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$人生劇場 新飛車角 鶴田浩二主演


$人生劇場 新飛車角 鶴田浩二主演 佐久間良子共演
映画および、同作含む全3作からなる映画シリーズ[出典 1]。製作・配給:東映、監督:沢島忠、主演:鶴田浩二[出典 2]。本項ではシリーズ作品3作について記述する。

概要

尾崎士郎の自伝小説『人生劇場』は、尾崎本人をモデルにした青成瓢吉を主人公とした長編文芸小説である。同書は「青春篇」「愛慾篇」「残侠篇」「風雲篇」「離愁篇」などに分かれ、それぞれの各所を活かし、この作品以前に7度、現在までに14度、映画会社や監督を変えて制作されている(人生劇場#映画)。これらの作品は同一シリーズを除いて直接的な繋がりはないが、本作以前は全て、瓢吉を主役に据えた物語であった。しかし岡田茂は初めて「残侠篇」の主人公である侠客・飛車角の生き様にスポットを当てることを着想し、「やくざ路線」を構想した。本作は『人生劇場』=ヤクザという通念を生み出すほどの成功を収めた。このため本作は今でいうスピンオフ映画の先駆けとも評される。

人生劇場 飛車角

人生劇場 飛車角監督沢島忠脚本直居欽哉(実際は鈴木尚之)原作尾崎士郎出演者鶴田浩二
佐久間良子
高倉健
月形龍之介
梅宮辰夫
加藤嘉
村田英雄
水島道太郎
本間千代子音楽佐藤勝主題歌村田英雄人生劇場」撮影藤井静製作会社東映東京撮影所配給東映公開1963年3月16日上映時間95分製作

製作(第1作)

企画

当時東撮所長だった岡田茂が「いままでと同じでは当たるまい」と『残侠篇』の脇役の1人に過ぎない飛車角こと小山角太郎に着目し、全く違った『人生劇場』を作るよう指示を出す。こうして生まれたのが、この『人生劇場 飛車角』である。当時の東映は、粗製濫造を招いた第二東映の失敗もあり、テレビの抬頭もあって一連の時代劇ひばり映画の客足が遠のき、時代劇ではお客を集められなくなっていた。大川博社長からの表向きの理由は東撮の立て直しであったが、当時京撮の労働組合が騒いでいて、岡田を京都に置いていると一戦交えるのではないかと危惧して岡田を東京に飛ばしたものだった。東映では京都撮影所(以下、京撮)より格下にあたる東撮に左遷させられた岡田は、古手の監督を一掃して若手監督を一気に抜擢し東撮は活気が出てきたが、1962年4月に公開した『太平洋のGメン』から「東映ギャング路線」を敷いて東撮を軌道に乗せ、1963年3月16日公開の本作から「東映任侠路線」を敷き、京撮所長復帰後も任侠路線を柱に東映再建を成し遂げた。任侠路線は時代劇の衰退で模索を続けていた東映の第二の黄金期をもたらした。任侠路線は岡田をして「東映はやくざ映画で生き残れたんだよ、分かりやすくいえば」と言わしめるほどの大成功であった。任侠路線は「東映映画は不良性感度の映画」と公言した"岡田イズム"の象徴となった。

監督・キャスティング

日本の映画産業のピークは1958年から1960年で、1960年代に入ると映画は娯楽産業の花形から急速に転落したが、メロドラマ松竹は業績がまだ良かった。岡田はやくざ映画なら松竹に対抗できる、青成瓢吉を主人公にしないで、侠客の飛車角に絞れば当たると、プロデューサーの勘が働いた。岡田は「やくざに共鳴するところがあったと思う」と話している。本作は時代劇が撮れる監督を使わないと無理だと、岡田は沢島忠監督を京撮から呼び寄せた。撮影期間も短く周囲はベテラン監督を推したが、岡田が沢島の起用を決めた。飛車角に鶴田浩二、吉良常に月形龍之介、飛車角の情婦おとよに佐久間良子、おとよを知ったために死地に赴く男、宮川に高倉健。これらの配役は岡田の強い意向によるもの。片岡千恵蔵を軸にした従来の東映的キャスティングを捨てたところが岡田の新しい発想だった。沢島は時代劇映画、特にひばり映画の巨匠として名を馳せており、自身もまた低迷期を迎えていた。主演の鶴田浩二も岡田と俊藤浩滋の招聘により東映に移籍してからは、かつてのような大ヒットに恵まれず、やはり低迷していた。一方、相方の佐久間良子も東映看板女優としての美貌を誇りながら、清純派から演技派への脱皮を果たせずに思い悩んでいた。

そうした、沢島曰く「三すくみの背水の陣」で臨んだこの作品は、沢島も東撮に単身乗り込み撮影を敢行。出演者、スタッフは全員連日撮影所に泊まり込み、突貫撮影の二週間で撮り上げた。全く新しいスピード感に溢れた時代劇は、村田英雄の曲を主題歌に据えて大ヒット作品となった。これにより沢島、鶴田、佐久間はそれぞれ息を吹き返し、岡田もまた経営者としてやがては頂点までその階を昇って行くこととなる。

鶴田浩二は本作で"着流しヤクザ"という生涯のはまり役にめぐりあった。

佐久間良子もそれまでのお嬢さん女優からは考えられないような、女郎役という汚れ役を体当たりで熱演し、見事演技開眼した。鶴田とのゴシップによって本当の意味での"女"になったとも伝えられている


$視聴者レビュー引用・編集
尾崎士郎の自伝小説『人生劇場』は、尾崎本人(青成瓢吉)を主人公とした長編小説で、その中の「残侠伝」は、まったくのフィクションあり、任侠の世界を描く意図から、お袖と瓢吉、飛車角とおとよ、そして吉良常を登場させました。映画は、その部分を膨らませて「任侠映画」にしました。
今回の「人生劇場 新飛車角」は、今までの飛車角ではありません。
飛車角は死にましたが侠客道は残ったということです。廃れ ゆく侠客道に、吉井角太郎という青年を登場させます。
この人生劇場は、男女の愛がテーマです。角太郎が一人の人女性まゆみを愛し続け探し求める
というストーリーで、見つけたときは、過去の女性ではなくなっているが、それでも構わないという一途の愛です。
海岸で会おうとする前日に、理不尽に殺された友人にたいし仕返しをしなければならないとする義侠心から殴り込みをかけます。
ひん死の重傷を負い、まゆみとは、会えないという悲劇で終わります。
生きがいであった愛よりもまず義侠心が優先したという任侠の世界でした。
まさに、この映画も東映任侠映画の原点。

商品の説明

内容紹介


【解説】
浅草の侠客あがり・吉井角太郎は、ふとした事から、踊り子のまゆみを深く愛するようになる。反対にあいながらもめでたく結ばれた二人だったが、幸せな日々もつかの間。太平洋戦争勃発により角太郎は戦地へと向かう。やがて敗戦。浅草に戻った角太郎は、戦争中に角太郎を追って海外前線慰問演劇団に入ったという、まゆみを捜すことに生き甲斐を見出すが……。
戦前から戦後まで、一人の女を惚れぬいたがために、侠客道の意地と激突、不本意ながらも血の雨を呼んでいった快男児・吉井角太郎の物語。鶴田浩二が、男の世界に生きた本当の男、飛車角・角太郎を熱演する! !

【キャスト】
鶴田浩二、佐久間良子、長門裕之、大木実、志村喬、西村晃 ほか

【スタッフ】
原作:尾崎士郎
企画:岡田茂、亀田耕司、吉田達
脚本:笠原和夫
撮影:仲沢半次郎
音楽:佐藤勝
監督:沢島忠

【公開日】1964年2月公開

【スペック】
DSTD20563/COLOR/本編104分/片面1層/1.主音声:モノラル/16:9LB(シネスコ)

【販売元】東映株式会社 【発売元】東映ビデオ株式会社

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

沢島忠監督、鶴田浩二主演による任侠シリーズ「人生劇場 飛車角」の第3作。浅草の侠客上がりの吉井角太郎は、太平洋戦争前、戦中、戦後を通じてひとりの女にほれ抜き、そのために不本意ながらも血の雨を呼んでいく。共演は佐久間良子ほか。

内容(「Oricon」データベースより)

浅草の侠客あがり・吉井角太郎は、ふとした事から、踊り子のまゆみを深く愛するようになる。めでたく結ばれた二人だったが、太平洋戦争勃発により角太郎は戦地へ。やがて敗戦。浅草に戻った角太郎は、戦争中に角太郎を追って海外前線慰問演劇団に入ったという、まゆみを捜すことに生き甲斐を見出すが…。戦前から戦後まで、一人の女を惚れぬいたがために、侠客道の意地と激突、不本意ながらも血の雨を呼んでいった快男児の物語。









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