知恵袋に命を救われた話

 私は猛烈に病んでいた。
あれは、高校一年生の初夏のことだった。

受験戦争に見事に敗北し、
好きな人に振られ、
学校に馴染めず、
家庭環境が悪化し、
何件ものバイト面接に落ち、
推しが大炎上。

正直、メンタル弱々な私にとっては世紀末さながらだったのだ。

登校中のバスの中で、泣きながら曲を聞いていた日もあった。
というか、泣かずに登校することが珍しかった。

誰かに、「辛いね。頑張ったね。」
そう言ってほしくて。でも、言ってくれる人も居なくて。

匿名で相談できる、ヤフー知恵袋に、
「生きる意味がないこと」を綴った。
2日経っても返信は来なかった。
「次の日、返信が来なかったら死のう。」
そう決めた。

明け方4時。今日も全然寝れなかった…と悪態をついて布団から這い出る。

スマホを見る。
そこにはとある通知があった。
一晩で、3つもアンサーが送られて来ていたのだ。

その中でも、特に心をいい意味で抉ってくれた回答を紹介したい。
とは言いつつ、要約する力とか無いし、
アンサーしてくれた人の言葉を少しでも改変するのは癪なのでコピペさせていただきます。


一つ言わせてもらいます。 何を希望に生きていけばいいかわからないような人は視野がかなり狭いです。 勉強ダメだったから何?勉強しかして生きてきてないのか?遊びは?スポーツは?習い事は?今後何もやりたいことがないのか?人間関係は?親も、友人もいるだろう?何でもいいんだよ。 車を運転してみたいとか、今度出る新しいゲームが欲しいとか、遊びに行きたいとか、海外に行ってみたいとか、山に登ってみたいとか、スポーツがしたいとか、来週のテレビが見たいとか、飛行機に乗りたいとか、綺麗な景色が見たいとか。 何でもいいんだよ生きがいとか生きる希望なんて。 どんな適当なくだらないことでも自分がやりたいことを希望にすればいいんだよ。 今回はその中の一つの勉強がダメだったんだろ?じゃあ別のことをするか、大学でリベンジしろよ。 大学行かなくたって、高校がいくら底辺校だって、やりたいことをやりゃあいいんだよ。 公共の福祉に反さない限り。 そうやって人生真面目に生きてもいいことないぞ? 適当に生きて、やりたいことやって、いつの間にか死んでる。そのくらいがちょうどいいと思うよ。 自分の人生後何年あるか。平均寿命から計算しても70年近く、長ければあと100年はあるんだぞ? 楽しまなければ損。どーせいつか死ぬんだしね。多少挫折するくらいが丁度いいさ。 いつかいい思い出、経験になるよ。 適当に生きな。 多少言葉がキツくなってすいません。


この回答を、声を殺して泣きながら読んだ。

竹ってさ、靭やかで暴風の中でも曲がりながら生きていけるんだって。
でも木ってさ、曲がれないから折れてしまうんだよ。

だから、
「あぁ、今までまっすぐ過ぎたんだよな…
曲がってでも、生きられたらよかったんだよな…」

結局、この方の言葉が、私の命を繋ぎ止めた。
その数日後、ヨルシカが「ブレーメン」って曲を出したんだ。
バスの中だったのに、聴いたら、
涙が溢れてきて止まらなかった。

色んな人が、私の自殺を止めにきてる。

なんか、自意識過剰すぎる考えだけど、
そう思ったんだ。

「死ぬほどのことはこの世にないぜ」
「死ぬほど辛いなら逃げ出そうぜ」

私は運が良かった。

ヤフー知恵袋のこのアンサーを久しぶりに見返して、また嗚咽が出るほど泣いてしまったから、懐かしくなって書いたんだ。



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