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泣けなかった

トラウマ治療に踏み切ったのは、軽い気持ちからだった。

毒親育ち、暴力のある家庭で幼少期過ごすと、強い恐怖や強い緊張状態が常にあるので、身体にグッと力を入れる癖があるようでした。
例えば、緊張して肩に力が入り、全身が固まるような感覚。

それが日常的に、幼少期からなので、大人になった今、逆に身体の力を抜く事ができません。
特に寝ている時は、力を入れてガチガチな身体で眠っています。

10代20代の時は、まだ若いからそれでもなんとかなったけど、
30過ぎて同年代より体力がない、寝ても疲れが取れない、身体が休まらない、慢性的な腰痛や肩凝りに悩むようになり、原因をつきつめたところ、他の人より身体が常に緊張状態で力が抜けない事からの不調だと気づきました。

その時、
これからまだ歳を重ねていくのだから今のうちにトラウマケアをしなきゃ!
という身体の不調の改善目的が最初の理由でした。


何件かカウンセリングを試してみて、ようやく合うカウンセラーさんに出会いました。

そのカウンセラーさんと知り合って2年。

私、泣かない人間だったのです。
感情が麻痺しているんです。

強い過去の事を話す時も、つい笑っちゃう。
それは強がって笑っていたり、無理して平気なふりをしていたり、そんなんじゃなくて、辛かった記憶を辛いと感じないよう麻痺していたんです。

だって、感じてしまうと、もう生きていけないくらいの辛さだから。
(※一人でトラウマと向き合うと危ないので、カウンセラーと行ってください)


でも心にたまりにたまった辛さを吐き出したい気持ちがあって、それを涙として出したい気持ちもありました。

カウンセラーにお願いした事がありました。
「泣きたいのに涙が出ません。泣かせてください」

それでも泣けるまで2年かかりました。

ようやく感情が動いたんです。

私は家族以外の人には恵まれてきた方です。
沢山の人に支えてもらってきた前提ではありますが、手助けが必要か不要かではなく、辛くて今夜一人でどうにもならない夜が何度もありました。
隣に信頼できる人がそっといてくれる、それだけでいいのに、と思う夜も、
苦しくて電話したけど、誰にも繋がらなかった夜も…

「振り返れば人生で本当にどうしようもなくて、誰かにそばにいてほしいと、一人では到底無理だって時は、必ず私はいつも一人だった」

そう言葉にした時、込み上げてきて涙がしばらく止まりませんでした。

まだまだこれから。
ゆっくり自分の傷と向き合っていこう。

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