瀬川 研

読書好きです。ジャンルは問いません。また、美術や映画、音楽も幅広く楽しんでいます。でも…

瀬川 研

読書好きです。ジャンルは問いません。また、美術や映画、音楽も幅広く楽しんでいます。でも、どれも全くのアマチュアです。コーヒーやワインを片手に、気軽に、無責任なお喋りをするのが大好きなだけです。最も好きな四字熟語は酔生夢死でしたがパートナーとの死別を契機に天涯孤独も加わりました。

最近の記事

【詩】窓の外は雨

 私のパートナーは重い心の病に苦しんでいました。当時の彼女の心象風景を想像し言葉にしました。私自身辛いことですし、また、言葉の使い方として「危うい」という思いもあります(そもそもわかるわけがないことを想像し言葉にするという意味で)。しかし、今となっては私しか書けない事柄であるという気持ちがあります。  併せて、彼女への挽歌である既投稿の「不在」と「君のいないピアノ」もお読みいただけると嬉しいです。   窓の外は雨 ここはどこ? 私は今どこにいるのですか? 薄暗く肌寒い部

    • 【詩】君のいないピアノ

       パートナーの急逝後に書いた一連の挽歌の一つです。第一作「不在」は投稿済みです。写真の中の絵はデンマークの画家ハマスホイの「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」(部分)であり、国立西洋美術館に常設展示されています。   君のいないピアノ ドアを開くと奥の部屋に 君のいないピアノ 椅子だけ置かれたピアノ 昔、僕は訊いたっけ 「別れの曲」ってポピュラーだよね? 君はうつむいて、でも、 ふふと笑いながら答えた あれは、エチュードだけれど、 すっごく難しいのよ 今、音のない部屋に

      • 【詩】不在

         パートナーの急逝という人生で最も衝撃的で悲痛な経験をした後、生まれて初めて書いた詩です。彼女への挽歌です。     不在 風に揺れる木々の若葉から 木洩れ陽がはだらに落ちる日 あの美しい初夏の日に 君は忽然とこの世界から消えた。 その日を境に 世界は決定的に変わってしまった。 夜が明けないわけではない。 日が昇り日が沈まないわけではない。 星がまたたかないわけではない。 風が頬を撫でないわけではない。 陽が額に差さないわ

      【詩】窓の外は雨