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【ヒュージ・リーダーズ】サムトのデッキのマナベースについて

はじめに

こんにちは!ケミです。

前回の記事では、お気に入りの統率者である《造反の代弁者、サムト》と、彼女を統率者にしたデッキのコンセプトなどをご紹介しました。

今回は、前回ご紹介できなかったデッキの"マナに関する部分"についてお話したいと思います。

なお、はじめに本記事で使用する用語について、以下のように定義します。

  • マナ加速:4ターン目までに5マナに到達するための手段

  • マナ加速カード:マナ加速に使用するカード

目次


マナ加速について

最初に、デッキで採用しているマナ加速について説明します。

採用しているマナ加速カード

前回ご紹介したデッキに採用しているマナ加速カードは、以下の8枚です。

  • 《豆の木のワーム》の出来事(豆撒き)

  • 《豆の木の巨人》の出来事(肥沃な足跡)

  • 《大狸》の魂力

  • 《路傍+瓦解》の《路傍》

マナ加速できる呪文と能力
  • 《クローサの境界》

  • 《溺墓の寺院》

  • 《古えの墳墓》

  • 《宝石の洞窟》(運勢カウンターが置かれた状態で戦場に出ている場合)

マナ加速できる土地

これらのマナ加速カードは、初手のキープ基準となります。ゲームを始めるにあたり、必ずどれか1枚は初手にほしいです。
ヒュージ・リーダーズは、比較的マリガンが許容されるフォーマットであり、1ターンの遅れがかなりの痛手となるため、初手は妥協せず、積極的にマナ加速カードを探しにいった方が良いです。

マナ加速カードのポイント

前述のマナ加速カードのほとんどは、マナ加速として使用するときに、マナの支払いを要求されます。
そのうち、以下のカードについては、唱えたり、能力を起動したりするために必要となるマナの数が"3マナ"となっています。

  • 《豆の木の巨人》の出来事(肥沃な足跡)

  • 《大狸》の魂力

  • 《路傍+瓦解》の《路傍》

  • 《溺墓の寺院》

また、《クローサの境界》についても、起動コストが2マナですので、3マナ相当のマナ加速カードとなります。
この"マナ加速の多くは3マナのターンに行われる"という点は、ヒュージ・リーダーズにおける重要なポイントだと考えています。

《豆の木のワーム》について
"エルドレインの森"で新たに登場したヒュージ・リーダーズ界期待の新星です。
ですが、このデッキにおいては、今後の採用をどうするか悩んでいるカードとなっています。

このデッキのコンセプトとして、6マナの続唱を持つクリーチャーから5マナのカードに繋げることで、1ターンに複数回の呪文を唱えて戦場にクリーチャーを並べ、"面"で攻めていくことを目指しています。
ネガティブな話になりますが、6マナの続唱からめくれるクリーチャーとしての《豆の木のワーム》は、本体のスタッツや能力が少し物足りなく感じています。

また、《豆の木のワーム》の"出来事(豆撒き)"の方についても悩みどころがあります。
このカードの登場以前では、マナ加速のほとんどが3マナで行われていました。"3マナのターン"でマナ加速をして、次ターンには4マナを飛ばして5マナに到達することが、序盤に目指すべき動きでした。

  • 標準的な序盤のマナの遷移:
    1マナ(1ターン目)→
    2マナ(2ターン目)→
    3マナ(3ターン目:マナ加速)→
    5マナ(4ターン目)

標準的な序盤の動きでは4マナのターンは存在しないため、ヒュージ・リーダーズにおいて"4マナの動きは基本的に採用すべきではない"という考えが筆者にはありました。
ですが、《豆の木のワーム》の"出来事(豆撒き)"は2マナのマナ加速カードであり、そこから、今まで想定してこなかった"4マナのターン"が発生することとなりました。

  • 豆撒き時のマナの遷移:
    1マナ(1ターン目)→
    2マナ(2ターン目:豆撒き)→
    4マナ(3ターン目)→
    5マナ(4ターン目)

現状のデッキでは、この4マナ域を埋められるカードがマナ加速カードくらいしかなく、空白のターンになりがちなところも、採用するかどうかの悩みのタネとなっています。

今後は、《シェフェトのオオトカゲ》のサイクリングや《免れ得ぬ破滅、ルーカ》など、今まで検討してこなかった"4マナの活用"について模索したいと考えています。
そして、それらのカードとデッキコンセプトとがうまく噛み合うかどうかで、《豆の木のワーム》を採用し続けるか判断していきたいと思います。

不採用のマナ加速

このデッキで採用していないマナ加速カードと、その理由を説明します。

《水蓮の谷間》+《トロウケアの敷石》

《水蓮の谷間》はカードテキストと現在のオラクルが異なり、《水蓮の谷間》が戦場に出る前に土地を生け贄に捧げる必要があります。

《水蓮の谷間》の効果によって《トロウケアの敷石》を生け贄に捧げることで、1マナ分のマナ加速になります。
このデッキでは、土地に2枚分の枠が確保できないのと、白マナの優先度が高くないため、不採用としています。

《揺籃の地の乱伐者》

ヒュージ・リーダーズ界の"ラノワールのエルフ"

《揺籃の地の乱伐者》は、"試作"で出すことで、他のマナ加速カードと同様の動きができますが、このデッキには採用していません。
理由として、《揺籃の地の乱伐者》は、アーティファクトかつクリーチャーのため除去に巻き込まれやすく、6マナに到達する前に居なくなってしまうとテンポ面で大きなロスとなるからです。
また、このデッキにおいて緑マナが出せる状態で欲しい色は"赤マナ"(まれに白マナ)です。《大狸》などの他のマナ加速カードの多くは緑マナから他の色を探すことができます。ですが、《揺籃の地の乱伐者》は、緑マナから緑マナへのマナ加速のため色マナの安定には難があり、初手のキープ基準にし難いため、不採用としています。

しかしながら、《揺籃の地の乱伐者》自身は、サムトの"速攻付与"および"クリーチャーをアンタップできる起動能力"と非常に相性が良いです。
さらに、+1/+1カウンターなどでクリーチャーを強化していくようなコンセプトのデッキでは、《揺籃の地の乱伐者》はうってつけの強化対象となります。
そういった"強み"を生かせるデッキでは、積極的に採用していきたいです。

土地について

土地の採用枚数

まず、土地の採用枚数についてですが、このデッキでは"17枚"にしています。
これは、統率者領域に用意されている4枚の"荒地(拠点)"や、前述のマナ加速カードを加味しての枚数です。
ですが、この枚数は、筆者個人の"勘"に基づくものであり、きちんとした計算によって導き出されたものではありません。

ちなみにですが、ヒュージ・リーダーズでの標準的な土地の枚数は、デッキ枚数の40%である"19枚前後"だそうです。

また、この記事を執筆中に"土地14枚"という驚愕のデッキ紹介記事が公開されました。
土地の採用枚数について、今後の研究から目が離せませんね。

採用している土地

次に、デッキに採用している土地を紹介します。

■マナ加速できる土地

●《古えの墳墓》《宝石の洞窟》
"ヒュージ・リーダーズの課金枠"(友人談)です。

上記の2枚の土地は、単体でもマナ加速カードとなりますし、他のマナ加速カードと組み合わせることで2段階、場合によっては3段階の加速を行うことができます。
どちらのカードも、価格を考慮するとなかなかオススメしづらいですが、金額に見合ったカードパワーは十二分にありますので、条件が許せば是非採用したいカードです。

《溺墓の寺院》
ご存知、"ヒュージ・リーダーズ界の太陽の指輪"です。
このカードをマナ加速カードとして運用するときの注意点として、手札から《溺墓の寺院》を捨てるためにプレイした荒地(拠点)と、戦場に戻した《溺墓の寺院》の2枚で無色2マナが確定します。他のマナ加速カードは色マナをサーチできるカードが多く、比較すると色マナの安定性にやや難があります。
そのため、初手に《溺墓の寺院》があった場合でも、他に必要な色マナを捻出できる土地がない場合は、マリガンした方がよいです。

●《ギャレンブリグ城》
クリーチャー限定で1マナ加速できる土地です。
具体的には、サムトから《年老いた骨齧り》に繋いだり、より早く《頂点壊滅獣》を唱えるために採用しています。
ただ、現状のマナベースだと、起動に必要な"(緑)(緑)"を捻出するのは、やや厳しいところがあるため、改善を検討しています。

まれに、"これ+4マナ"の計5マナでサムトを構えているフリをして、《甘露のイトグモ》を出したりもします。

●《邪神の寺院》
採用目的は、《ギャレンブリグ城》と同じです。
デッキ的には、こちらの方が安定して運用できます。

まったくの余談ですが、日本語Foilは初出のスカージ版しかないため、日本語版のカードでFull Foilを目指すときには、高い壁となる1枚です。
"ドクター・フー"にて、通常FoilとサージFoilの日本語版が再録されました。格段に入手しやすくなるので、大変ありがたいですね。

●《クローサの境界》
マナ加速をしつつ、色マナの安定までできてしまう、ヒュージ・リーダーズ最強の土地の一枚です。
このカードからサーチしてくる土地については、以下の『《ジェトミアの庭》《燃えがらの林間地》《梢の眺望》』項を参照ください。

■色マナを出す土地

●《統率の塔》
アンタップイン、かつ必要なすべての色が出せるのは本当に偉いです。

●《ジェトミアの庭》《燃えがらの林間地》《梢の眺望》
《クローサの境界》のサーチ先となる基本土地タイプを持つ土地です。
サーチして戦場に出すときの優先順位は、以下のとおりです。
《ジェトミアの庭》≧《燃えがらの林間地》>《梢の眺望》>>《森》>>>>>《平地》

上記のうち、特に"戦乱のゼンディカー"で登場した通称"バトルランド"(《燃えがらの林間地》、《梢の眺望》)は、後半に引いてきた場合でも、荒地(拠点)が基本土地なのでアンタップインしやすく使いやすい土地です。
本記事の執筆時点では友好色のサイクルしか存在しませんが、対抗色版の登場を待ち望むヒュージ民も多いはず。

●《尖塔の庭》
最序盤からアンタップインできる赤マナの出る2色土地として採用しています。
具体的には、"2ターン目に《熱狂のリフレイン》を待機させる"ことを目的としています。
なお、そういった意味でより厳密さを求めるなら、《燃えがらの林間地》ではなく、《Taiga》や《踏み鳴らされる地》の方がよいかも知れません。

●《モスファイアの谷》
荒地(拠点)などから出る無色マナを色マナにフィルターしてくれます。
また、これ1枚で、サムトを唱えるのに必要な色マナを確保できるのも偉いです。
対抗色版の登場を待ち望むヒュージ民も多いはず。(2回目)

●《平地》《山》《森》
《路傍+瓦解》などのライブラリーから基本土地を出すマナ加速カードランパンのサーチ先となる土地です。
基本的に、このデッキでは序盤の1回しかマナ加速を行わないため、基本土地は1枚ずつの採用となっています。
また、各色1枚ずつに抑えているため、《無限地帯》や《地形形成装置》といった複数枚の基本土地が必要となるマナ加速カードは採用していません。

上記の基本土地のうち《平地》については、デッキの構成上"白マナ"をほとんど必要としないため、積極的にサーチすることはありません。ですが、5マナで《ミラーリの目覚め》を設置するときに必要となる場合があるので、採用枠を設けています。

■その他の土地

《耐え抜くもの、母聖樹》
たった2マナで各種置き物に触れるのは、ヒュージ・リーダーズにおいても非常に強力です。
実質的には、土地ではなく呪文扱いのため、よっぽど土地が詰まっているときにしか置きません。

《家路》
クリーチャー主体のデッキのため、御守りとして採用しています。

不採用の土地

このデッキで採用していない土地と、その理由を説明します。

《火の灯る茂み》

赤緑のハイブリッドランド

《モスファイアの谷》との比較で、無色マナを色マナに変換できないのが不採用の理由となります。
具体的には、『《尖塔の庭》』項でも述べたように、2ターン目に《熱狂のリフレイン》を待機できるかどうかを、採用基準の一つとしています。《溺墓の寺院》をディスカードするための荒地(拠点)や、《クローサの境界》のタップイン処理で、1ターン目に無色マナしか出ない土地を置くことがありますが、その場合はフィルタ用の色マナを捻出できず、《火の灯る茂み》では2ターン目に赤マナを生み出せません。
ただし、色マナを1つでも捻出できれば、赤マナ・緑マナのどちらのダブルシンボルのカードも安定してプレイできるようになるのはとても魅力的なため、枠があれば採用を検討したいカードです。

《奔放の神殿》などのタップイン土地

占術土地

繰り返しになりますが、ヒュージ・リーダーズのマナ加速は概ね3マナのターンで行われます。そのため、序盤のターンにタップインを処理する場合、1ターン目か2ターン目で処理することが理想になります。
ですが、このデッキの2ターン目は、《古えの墳墓》とマナ加速カードによる2段階加速や《熱狂のリフレイン》の待機を行う場合があります。
そうなると、タップインを処理できるターンが限られきてしまうため、タップイン土地はなるべく採用しないようにしています。

ただし、《豆の木のワーム》の登場により、マナ加速とタップイン処理を同時に行えるようになりました。
今後の研究によっては、タップイン土地の積極的な採用もあるかも知れません。

おわりに

ご存じのとおり、ヒュージ・リーダーズで使用できる呪文には、"マナ総量が5以上であるカード"という大きな制約があります。一方で、土地については、広大なカードプールから比較的自由に選択することができます。
50枚という限られた枠の中で"どの土地を採用するか"というところに、デッキ作成者ごとの特色が垣間見えると思っています。
実際のところ、最近見かけたいくつかのデッキリストで《溺墓の寺院》が不採用になっていたり、先述の土地14枚のデッキだったりと、いろいろと面白そうな研究が日々進んでいるのを感じています。

ヒュージ・リーダーズの土地やマナ加速カードなどのマナベースについては、まだまだ研究のし甲斐があるところであり、そういった内容を解説した記事も、今後もっと増えていったらいいなと思います。

それでは。

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