ウルトラマンヴァルキリー【第9話 スクラップの山から…】
コルメテオの脅威から暫く経ったある日、MAGは三郎少年が通っている小学校に課外教育を行なっていた。
マコト「我々MAGは、みなさんの平和を脅かす怪獣から日々戦っているのです!」
1人の生徒が挙手する。
「ウルトラマンはMAGにとってどんな存在ですか?」
その質問にメイが答える
メイ「ウルトラマンは正義の味方です、それと同時に我々にとっては欠かせない存在です。」
やがて、課外教育が終わりを迎え解散することとなった。
ヤエ「じゃあね、三郎くん!」
あの日であったシード星人の絵を持つ三郎少年に手を振った。
ヤエ「さてと、姫矢くん、今日はありがとうね」
ヤエの視線の先には知り合いのカメラマンである姫矢薫が笑顔でカメラを持っていた。
薫「いやぁ、こちらこそありがとう。いい写真が取れたよ。」
薫は頭を掻いた。彼は新聞に載せる写真を撮っていたのだ。
薫「これなら編集長も喜んでくれるよ。それじゃ、俺はここで」
薫は車に乗ると編集社へと走っていった。
その夜、ヤエの携帯の電話が鳴る。
かけてきたのは姫矢薫だった。
ヤエ「もしもし…」
薫「なぁ、ヤエ君。ちょっと聴いて欲しいことがあるんだけど…」
ヤエ「どうしたの?」
ヤエは自室のベットに座り込む
薫「実はな、ここ最近スクラップ置き場から異変が起こっているって噂があってね…」
ヤエ「スクラップ置き場?」
薫「なんてったって、何かが軋む音がするって噂なんだ。」
ヤエ「軋む音?」
ヤエは疑問に思う
薫「それに、紫色に発光する所が目撃されたり、呻き声がするって…」
ヤエ「あんたねぇ、心霊で驚かせようって?」
薫「違うんだ。んでここで本題に入るんだけれど、今日編集長からこの異変を調査してくれって依頼が来てるんだ」
ヤエ「あら、だったら1人で行けばいいじゃない?」
薫「…なんか怖いしさ、ほら、この間のあの怪獣の一件と関係してるかもってんで…」
ヤエ「なるほどね、それで私に護衛の依頼をしたいってわけ?」
薫「そうなんだよ…」
ヤエ「わかったわ…」
ヤエは電話を切るとMAGガンを持って部屋を出た。
ヤエ「隊長、パトロールに行ってきます。」
マコト「そうか、何かあったら連絡してくれ」
ヤエ「了解」
ヤエはソニックカーで目的地へと向かった。
目的地のスクラップ置き場付近にて、薫と再会したヤエ。
ヤエ「で、こんな山の奥深くに呼び出してさ、どんな依頼なの?」
薫「護衛を頼もうかなって…」
ヤエはため息を吐くとスクラップ置き場へ入って行った。
薫「あっ、待てよ!」
それに続くように薫も入っていった。
夜のスクラップ置き場とだけあってなんだか不気味である。
薫は懐中電灯を照らしながら進む。
ヤエ「異変なんてないじゃない?」
薫「…そうかもしれないなぁ」
ふと何処からか何かが軋む音がした。
ギィ…ギギギ…
薫「なんだ!?」
ヤエ「風の音よ」
薫「にしてはなんだか不自然だったな…」
進んでいくと、誰かの呻き声がした。
ヤエ「…これは冗談じゃないわね」
薫がカメラを確認する。
ヤエ「なんかした?」
薫「いや、さっきそこにあった車が無くなってて…」
ヤエが確認すると、確かにカメラには車が写っていたのだが、今はその車が見当たらない。
それと同時に軋む音が強くなり、呻き声も大きくなる。
ヤエ「…嫌な予感がするわ、私は本部に連絡するから少し待ってて。」
薫が撮影に専念しようと振り向くと、紫色の目と思わしき2つの光が薫を見つめていた。
薫「で、出たぁぁぁぁ!」
薫は慌ててシャッターを切ると後退りした。
???「うぅぅ…」
やがてスクラップの山が体を形成し、あたり一面に転がっていた廃材や廃車、クレーンなどを集め、やがてそれはスクラップの亡霊となった。
スクラップ亡霊 スクラムゴーレムだ
スクラムゴーレム「グギギ…」
スクラムゴーレムは嫌な音を立てながらこちらへ接近する。
ヤエ「姫矢くん!逃げるわよ!」
ヤエと薫は全速力で逃げた。
スクラムゴーレムはスクラップを発射しながら2人を追いかける。
やがてソニックカーに到着した2人。
ヤエ「姫矢くんはここで待ってて!」
ヤエは薫をソニックカーの近くに置いていくと、ヴァルキリーアームを右腕に装着した!
シュワァー…
闇夜を照らす閃光からウルトラマンが現れる。それと同時にバスターホークが到着する。
ツトム「なんだあいつ!?」
マコト「スクラップの…巨人?」
ケンジ「体はスクラップで間違い無いですね。ミサイルで応戦しましょう」
サトシ「うっしゃあ!任せな!」
バスターホークからミサイルが発射され、スクラムゴーレムのスクラップが少し剥がれる。
ウルトラマンが格闘戦を繰り広げる。
拳や蹴りが当たるたびにスクラップが崩れる。
スクラムゴーレムは抵抗するかのように腕に付着したクレーンで殴打する。
ウルトラマンが大きくのけぞるも、反撃のヴァルキウムショットを受けてしまい、クレーンが剥がれ落ちる。更に追い討ちをかけるかのようにミサイルが直撃する。ウルトラマンは腕をL字に組み、トドメのヴァルキウム光線を放った。スクラムゴーレムの体にヴァルキウム光線が染み込み、大きく爆散した
ドゴォォォォォ!
それと同時に怪獣墓場の亡霊であろう紫の光が消滅する。
あたり一面にはスクラップや廃車が散らばる。
ウルトラマンは天を見上げ、飛び立った
ウルトラマン「シュワッチ!」
翌日
サトシ「高山隊員!これ見ろよ!」
サトシは雑誌をヤエに見せつける。
サトシ「この雑誌のここ!「怪奇!スクラップ置き場の亡霊!」だってよ!ウルトラマンも写ってるぜ!」
薫はウルトラマンが戦っている間にもカメラで撮影を続けていたのだった。
サトシ「にしてもよく撮れたもんだよ!」
サトシは大笑いしながら部屋を出た。
ヤエ「…眠い!」
ヤエはベットに横たわり、そのまま眠りについたのだった…
続く
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