我が家のベタ飼育環境ー針子~稚魚編ー
針子とは主にメダカ界隈で使用される用語です。
生まれたてのメダカの稚魚は細く小さな体をしていることから「針子」と呼ばれています。人間で例えるならば産まれたばかりの新生児のような状態で、泳ぎもままなりません。
わたしはこの針子という呼び方をベタでも使用して、成長段階の位置づけを行っています。
卵→針子→稚魚→幼魚→若魚→成魚→老魚
さて、今回は図の左側の針子~稚魚水槽をピックアップしてご紹介いたします。
■繁殖水槽を針子~稚魚水槽で使用するためにやるべきこと
まずは「我が家のベタ飼育環境ー親魚編ー」でオススメした水槽で見事な泡巣が作られている様子をご覧いただこう。
そういえば記事を読んでくださった方から「水槽、買ってみたよ!」というお言葉をいただいた。そういった反応をいただけてとても嬉しい(^^)
…で、本当に見ていただきたいのは立派な泡巣ではなく水位。
今回ご覧いただいた写真はハーフムーンの繁殖水槽で、水位は半分となっています。これはハーフムーンの特徴である長いヒレを考慮した結果なのです。
そもそも、ベタは泳ぎがあまり上手ではないことで知られています。
水流の強い水槽にヒレの長いハーフムーンを解き放つとせわしなく泳ぎますし(流されそうなのを懸命に耐えているだけ)、体力も激しく消耗して免疫力が落ちていくでしょう。
優雅で華麗で大きな尾ビレをなびかせて、ゆったり泳ぐのがハーフムーン特権の美しさ……
そんなハーフムーンでも交尾(繁殖)となれば話が変わってきます。ボディを大きくうねらせて求愛アピールをしつつ激しくメスを追い回し続けなければなりません。非常に体力気力が必要な状況に追い込まれるわけです。
人間に例えると、大人が毛布を被って子どもと鬼ごっこをする感覚に近しいかも……想像してみてください。これで「捕まえた~!」って子どもを上から抱きしめるシチュエーションまでがセットですよ?わたしなら毛布の重さで2分が限界!へばっちゃいますね(汗)
水位を下げることはヒレが短くて身軽なメスの行動範囲を狭める。よってオスのハーフムーンのハンデが軽くなる=ペアリングの成功率が上がる、に繋がっていくわけです!
これはペアリングするベタ(特にハーフムーン)が歳を取ればとるほど非常に大切なことだとわたしは考えています。老いと体力は比例しますからね…!(涙)
しかし、プラカットの繁殖水槽では水位はほぼ満水です。
はい???
そう思った方もいらっしゃることでしょう。
まずはプラカットについて順を追ってお話します。
プラカットの最大の特徴は、闘魚本来の形質を色濃く残して改良された魚であることです。
ハーフムーンは恐らく品種そのものの特性でプラカットに比べたら活力が落ちるのが非常に早い場合が多く、また飼い主の頭を悩ませるヒレ欠けも飼育難易度を上げる要素。
一方でプラカットはヒレが短く、ハーフムーンとは異なりパワフルかつそれを継続する期間が長いです。産まれてから2年くらいまで元気いっぱいな個体が多く見受けられます。
このため、プラカットの場合はアドレナリンが大爆発しているオスからメスが逃げられるようにするために水位を高くしておく必要があるのです。
■孵化~生後20日前後
さて、無事に横泳ぎし始めた針子を確認。同じタイミングでオス親をそっと水槽から取り出してあげましょう。\お疲れ様~!/
で、ここからが我が家の特徴!
さらに水位を下げます!
半分の水位からさらに半分、水位を下げます。そしてここでプラカットの水位もハーフムーンの水位と統一させます!
理由はひとつ。
餌を万遍なく行き渡らせ、食い損ねのない環境にするため!
ベタの成長速度は凄まじいです。しかし大切な餌をしっかり食べ続けることが出来なければスピードの波に乗れず成長速度が落ちる、もしくは大きく育たない個体となってしまいます。特に針子~幼魚までの時期は非常に大事で、この約2カ月間でいかに早く若魚サイズまで持っていけるかで今後が変わってくるかと思います。
水位が下がることで水質汚染が気になるかもしれませんが、毎日スポイトで食べ残しを取り出して新しい水を入れてあげるのを繰り返すことで特に問題はありません。ただし水量が少ない分、こまめに清掃を行い水は常にきれいにしておくべきでしょう。
ちなみに我が家では点滴法などの水合わせは行っておらずドバっと新水を入れちゃってますが、未だトラブルはありません。それでもやっぱり不安だ…と万が一を考える方は点滴法で注水するのをオススメします。
水量は生後1カ月になる少し前から半分を目指して徐々に増やしていくのがベスト。
ちなみに水温は繁殖時から29°前後、塩無しを成魚になるまで継続します。
■生後約1カ月~2カ月
生後1カ月で立派な稚魚!生後2か月で幼魚になりつつありますね!
このサイズになってきたら水位を8割まで増やしていきましょう。水量が増えることにより成長が促されます。
エアレーションも1/1秒程度に増やしていきましょう。
ブラインシュリンプの他にミジンコ、早ければ活きイトメベビーや赤虫の刻みを食べてくれる時期になります。食べてるかどうかわからない人口餌も混ぜてとにかくたくさん食べさせてください!
食べる!水換え!食べる!水換え!
これが全てです!!!!!!!!!
生後1.5~2カ月頃からエアレーションではなく、この水槽に付属しているフィルターを弱めて使用するのが良いでしょう。
ただし、これはあくまでも我が家の理想のスピード(タイのファームをベースにしたやり方)であって、思っていたよりまだベタが小さい…と感じたりした場合は焦らずゆっくりと育成してください。
ベタも人も無理をしない。ベタの飼育は楽しい!の気持ちを忘れないでくださいね。
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