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「英語のナマリ」プロ通訳者はどう考える?

みなさんは「英語のナマリ」ときいて
何を思い浮かべますか?


ITエンジニアのインドの方?
英国北部のヨークシャーなまり?


先日、
知り合いのアロマセラピストに
愚痴られました。



この方、本職の通訳者では
ありません。


でも、英語が話せるので
通訳を頼まれ、
軽い気持ちで引き受け(!!)

テキトーで
抜けまくりの
ボロボロだったそうで…

(アッタリ前田のクラッカー!)
 でも自覚があるだけいいです。
 ない人もいますからね。)






講演者はフランス出身の
アロマセラピスト。
英語で話したそうですが…




それはそれはフランスらしい
英語だったそうで。





予想通り、
こうのたまいました。




「いやぁー、
もうなまりが強くて
聞き取りにくいったら!」







ごじゃっぺこくでねー!!!



↑↑↑
ふざけたことを言うな、を
栃木ではこう言います。




まず、相手のせいにしている
ところが仕事以前の問題です。



それに、自分は
ナマってないとでも言うつもり?



これ、発想が違ってます。



首都圏に住んでいる
=標準語だからナマってない
ではありません!!



ひとにはそれぞれ
唯一無二の語り口が
あります。



語り口の特徴に
地方らしさが入っている
こともあります。



でも、それは特徴の
ひとつに過ぎません。



ナマリという発想は
中央に標準的な発音があって
周縁は訛っているという
中央集権的でマクロな
見方じゃないでしょうか。






でも、同じ方言とくくられる地域でも
人はそれぞれに
独特の語り口があります。





通訳する相手の語り口に
愛着を抱くどころか、
文句を言うような輩は
顔を洗って出直してこい!






私は誰かの通訳をすると決まったら、
その人の語り口に
徹底的に耳を慣らします。



まだ駆け出しの頃は
タイヘンでした。



YouTubeもZoomも
ありませんでしたから。

国際電話は
目玉が飛び出るような
お金がかかったころでした。





なので、
初めてのスピーカーを通訳するときも
本番直前の打ち合わせしか
耳慣らしの機会は
ありませんでした。




今は便利になりました。




日本に招かれるほどの人なら
YouTubeに動画を視聴したり
SNSで連絡したりすることも
できます。



事前にZoomで
おしゃべりして
仲良くなっておくことも
できます。




そして当日、
その人の語り口を
こだまするような
日本語で訳すと…






あらあらまあまあ!!





不思議なことが起こります。






日本語がわからないはずの
スピーカーがとっても喜んで
1人で話す時よりも
ハッスル(昭和…)して
くれるのです。



そして、
自然とリピートにつながり、


ますます、
チームワークが深まり…


ありがたい好循環です。





さてさて、ちょいと話は
変わりますが、


8月4日と6日(同内容再開催)に
広島原爆報道に関する
勉強会を開きます。



大いにギョッとして
いただきます。


言葉の力を知る通訳者ならば
歴史もまた言葉で作られるという
ことの重大さが
ピンとくるはずです。



情報のセンチネル(歩哨)でもある
通訳者がいくら歴史を学んでも
もうこれで十分ということは
ありません。




詳細とお申込みは
次のメルマガでご案内します。
どうぞお楽しみに♪

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