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おろしたてのミュールで砂浜を歩いたおバカな日のこと

新しいミュールを買った。BUYMAで2万円くらいの、FABIO RUSCONIの上品なピンクベージュのミュール。

週末になったらこれを履いて、今年の夏を掴むんだ!と、うきうきしながら土曜を待ち、そして遂に足を通した。

新しい物を身に付けると、途端に行動力が出る人間である。私はじっとしていられずに、外へ出た。

近所の神社まで歩いていき、無事に今年のサンダル開きの儀式を迎えられたことを、神様に感謝した。お天気は最高に良く、日焼け止めを塗りながら歩き、丁度会う予定の人がいたので待ち合わせ場所に向かった。

横浜駅でお昼ご飯を済ませ、特に行く場所を決めていなかった私たちは、唐突に逗子に行きたくなった。

逗子には海があり、おいしいプリンのお店がある。きっと夕日もきれいに違いない。

そうと決まれば京急線に飛び乗り、がたんごとん揺られ、目的地に到着。

そして歩いて約20分、おいしいプリンのお店マーロウへ。

めちゃうまい!海も見える!最高!

それから、やっぱりここまで来たら海に行かなきゃ!と葉山方面へ。

すでに、靴擦れを感じ始めていたが、そんなことは気にしない。私の足は、歴代のパンプスからサンダル、スニーカーまで、数々の皮剥けによって磨かれてきたのだ。お上品なミュールと相棒になるのに、靴擦れの一つや二つくらい、ご愛嬌というもの。

不安定な岩肌の上を進み、砂浜を闊歩する。ちらりと足元を見ると、ああ、お顔にお傷が。

さらさらときめ細やかな砂が、足裏に溜まっていく。ふわふわと柔らかい砂に、ヒールが沈む。

もうだめ、耐えられない。

私は裸足になった。

今年初の裸足だ。そして気がついた。これが正解じゃない? 今更だけど、砂浜には、裸足が正解だったんじゃない?

まあいいや。だって夕日もこんなにきれい。海が美しい。富士山だって見える。

きらっきらの夕日。心に沁みてきちゃう。

結局、おろしたてのミュールも、自分の足もボロボロになった。靴擦れの皮が剥けた中に砂が入ったりして、もう何が何だか訳がわからない。

でも、なんか思い出した。

子供のころ、裸足で土手を駆け回り、木登りをしたり、笹舟を川に流したり、そんなこんなでたくさん傷を作って、服を泥まみれにして家に帰っていた。

あんなに夢中で遊べるって、今考えるとすごいことじゃない?

夢中で遊ぶことや、自然に素足で触れていることって、なんか物凄くかけがえの無いことだったように思えてくる。

帰り道、絆創膏だらけの足を見て、ふと嬉しくなってしまった。

まあミュールは、修理に出せばちゃんときれいにしてもらえるだろうし、むしろ私は靴は修理してからが本番だと思っている人間なので、

問題なし!いい思い出!

スーパーポジティブ人間が、無事に夏を掴んだ1日でした。

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