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若者のすべて

今回の部員日記は商学部1年村田雅常が担当させていただきます。

まだまだ暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。もう8月も下旬に差し掛かっているというのに、太陽は未だに僕の体を蝕んでいます。ドSなのでしょうか。
そんな、太陽にイチャモンをつけている僕ですが、同時に夏の終わりが近づいてくる気配も感じております。甲子園も終わってしまったため、なんとはなしにテレビをつけても泥んこで汗水垂らす高校球児はもう見れません。

僕には毎年この時期になると自然と聞いてしまう曲があります。それがこの記事のタイトルにもなっているフジファブリックの「若者のすべて」という曲です。ご存じの方は多いと思いますが、知らない方には是非聞いてほしい曲なのでYouTubeのリンク貼っておきます。

この曲はバンド、フジファブリックが2007年の11月7日にリリースした通算10枚目のシングルです。作詞作曲は志村正彦さんで、この曲のリリース当時はバンドのボーカリストでしたが2009年の12月24日に29歳という若さで亡くなっています。志村さんはこの曲について「夏の終わりの最後の花火大会が終わった後の切なさや虚しさなど、感傷的になり考えてしまう所を歌った曲」と語っています。

以上が「若者のすべて」についての簡単な紹介ですが、僕が今回の記事でこの曲について書こうと思ったのはただ好きだからというわけではありません。というのも、先程書いた通り僕は毎年この曲を聞いているわけですが、今年大学1年生の夏にこれを聞いた時、歌詞がメロディに乗ってするするっと心の中に入っていくのを実感したんです。今までには無かったことなので、この曲に浸ると同時に少しびっくりしたことを覚えています。

どうしてそう感じたのかその時は分かりませんでしだが、歌詞を何度か頭の中で反芻してみて気付いたことがあるので、それを書き記していきたいと思います。
随分と長い前置きになってしまいましたが、最後まで読んでいただけたら幸甚です。

歌詞解釈

真夏のピークが去った 
天気予報士がテレビで言ってた 
それでもいまだに街は 
落ち着かないような気がしている
夕方5時のチャイムが
今日はなんだか胸に響いて
「運命」なんて便利なものでぼんやりさせて

1番のAメロ、Bメロです。今よりもう少し先の夏終盤のことを歌っています。
後半の5時のチャイムが胸に響いたというのは、小さい頃にチャイムの音を聞いて感じていた名残惜しさなどの感情を思い出してノスタルジーに浸っているのだと思います。
そして、その切なさを「運命」という便利な言葉で処理しているのではないでしょうか。

最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
ないかな ないよな 
きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ

1番のサビです。花火を見ると思い出す大切な人がいるようです。その人に伝えそびれた、若しくは、離れ離れになってから伝えたいことが出来たのかどちらかは分かりませんが、会えないと理解していてももしかしたらという淡い期待を抱いています。

世界の約束を知って
それなりになって
また戻って
街灯の灯りがまた
1つついて帰りを急ぐよ
途切れた夢の続きを取り戻したくなって

2番のAメロ、Bメロです。
世界の約束というのは時の流れのことだと思います。時の流れには逆らえないという絶対を知ったのです。
そして、それなりになる、つまり成長するのですが、また昔を懐かしんでしまうということだと思います。
1番と同じように、チャイムではなく今度は街灯の灯りに対して、小さい頃の自分が感じていたもう帰らなきゃという名残惜しさを思い出しています。
そして、その頃の自分が今とは違う純粋な心でひたすらに追いかけていた夢も思い出しています。

最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
ないかな ないよな
きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ

2番のサビです。

すりむいたまま 
僕はそっと歩き出して

Cメロです。1番2番とさまざまな幼少期のことを思い出していく中で寂しさや虚しさに襲われましたが、そんなつらさも堪えて前へ踏み出します。

最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
ないかな ないよな
なんてね 思ってた
参ったな 参ったな
話すことに迷うな
最後の最後の花火が終わったら
僕らは変わるかな
同じ空を見上げているよ

ラスサビです。思い出の人に会ったことを想像しています。実際に会うと話すことがないなと照れながらも、ずっと伝えたいと思っていたことではなく、最後の花火が終わったら僕らは変われるかなと言っています。このことから、過去の思い出は思い出のままで僕は前に進むという強い決意が感じ取れます。

以上が僕なりのこの曲に対する解釈です。

自分

大学に入って昔を懐かしむことが多くなりました。気がつくとあの頃はああだったこうだったと考えています。中高の友達と思い出話をして泣きそうにもなりました。
そんな自分にこの曲の主人公がマッチしたんだと思います。
小中高一貫だったこともありあまり別れに慣れていない僕ですが、この曲の主人公と同じようにいつかこの寂しさや虚しさも連れて強い決意を持って前に進んで行けたらなと思います。
最後になりますが、大きい音が無理で花火が苦手な僕にもここまで学ばさせてくれるなんて、すごい歌だなと思いました。調べてみると、高校の音楽の教科書にも載ってるそうです。納得ですね。

長くなりましたが、この辺りで締めさせていただきます。最後までお読みいただき誠にありがとうございました。次回の部員日記もよろしくお願いいたします。

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