[短編] 日々記

最近意味を持たないことに憧れを抱く。無意味。無意味こそがこの世の真理なのではないかと思う。その考えは死についての考察からだった。考察はまだ固まっておらず、泥のように形を変えている。ただ、ぼんやりと思っていることとして死には大した意味がないのではないか、と思う。死が大した意味がないなら生きることにも大した意味がなくて、それならもっと思い切った行動をしても、全ては大地に針を刺すほどの些事なのではないか。

最近、水仙という花を知った。ネギの上部のような茎(葉?)を持ち、白花びらからむき出しの黄色い雌蕊が覗く。満遍なく咲くというより、花束のように群れて咲く、あの水仙。

いつか忘れるのかもしれない。死んだら何もないかもしれない。それでもいいと思った。その理由はまだ知らない。

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