西九州新幹線は、従来のフル規格よりも佐賀県の在来線の三線軌条高架化をすべし!
2022年9月23日に西九州新幹線の武雄温泉~長崎が先行開業して1年以上が経ちました。肥前山口(現在:江北)~諫早の単線区間が解消され、博多~長崎の単線区間が解消されたのが良かったと感じられる一方、武雄温泉での乗り換えがあり敬遠されがちになってしまっているのではないでしょうか?実際に博多長崎は距離にして150kmしかないのもあり高速バスが強いのでしょう。「乗り換えをなくすために武雄温泉~長崎の高速新線区間を狭軌スーパー特急に戻すべき」とか「こんなたった150kmの区間に新幹線なんかいらないよ」とか「もう鉄道を利用しないでバスか車を使う」とか「もう現状維持で良い」という意見も聞いたことがあります。
新幹線がいるかいらないかは別として、日本では鉄道の新規建設が政治に振り回される形になっていて、何だかなぁというのが率直な感想です。
とはいえ、このまま乗り換えを続けるようでは利用客が離れてしまい、(利用客がバスや車にシフトするのは)カーボンニュートラルに逆行することになってしまうので、何らかの方法で乗り換えをなくさないといけません。
ただし、従来の在来線と別個のフル規格を建設すると佐賀県の懸念事項である在来線の経営分離が起こってしまう可能性もあります。じゃあ直通させるのなら、在来線を活用するミニ新幹線やスーパー特急はどうかという意見が出てきます。
しかしミニ新幹線やスーパー特急では、在来線の区間は根本的に洪水に弱いままで終わってしまいます!実は2021年に特急みどりが大雨で水没してしまうという悲しいことが起きてしまいました。(2024年2月25日アクセス)
また、長崎本線・佐世保線は(鹿児島本線もですが)ちょくちょく踏切事故も起こっています。例えば下のようなものもそうです。(2024年2月25日アクセス)
第四種踏切の廃止がどうのこうのというふうに言っていますが...
佐賀県民にとっての生活の足でもあり、長崎や佐世保や鹿島に行く上での重要街道でもある長崎本線・佐世保線がこのような被害に対して弱いままなのはダメだと思います。
そもそも、これらの洪水対策や踏切事故対策をするには
在来線の高架化
が必要ということになります。武雄温泉~新鳥栖を丸ごと高架化してしまおう、という発想です。つまり、在来線と別個にフル規格を作るよりも
在来線自体を「三線軌条」で高架化する
ことが佐賀県にとって有用なのではないでしょうか?特に佐賀県は水害に弱い地形であり、且つ在来線も踏切事故や災害に弱いです。今回のような三線軌条高架化をすれば、佐賀県にとっては一応新大阪に直通するというメリットはわずかながらあるかもしれませんが、それ以上に、在来線の踏切事故が減って水害の心配もなくなるので佐賀県民にとってかなりのメリットになると思います。で、武雄温泉の乗り換えもなくなります。これにより長崎との往来をする人も得します。
ここで高架化する際に重要なことをいくつか示します。高架化する際は
「フル規格対応の建築限界」かつ「三線軌条の路盤」で
高架化することが必要です。つまり、その高架橋を狭軌路盤にしてはならないということです。恐らく高架化するのであれば三線軌条対応にしても狭軌対応にしてもあまり建設費は変わらないと思われます。せっかく高架化するなら三線軌条対応にしておいた方が高架化と同時に新幹線車両の直通もできます!ここで狭軌にしか対応しない路盤で高架化したらそれは愚策です!そんなことをしたら湖西線の二の舞になってしまいますし、一貫の終わりですよ。
もう一度念を押します。武雄温泉~新鳥栖を丸ごと高架化する際は
フル規格対応かつ三線軌条で
です!
今回の佐賀のケースでは
在来線の線路に沿ってフル規格かつ三線軌条の高架橋を作り、在来線の駅ごと高架橋に引っ越した上で、標準軌の新幹線と狭軌のスーパー特急と通勤電車と貨物列車を全て走らせる
というものです。
大町や神崎などといった在来線の小規模な駅も丸ごと高架化するため、建設費はけっこうかかります。(このため、佐賀県の負担をどうするかは考えるべきでしょう)
しかし、
・在来線の持続可能性
・在来線並びに新幹線の定時運行の確保
・災害への強靭化
・武雄温泉での乗り換え解消・新大阪直通
を一気に叶えるという意味ではかなり有用だと思います。しかもメンテナンスの面では、従来のように新幹線と在来線の2つのインフラを管理する必要はなく、三線軌条の高架線路という1つのインフラのみ管理すれば良いので、過剰なインフラのメンテナンス投資を防ぐことが可能です!今回の投資はどちらかというと長い目で見た時のメンテナンス投資の観点から見ています。
これからの新幹線整備のあり方として、在来線の三線軌条高架化も1つの選択肢となるのではないでしょうか?
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