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四国新幹線(松山~高松)整備案

2020年代の新幹線開業を見ますと、2022年に西九州新幹線が武雄温泉~長崎で先行開業し、2024年に北陸新幹線が金沢~敦賀で延伸開業しました。新幹線開業で喜ばしい話題ばかりかと思いきや実際は乗り換えが増えて面倒ということが、ここのところ増えています。また、新幹線を整備すると必ずと言っていいレベルで並行在来線問題が生じてしまいます。乗り換えが増える現象も結局、並行在来線の取り扱いをどうするかで議論が進まず思ったところまで新幹線を開業できないことで生じているという例が多いですよね。これらの例を見ると、今後の新幹線整備方式は色々と考えないといけないなと感じました。

そんな中、四国にも新幹線をという動きもあるようです。確かに四国では元々線形の悪い区間が多く、新幹線のような高速鉄道網があれば便利と考えられます。

その四国新幹線では単線のフル規格新幹線方式も検討されるようです。(↓の記事, 2024/04/21参照)

私は個人的に単線フル規格は保安上どうなのかなぁと思います。
秋田新幹線や山形新幹線のような特急列車のスピードしか出さないミニ新幹線ならまだわかるのですが、200km/h以上の新幹線でそれをやるのは少し不安です。

単線フル規格を在来線と別個に長区間に渡って建設するくらいなら、
複線フル規格で作っておいて、新在共用にして、在来線の駅もフル規格の高架線路に全移転する
のが良いと思います。ただし、単線並列ではなく、在来線も標準軌に統一して標準軌の複線にしましょう。在来線の単線と別個に単線フル規格を建設するというのは、つまり在来線の線路の線増をしているのと同じとみなすことができます。でも、どうせ線増するなら
在来線を標準軌の複線にして高規格化も同時にやるほうが良いでしょ
ということです。
つまり、在来線をフル規格対応で高架化して複線化と標準軌化と高規格化を同時にやります。これをやることで、狭軌のまま複線化するよりもはるかに高速化ができますし、踏切事故が無くなると思います。この方式を高瀬~豊浜と伊予三島~関川と新居浜~今治に導入したら良いでしょう。もちろん、在来線自体は元々カーブが多いので、高架化と同時に線形も大幅に直線化して改良します。残りのショートカット区間は従来の複線フル規格で良いです。

具体的に松山~高松はこういう整備方式になります。
1. 高松~坂出~多度津~高瀬:複線フル規格 ←在来線と別個
2. 高瀬~豊浜:高架在来線 (標準軌複線)
3. 豊浜~伊予三島:複線フル規格に付け替え
4. 伊予三島~関川:高架在来線 (標準軌複線)
5. 関川~新居浜:複線フル規格に付け替え
6. 新居浜~今治:高架在来線 (標準軌複線)
7. 今治~松山:複線フル規格 ←在来線と別個
※今治~松山は従来の在来線の方も標準軌に改軌します。
普通列車は標準軌のものを用意します。

もちろん岡山の方を標準軌にできるのかどうか分からないので、その時のことも考えると、今の1~7の区間の内、2~7と1の多度津~高瀬は全て複線三線軌条にしておいて、特急いしづち を標準軌の新幹線に移行して、特急しおかぜ は狭軌スーパー特急に移行するというのが良いのかもしれません。岡山側の目処が立てば、特急しおかぜ も標準軌の新幹線に移行して狭軌の部分を取っ払えば良いでしょう。

なお、高架在来線の区間では、新幹線いしづち と狭軌スーパー特急しおかぜ はともに200km/hで、標準軌の普通列車は180km/hにします。高速新線区間では新幹線いしづち と狭軌スーパー特急しおかぜ はともに200km/h~250km/hとします。なお、「複線フル規格に付け替え」と表記した区間については普通列車も高速新線を走ることになるので、普通列車の速度は180km/h~220km/hとします。

狭軌スーパー特急しおかぜ のことを考慮した上で、列車ごとの走行区間を整理すると、次のようになります。

[いしづち]
・高松~多度津:高速新線 (標準軌)
・多度津~高瀬:高速新線 (三線軌条)
・高瀬~豊浜:予讃線 (三線軌条)
・豊浜~伊予三島:高速新線 (三線軌条)
・伊予三島~関川:予讃線 (三線軌条)
・関川~新居浜:高速新線 (三線軌条)
・新居浜~今治:予讃線 (三線軌条)
・今治~松山:高速新線 (三線軌条)

[しおかぜ]
・岡山~多度津:宇野線/瀬戸大橋線/予讃線 (狭軌)
・多度津以西は いしづち と同じ

在来線の内、高速新線区間に並行する部分は並行在来線になる可能性はありますが、高架在来線になった区間についてはその心配は無いでしょう。

これからの新幹線整備のあり方として、長崎本線・佐世保線(新鳥栖~武雄温泉)や日豊本線(行橋~大分)、函館本線(白石~旭川)もそうですが、「複線フル規格で作っておいて、実際は新在共用にした上で在来線を丸ごと移転」という手法は今後検討する価値が十分にあると思います。


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