皮膚

必ず先端から冷える。芯が最も大事な部分だから、皮膚は見下されがち。床の隅に溜まった埃は、剥がれ落ちた皮膚が集まってできたらしいけど、それは汚らしいものであり、ゴミだ。かつて私たちであったものをぞんざいに扱うなんて酷いことだと思うのかもしれないが、過去に囚われては生きられないから仕方がない。しかし、せめてもの償いとして、今肉の表面を覆う彼らに対しては、優しく接したいから、暖房の前で手をかかげ、指先に熱を伝えた。

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