Puberulic acid(プベルル酸)の合成と活性

小林製薬の紅麹の件で話題になっているプベルル酸です。前提ですが、市販する以上、製造過程で未知の化合物が含まれていたとしても、免責されることはありません。一方で、このような単純な構造の分子を推定できるところまで持っていったなと、分析部門の方々の仕事に感嘆しています。

さて、プベルル酸は北里大学の砂塚敏明先生、大村智先生によって網羅的な合成研究がなされていました。

ガラクトースから8steps(保護・脱保護反応を含む)で合成できるのは驚きです。ビニル化合物が日本では入手しずらいようなので、合成と、クロマトグラムの保持時間の相同性の確認はまだできていないのでは?

また2021年になって、砂塚先生らにより、カルボン酸の誘導化と活性評価が行われていました。

プベルル酸は抗マラリア活性があることが知られています(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AB%E9%85%B8 2024年3月30日 (土) 06:30にも記載)。さて、カルボン酸部分の活性相関を見ると、in vitroではエステル化することで生物活性が増強されるようです(プロドラック化を同じですね)。プベルル酸を5 mg/kg x2の皮下投与で3日以内に4/5匹が死亡すると記されています(Sci. Rep. 2014; Introduction)。

腎機能が低い方で高い毒性が現れたことが示唆されています。腎機能障害性が高い分子なのか?今後の研究結果が待たれます。

亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。併せて、これ以上被害が広がらないことを祈ります。

もしよろしければ、ご支援くださいますと幸いです。

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