顔を上げて、無駄なことをする
毎日仕事をして、生活に追われていると、どんどん効率を求めて、無駄なものを減らそうと頭を使い始める。
節約することを考えて計算しているときは、ぐるぐると思考が回る。
日々無駄遣いをしないように、時間を有効に使うように、そう心がけながら生きる。
最初は達成感がある。
しかし、それを続けていると、いつの間にかものすごく視界が狭くなっていることに気が付く。
ごはんを、おいしいと思って食べるような感覚を、失いかけていることに気が付く。
人の心を動かすのは、一見無駄に思えるようなことの中にあったりするのだ。
毎日、少しずつはみ出してみると、意外とそれが、自分が求めている何かへの近道になったりもする。
わざわざ寄り道する必要もないけど、ちょっと気になっていたお店に寄ってみるとか。誰も一緒に行く人がいなければ、お一人様に挑戦してみるとか。
特にこだわる必要もないけど、ちょっと癒しが欲しい気分だから、高くても1番自分がリラックスできる家具を買うとか。
別にお金があるわけじゃないけど、誰か、自分にとってかわいい人に、おいしいものを奢ってあげるとか。
行き過ぎたらもちろん駄目だけど、そういう余分に思える小さなことの積み重ねが、心の豊かさを作っていってくれるような気がする。
いつでも少し無駄をする。
無駄って、かわいらしいもの。愛すべき、幸せの余剰。
下を向いて考え込んでいるならば、顔を上げて無駄なことをしてみよう。
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