松阪一人酒 45軒目

 炬燵に火を入れた。普通なら迷うことのない時期だと思うんだけど、妙に暖かい日が続くから。布団も、一番厚い掛け布団を出すタイミングを掴み損ねている。

 それでも、外を出歩くなら寒くない方がいいかなと思いながら呑みに行く。ファーストとセカンドのプランが連続で定休日だったので、少しさ迷い歩く。ようやく腰を落ち着けたのは「又兵衛」さん。

 いつものように熱燗を頼み、イワシ酢と太刀魚の刺身を注文。熱燗はお銚子じゃ無くてコップで出してくれた。イワシ酢はスライスの玉ねぎが添えられた南蛮漬けスタイル。辛子をちょいと利かせて頂く。炙りの太刀魚は淡泊ながらきっちり美味い。
 焼酎の湯割りをおかわりし、カキフライとさつまあげを追加。この時期は、どうしてもカキフライをチョイスしてしまう。そしてさつまあげはしっかりした歯ごたえがイイ。
 ラストの冷酒は瀧自慢。肴はがんもどきと塩イワシ。イワシは被ったと思ったけど、これが正解。そして、がんもどきは自家製で揚げたてを出してくれる。これまた大正解の美味しさだった。
 何より、酒と肴の出てくるタイミングにブレが少ないお店なのが良かった。
 メニューの目につくところにご飯ものがなかったので、そのままお勘定。

 今回は、常連らしきお客さんとお店の人の会話に時折加わりながらのお酒だった。氏郷まつりに出ていたんですよと、お店の人が話していた。後で調べると11月3日にやっていたお祭りらしい。近いんだから見物に行っていればよかった。
 酔えば何を話していたかなんてほとんど忘れてしまうけど、楽しかった事だけは忘れないもの。

一層の努力をいたしますので、どうかよろしくお願いします。