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SNS社会における「手紙の価値」はどこにあるのか?

SNSが便利なこの時代に

 皆様は最近、「誰かに手紙を書く」、ということをしたでしょうか。
 私たちが今生きている社会では怒濤の速さでIT化が進み、LINEやメール、Instagramなど、様々なSNSが日常生活の主な連絡手段となっています。いつの間にか誰かとコミュニケーションをとる上でインターネットは私たちになくてはならない存在になっているように思います。特に近年はコロナ禍ということもあり、私自身、実際に会いに行かなくてもたくさんの人と話すことが出来るオンラインの便利さをつくづく実感しておりました。

 そんな、手間を省くことが好まれる効率重視な時代に、私は先日1人の友人から日頃の感謝を綴る手紙をもらいました。その友人、男性の方なのですが、普段は冗談を言うことが好きで、いつも本心は何を考えているかあまりわからないような面白い性格の方だったので、正直手紙を書いてくれたという事実にまず驚きましたが、私のことを考えながら時間を使って書いてくれたことに嬉しさを感じました。それに加えて、今まではLINE上でしか会話をしたことがなかったので、内容を読む前に、とても字が綺麗なことに気づいて、案外真面目な性格なのかも知れないなと意外な一面に気づくこともできました。
 私自身は手紙を書くことが好きで、誕生日のお祝いや日頃の感謝の気持ちといった自身の中で大切にしたい気持ちは手紙にして渡しています。しかし、大人に近づくにつれて渡すことはあっても貰うことは少なくなったなと思っていたので、その手紙を受け取った時改めて手紙の魅力を実感しました。

私と手紙

 思い返してみれば、幼稚園の頃から手紙交換が好きでした。きっと、幼稚園生の時は、同じような言葉をいくつも並べながら、幼いながらになんとか文章を完成させた可愛いものだったけれど、私にとっては友達との良好な関係づくりのために必須のものでした。貰った手紙はすべて巾着袋に入れて、今でも大切にとってあります。集まった分厚い手紙の束を見て、友達との関係を嬉しく思っていました。
 想いが可視化されるのっていいですよね。

 中学生になってからも、周囲の友達に合わせるためにスマートフォンでコミュニケーションをとることは増えたものの、誕生日のお祝いや好きな人への告白、感謝の気持ちなど大切なことを伝える時の手段は、いつも手紙を選んでいました。それは、私の中で、自分の気持ちを自分の文字で表現することで、気持ちの本気さがもっと伝わると思っていたからです。

 手紙の価値は、日常生活の中で手紙を書くことが少なくなった今の時代だからこそ、高まっているのではないかと思います。

私が思う、現在の社会における「手紙の価値」とは

 手紙を書くというと、まず便箋を買わないといけないし、特に大人になってからは、拝啓に始まり敬具で終わる、ちゃんとした文章で書かないといけない堅苦しいイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今の時代における手紙の価値とは、「本来であればインターネットなどを通じて省けてしまうであろう手間を、あえて自分の手で行うことで、相手にあなたには手間をかけたいほどの気持ちがあることを伝えられる」ところにあると思うのです。
 ですからみなさん、次に誰かの誕生日をお祝いしようと思った時、いつも使っているメモ帳や、ノートの切れ端でもいいのです。文章になっていなくてもいいのです。「誕生日おめでとう」と、LINEで伝えようと思っていた言葉をそのまま書いて、渡してみてください、きっと、大切な人の笑顔が見られるはずです。

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