松阪一人酒 61軒目

 ぐずついた空模様は梅雨っぽいけど、雨の降り方はなんか違う。シトシトの長雨が続く梅雨がいいわけではないけれど。

 家を出る頃に雨が降り出して、慌てて上着と傘を取りに帰った。狙っていたお店は、駐車場の車の数に座れないと判断。フラっと一人酒は、ここからが問われる。
 雨の中で長く歩きたくはないので、頭の中の飲み屋地図を素早く検索してセカンドプランを選択。

 訪れたのは「居酒屋 23」さん。大きく看板とかを出していないので、ぱっと見は飲み屋さんとは分からないお店。

 カウンターに隅に腰を落ち着け、いつものように熱燗から。ヒラメの刺身とササミ霜降りを肴にチョイス。大当たりの美味さのヒラメを味わい、ちろりとグラスの組み合わせで出てきた熱燗を舐める。ヒラメが無くなる直前にササミが出てくる見事なタイミング。
 二杯目は黒糖焼酎を湯割りで。レバニラ炒めとモモブツなるものを注文。よく分からないのはとりあえず頼んでみるスタイル。鶏モモの天ぷらだった。ネーミングの由来は分からないけど、美味しかった。
 ラスト一杯は、八兵衛の新酒。かすかな炭酸の舌触りに、甘えびの素揚げを合わせてみた。

 テーブル席に座っていたお客さんが年配の男性三人で、楽しそうに飲んでいた。漏れ聞こえてきた会話から70も後半くらいかと。自分も30年後、ああやって楽しくお酒を飲める体とお金の余裕を持てるだろうか。
 そんな事を考えながら、お店を後にした。

一層の努力をいたしますので、どうかよろしくお願いします。