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ウルトラマンヴァルキリー 【第11話 優しさと青き慈愛】

地球に円盤が迫る
???「これより、地球の調査を始めます。」
???「了解した。だが、いざという時は我々が捕獲した怪獣を使いたまえ。怪獣を使うかは君の判断に任せる。それでもダメな場合は君の首についてるチョーカーから繊維上昇物質を放ち、戦闘ができるようにする。もしチョーカーを使う際はそこのボタンで知らせてくれ。」
???「了解」
怪獣が入ったカプセルには、リドリアスが入っている。リドリアスは悲しそうにこちらを見ている。
???「これはわが王の命令なんだ。これが終わったら離してあげるからね。」
彼らは地球を侵略に適しているかを調査するために襲来するのだ。そんな円盤の後ろを、青い何かが通り過ぎていった。

円盤は無事に着陸した。
???「これより調査を始める」
彼は偵察宇宙人 チェッカー星人だ。
チェッカー星人は円盤を出ると街へと向かった。
人々で賑わう中、チェッカー星人は人に変装して調査していた。
チェッカー星人「地球はこれと言った武器はないな…」
すると突然、チェッカー星人が倒れてしまう。地球に至るまでの疲労と空腹が原因だった。
そこへお使いの途中だった三郎少年が通りかかった。
三郎「ん?おじさん大丈夫?」
チェッカー星人「すまない、腹が減ってな…」
三郎少年は周りを見渡すと一つ閃いた
三郎「じゃあ僕ん家来なよ、今日はおでんを作るんだ。」
チェッカー星人「おでん…?」
チェッカー星人はおでんとはなんなのかも知らずに三郎少年について行った
三郎「ただいまぁ。おかーさんこの人お腹空かせてたんだ。」
母「あら、そうなの」
そこへ父が帰ってくる
父「なんだ、どうしたんだ?」
三郎少年はお父さんに全て話した。
父「そうか、そうか。ならご馳走になりなさい」
父はチェッカー星人の肩を叩く
チェッカー星人「い、いえ…そもそも私は宇宙人でして…」
チェッカー星人はハッとなる。
チェッカー星人「しまった!人に正体を言いふらしてしまった…」
父「宇宙人がなんだ!お腹を空かせていたらほっとけないのだよ!」
父は大笑いしながら手を洗いに行った
三郎「おじさん、一緒におでん食べようよ。」
数時間後…
食卓にはおでんが並べられた
チェッカー星人「これがおでんが」
目の前の大根と睨めっこしていた。
三郎「早く食べなよ、冷めちゃうよ」
チェッカー星人は一口食べてみた。
直後に大泣きしてしまう。
チェッカー星人「美味しい…故郷にはない美味しさだ…」
チェッカー星人は絶対王政の星、彼のような者は常に飢餓に苦しんでいるのだ。
チェッカー星人「これが、人間の料理か…」
三郎「もっと食べなよ!」
チェッカー星人は頷くとまた一口食べたのだった。

その頃円盤付近
1人のカメラマンが佇んでいた。その男は姫矢ではなかった。彼の名は風間清盛、姫矢とはライバル的な立ち位置だ。
風間「明日、この円盤の内部を撮影するか」
風間は写真を撮ると何処かへ消えていった。

一方MAG本部
ヤエが1人おでんを食べていた。今流行りの自販機で買えるおでんだ。
ヤエ「このひとときが平和よね…そう言えば三郎くん元気かしら?明日は非番だから行ってみるか!」
ヤエは蒟蒻を一口食べた。

翌日
チェッカー星人「昨日はありがとう、調査も済んだことだし、僕は帰るよ」
チェッカー星人は三郎と別れようとしていた。
チェッカー星人「また機会があればおでんを食べに行くよ」
そこへ風間が現れる
風間「おぉ!宇宙人だ!」
2人はギョッとする
風間「丁度いい!」
風間はカメラで2人を無断で撮影する。
三郎「何するんだよ!」
風間「何って、仕事だよ!」
三郎「だからってやっていいことと悪いことがあるだろう!」
風間「ガキのくせにうるせぇな」
風間は三郎少年を押しのけるとチェッカー星人を至近距離で撮影すると円盤内に入っていった。
チェッカー星人「待って!」
風間は内部を撮影すると、一つのボタンを見つける。
風間「なんだこれは?」
風間はボタンを押す。それはチョーカーの起動ボタンだったのだ。
するとチェッカー星人が悶える。
チェッカー星人「うう…」
三郎「だ、大丈夫!?」
チェッカー星人「逃げて…早く…」
チェッカー星人は雄叫びを上げると巨大化した。
風間「おぉ!これはいい!」
風間はひたすら撮影する。
そこへヤエが現れる。
ヤエ「三郎くん!早く逃げて!」
三郎くんは促されるままに逃げた。
ヤエはヴァルキリーアームを腕に装着した。
シュワァー…

ウルトラマン「シュワッチ!」
目の前にウルトラマンが現れる
チョーカーにより暴走したチェッカー星人をとめるべく、ウルトラマンは格闘する。チェッカー星人の弾幕を全て腕で弾き返し、チェッカー星人目掛けてジャンプ!そして流星キックをお見舞いした。チェッカー星人は大きく吹っ飛ぶ。ウルトラマンは腕をL字に組み、ヴァルキウム光線を放った!しかし…
ヴァルキウム光線は避けられてしまう。
そこへチェッカー星人の必殺技、チェッカー光弾が放たれ、ウルトラマンは直撃してしまう。怯んだところを首根っこを捕まえ、カラータイマー目掛けて光弾を放ち続ける。

ピコン…ピコン…ピコン…

カラータイマーがなり始める。ウルトラマンは悶える。戦闘狂と化したチェッカー星人の顔は、どこか悲しそうだった。彼には戦う意志などなく、彼の星で開発されたチョーカーにより強制的に戦わされているのだ。ウルトラマンは彼を救いたかった、しかしウルトラマンにはそんな気力はもう残っていなかった。カラータイマーが消えようとしたその時、何かがチェッカー星人を突き飛ばす。どうやら空からやってきた何者かがチェッカー星人を突き飛ばしたようだ。その正体は…

ウルトラマンコスモスだ!

ウルトラマン「コスモス…」
ヴァルキリーはコスモスの存在自体は把握していたもののあった事はなかったのだ。
ウルトラマン「コスモス、なぜここへ」
コスモス「僕は捕まえられたリドリアスを追ってここまで来たんだ。彼なら何かわかりそうなのだが…」
ウルトラマン「奴は戦闘本能がある」
コスモスは深く頷くと優しく話しかける。
コスモス「彼をよく見たまえ、何者かに強制的に戦わされているんだ。僕にはわかる」
ウルトラマン「だが、どうしたら…」
コスモス「チョーカーを破壊すれば僕の技が当たるだろう。協力しよう」
ウルトラマンは大きく頷く
そこへチェッカー星人が襲いかかる
ウルトラマン「そこだ!」
ウルトラマンはチョーカーを殴ってみる。しかし、チョーカーは砕けない。
チョーカー星人は大きく飛び上がり弾幕で攻撃した。そこをコスモスのバリアーが防ぐ。そこへチェッカー星人がコスモス目掛けて突撃する。コスモスはそれを避ける。着地したところをまたもや弾幕で攻める。今度はヴァルキリーシールドで防ぐ。ウルトラマンはヴァルキリーシールドを一つに凝縮しエネルギー状にするとチョーカー目掛けて放った!ヴァルキリーシールドショットだ!チョーカーは見事破壊される。しかしチェッカー星人の暴走は止まらない。
コスモス「あとは僕に任せて」
コスモスは優しい光をチェッカー星人に流し込んだ。彼の代表的な光線技、フルムーンレクトだ!
フルムーンレクトは相手の戦闘本能を鎮静化させる効果を持つ。これによりチェッカー星人にあった戦闘本能は抑制されたのだった。

チェッカー星人「お騒がせしてすみませんでした。」
チェッカー星人は謝った。
三郎「謝らなくていいよ、元を言えばあの変なおじさんが悪いだけだし」
チェッカー星人はリドリアスをコスモスに引き渡すとコスモスと共に飛び立っていった。
三郎「さよなら、さよなら!また来てね!」
三郎少年は大きく手を振った

帰り道
ヤエ「そう言えば、君の言っていたおっさんって?」
三郎「うーん…カメラマンだったよ、でも前に学校にきた人とは違う人だったよ」
ヤエ「姫矢くんじゃない…人物?」
ヤエは首を傾げる。
そこへ車が通り過ぎる。その運転手は風間だった。
三郎「あいつ!あいつだ!」
ヤエは見逃してしまった。
ヤエ「どうかしたの?」
三郎「…ううん、なんでもない」
2人は帰路に着いたのだった。

一方チェッカー星
チェッカー王「なるほど、地球は優しさと美しさで溢れた星、侵略するには勿体無いと…」
チェッカー星人「そうでございます」
チェッカー王「それにしてもだ、おでんとは?」
チェッカー星人はおでんについて熱弁した。
チェッカー王「なるほど…こりゃあ侵略するのは勿体無いのぉ!」
王は大きく笑ったのだった

続く

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