分の頭で考える

「自分の頭で考える」ことが大切だという意見を反対する人はいないだろう。問題は、どうすればそれができるようになるかだ。具体的なトレーニングなどが記載されているわけではないが、考え方のコツがいくつか書かれていたので紹介する。
一つめは、「タテ」と「ヨコ」で考える事。「タテ」とは時間軸・歴史軸、「ヨコ」とは空間軸・世界軸を意味しており、「タテ」の発想で先人が繰り返した試行錯誤から学び、「ヨコ」の発想で世界の人々の考え方や実践法を学ぶことは、大きなヒントになるとのことだ。
二つめは、「国語ではなく算数」で考える事。これは「数字・ファクト・ロジック」で考える事とも表現されているが、要は、定性的な発想だけではなく、定量的に物事を考えよう、ということだ。
その他のコツも含め、具体的な事例と合わせて理解しやすいよう書かれており、多くの読者の参考になるだろう。

どのように教養を得るか?

出口さんは、教養を培ったものとして「本・人・旅」の3つを挙げている。また、本から50%、人から25%、旅から25%と具体的な割合まで述べられている。本については、とにかく量が半端ない。幼少期から本に親しみ、学生時代は1日14時間程度読んでいた時期もあったほどの本好きで、社会人になっても寝る前に1時間読書するという習慣をずっと続けているそうだ。大変多忙で夜中に帰宅した際もその習慣を守っていたというのだから凄い。テレビやゴルフを捨て、読書に励む姿勢に畏敬の念を覚えた。
人や旅のパートの中でも繰り返し書かれていたが、出口さんの行動基準はいつも「面白いかどうか」。面白い人と過ごす時間を大切にし、面白そうかどうかで行き先や行動を決める。自分もそういった気持ちではいるものの、何か選択をしたり決断をする際には、人から変に思われないか、失敗しないかといったような余計な考えが頭に浮かぶことが多々ある。自分の感性にもう少し忠実に行動していきたいと思った。

仕事観について

この本を読んで一番感銘を受けたのが、出口さんの仕事観だ。企業トップにまでなる人のため、大変高尚な考え方をお持ちかと思いきや、仕事とはあえて言えば「どうでもいいもの」と言う。その心は、1年8760時間のうち、労働時間というのは約2000時間であり、圧倒的に長いそれ以外の生活のほうが大切だということである。仕事や職場に従属することなく、「どうでもいいもの」と割り切ることができれば、それに悩むことは馬鹿ばかしいことに気付くという考え方は、すっと胸に入ってきた。自分自身、この考え方を大切にしていきたい。

最後に

バイタリティー溢れる出口さんの教養に対する考え方が、経験に即して書かれており、大変理解しやすかった。グローバルで活躍するリーダーに必要な素質、時事問題の読み解き方、英語の重要性といったことも書かれており、教養以外にこういったことにも興味を持たれている方は是非手に取って欲しい。


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