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ウルトラマンヴァルキリー【第1話 光との出会い】

そう遠くない未来の日本
日本は怪獣と侵略者に悩まされれていた。今の戦力では怪獣を倒すのも侵略者を追い出すのも一苦労だった。
そんな中、戦力を補うために結成されたのはMAGという部隊
Monster Annihilation Groupの略称で、全国各地から精鋭隊員が集まってできた部隊だ。
主な隊員は
隊長
岡本誠(オカモト マコト)

元パイロット
中田勉(ナカダ ツトム)

元陸上自衛隊
田山聡(タヤマ サトシ)

怪獣専門家
神城賢治(カミシロ ケンジ)

通信オペレーター
三山芽衣(ミヤマ メイ)

そしてこの物語の主人公
高山八重(タカヤマ ヤエ)

計6名だ。
結成して間もない日のことだった、街中に巨大な物体が落ちてきた。周囲の建物は更地となり、藍色の物体の中から怪獣「デストロモンス」が出現した。
メイ「怪獣出現!隊員は現場に急行してください!」
オペレーターの一言により、MAGは戦闘体制に入った。5人の隊員はMAGの戦闘兵器「バスターホーク」に乗り出撃した。
怪獣は市街地を暴れまわっていた。逃げ惑う人々、破壊される建物、そしてデストロモンスの咆哮。
オカモト「バスターホークに搭載されているミサイルで迎撃せよ!」
ヤエ「了解!」
バスターホークはデストロモンスに接近する
ツトム「ヤエ!いまだ!」
ヤエ「ミサイル発射!」
ミサイル発射ボタンを押したと同時にバスターホークに搭載されていたミサイルがデストロモンスに降り注ぐ。
ドン!ドドン!
デストロモンス「グォォォン!」
デストロモンスにミサイルが命中し、悶える。
オカモト「よし、これから地上に着陸し攻撃を開始する!」
一同「了解!」
バスターホークが着陸し、隊員達は地上作戦に移った。
サトシ「しゃあ!行くぞ!」
サトシの構えた銃「アトミックガン」から銃弾が放たれる。
オカモト「よし、皆田山隊員に続け!」
他の隊員はデストロモンスに近づきアトミックガンで応戦する。
ビュワー ビュワワー
デストロモンス「グォォァァァァ!」
デストロモンスは一斉射撃による怒りが口の中で何かを溜め始めた。
ケンジ「攻撃が来る可能性があります!皆さん撤退して下さい!」
怪獣専門家であるケンジの一言により皆撤退を始めた。しかし、ヤエは撤退の途中でとあるものが目に映った。逃げ遅れたのか、怪獣を背に逃げる少年だった。怪獣の攻撃範囲から少年は弾幕に当たってしまう。ヤエは少年を助けるために怪獣へ突撃した。
オカモト「高山隊員!戻るんだ!」
ヤエが少年を抱き抱えたその時、デストロモンスの口から大量の火球がマシンガンの様に放たれた。ヤエは火球が着弾した衝撃で吹き飛ばされた。
バスターホークにも着弾し、MAGは撤退できない状況に陥った。
ツトム「くそっ!翼をやられた!これじゃあ帰還できねぇ!」

その頃オペレーター室のモニターにはもう一つの光の玉が地球に接近していた。
メイ「こちらオペレーター室!地球にもう一つ、何かが接近しています!」
その玉は大気圏を突入し、今デストロモンスのいる市街地へ向かっていた。

ヤエ「大丈夫か?怪我はない?」
少年「大丈夫だよ、おねーさんありがとう」
少年はどこかへ行った。
ヤエは先程の衝撃でもう動ける体力がなかった。ふと地響きがする、デストロモンスがヤエの目の前まで近づいていたのだ。ヤエはアトミックガンを構えた。体力的にこれが最後の攻撃だ。引き金を引こうとしたその時、空から白い玉が落ちてきた。白い玉はデストロモンスを直撃し、後ろに転倒させた。
サトシ「なんだあれは!?」
ケンジ「新手の怪獣か?」
皆がアトミックガンを向ける
オカモト「待て、ここは様子を見て行動するんだ。」
残った隊員は警戒している。
白く光る玉はヤエを取り込んだ。 

ここは玉の中、ヤエは白い背景の中で立ち尽くしていた。
ヤエ「ここは…?」
すると目の前に謎の巨人が現れた。
ヤエ「あなたは一体…?」
???「私はウルトラマンヴァルキリー、光の国からやってきた。」
その巨人はウルトラマンヴァルキリーと答えた。
ヤエ「なぜ、ここへ?」
ヴァルキリー「私は火星で交戦していたデストロモンスを追ってここへ来た」
MAGが出動する1時間前、ヴァルキリーとデストロモンスは交戦していた。 ヴァルキリーが優勢で、トドメの「ヴァルキウム光線」を放とうとした際にデストロモンスは逃走してしまった。
ヴァルキリー「デストロモンスの脅威から、未来を担う少年を命を懸けて守った君に感動した。そこでだ、どうか私と一心同体にならないか?」
ヴァルキリーがヴァルキリーアームを差し出す。
ヤエ「…」
ヤエはヴァルキリーアームを掴んだ。
するとあたり一面に広がっていた白はヴァルキリーアームに吸い込まれ、ヤエは現実世界に戻ってきた。
ヴァルキリー「もし変身したい時はこれを右腕に装着して、天に掲げるんだ。そうすれば私に変身できる。」
鉛のように動けないはずだった体は軽くなり、動けるようになった。それと同時にデストロモンスが起き上がった。デストロモンスの咆哮と共に後ろからデストロモンスめがけてアトミックガンの弾幕が降り注がれる。ヤエの元にマコト隊長が走ってくる。
オカモト「ヤエ、無事か!?」
ヤエ「なんとか…」
オカモト「そうか、だが君には休んでほしい。バスターホークの近くまで避難してくれないか?」
ヤエ「いえ、結構です。」
ヤエはデストロモンスの目の前に立ちヴァルキリーアームを手にし右腕に装着した。
オカモト「な、何をする!?」
ヤエがヴァルキリーアームを装備した右腕を天に掲げたのと同時に、ヤエは光に包まれる。
シュワァー…
デストロモンスの目の前に、光の巨人が降臨した。
サトシ「怪獣の次は巨人か!?」
サトシがウルトラマンに向けて銃口を合わせようとした。しかしツトムが銃口を下げた。
サトシ「何するんだ!」
ツトム「まぁ待て、あいつが何をするかわからないまま無闇やたらに攻撃したら弾切れを起こすぞ。」
ウルトラマンはファイティングポーズをとり、デストロモンスに突撃した。その間にマコト隊長はバスターホークへ戻る。
その間に、ウルトラマンとデストロモンスの格闘戦は続いていた。
デストロモンスの頭突きをウルトラマンはかわし、デストロモンスの頭目掛けて蹴りを1発入れた。そこへヴァルキリーアームから放たれる光弾「ヴァルキウムショット」で追撃する。デストロモンスが大きく怯んだところへドロップキックで更に追撃する。
サトシ「お、俺たちが苦戦した怪獣をサンドバッグみたいに…」
ツトム「えぇーい!俺たちも援護するぞ!」
隊員達は皆、デストロモンス目掛けてアトミックガンの弾幕で応戦した。
デストロモンスの尻尾薙ぎ払いがウルトラマンにヒット、少し怯んだところへ突進する。ウルトラマンが吹き飛ばされた。
ピコン ピコン ピコン…
ウルトラマンのカラータイマーが鳴り始めた。ウルトラマンヴァルキリーは地球上では3分半しか戦えないのだ。3分半を過ぎると強制的にヤエの姿に戻ってしまう。
ケンジ「なんだか、あの巨人からピコピコ音がなってるぞ…」
サトシ「もしかしたら、時間制限?」
オカモト「その可能性があるかもな、全員できるだけあの巨人を援護せよ!」
一同「了解!」
皆アトミックガンで更に応戦する。
デストロモンスがまた口の中で何かを溜め始めた。ウルトラマンは立ち上がりヴァルキリーアームからヴァルキリーシールドを展開した。それと同時にまたもやあの火球の弾幕が襲いかかった。しかし今度は違った、全てヴァルキリーシールドが受け止めた。ウルトラマンがヴァルキリーシールドを光弾としてデストロモンスに発射する。
ウルトラマンはヴァルキリーアームに力を集中させた、右腕が青白く光る。ウルトラマンは腕をL字に組み、デストロモンス目掛けて光線を発射した。
ヴァルキウム光線だ。
ドガガガガーーーーーッ!
あまりの衝撃でウルトラマンは少しのけぞった。
ヴァルキウム光線はデストロモンスに直撃した。
デストロモンス「グォォォァァァァ!」
ドォォォォォォォン!
デストロモンスはヴァルキウム光線の衝撃により爆散した。
ウルトラマンは空を見上げ、飛び去った
シュワッチ!
サトシ「なんだか分からんかったけどありがとなー!」
サトシは飛び去るウルトラマンに手を振った。

夕日の街、現場は怪獣の細胞を採取するなどの目的で封鎖されていた。その現場から少し離れた橋でヤエは黄昏ていた。そこへマコト隊長が近づいてくる
オカモト「なぁヤエ、あの巨人は一体なんだったんだ?」
ヤエ「ウルトラマンヴァルキリー、彼はそう呼んでました。」
オカモト「ヴァルキリーか…変身者は一体…」
マコト隊長はまだヤエが変身者だとは信じきれていなかった。
ヤエ「ウルトラマンヴァルキリーの変身者は…高山八重、私よ」
オカモト「なぜ、ウルトラマンであることを隠そうとしないんだ?」
ヤエ「ウルトラマンだからといって、なぜ隠す必要があるのですか?」
マコト隊長は言葉が詰まった。
ヤエ「隊長、私はウルトラマンでもあり人でもある、それが私なんです。私は、ウルトラマンであることを隠さずに生きていきたいのです。」
ヤエは沈みゆく太陽を背に、バスターホークのある場所へ戻って行った…

続く

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