8お迎え

この数年こどもを保育園や幼稚園に預かって貰い働いている。
こどもを預けて働くとなると、さまざま心配事や悩みが生じるものだと思う。

預け始めてから今まで、ずっとうっすらと心配で不安なまま解決できてない事がある。

もしも、こどもを預けている時間帯に自然災害や事件、事故が起きたらどうするか。無事にお迎えにいけるか。
確率としてはすごく低いから、杞憂に終わるのかもしれない。
でも、万が一ということがある。
(私はけっこうネガティブな思考で、頭の中の奥底でいつもいろんな不安や心配がぐるぐるしがち。)

そうなれば親であれば、離れた場所にいるこどもをなるべく早く迎えに行って一刻も早くお互いに安心したいものかなと思う。(一概には言えないけど、多くの場合ではこうかなと思う)

台風、大雪などは事前にある程度予測できるから不安は少ない。
火災や事故などは突発的で予測不能ではあるけど、交通機関を含むインフラがダウンする期間は短く、範囲も狭そうだからしばらく待つ(復旧を)等で対応できそうだと思っている。(両親のどちらかは影響を受けない可能性もある)

個人的に地震をめっちゃ心配している。

なぜなら、東日本大震災の時まさしく帰宅難民になった(なりかけた)からだ。
当時まだ独身で若く、今より数段体力と機動力があった(当社比)とはずだけど、それでも大変だった。
どの交通機関も動かず、タクシーは長蛇の列。
当時勤めていた会社から自宅まで、8〜9キロ程度を徒歩で約3時間掛けて帰った。
同じ会社で近所に住む方が複数いて、励ましたり気を紛らせながら一緒に歩いてくれたから無事に帰れたと思う。一人では絶対に無理だった。 
交通機関だけでなく、情報も錯綜して、混乱と寒さの中で膨大な数の人が道路を埋め尽くして歩いていた。
歩く人で道路が埋まるという、訳のわからん景色に本当にマジで私らは難民やな。と呆然と思った。

当時、幼稚園や保育園にこどもを預けておられた保護者の方や、反対に幼稚園・保育園の先生達はどう対応されたのかなと想像する。
保護者もなんとか帰ろうとされただろう、それでもやっぱり迎えに行くのに大変な時間が掛かってしまった場合も多いと思う。迎えが来るまで、先生方はこどもを励ましながら待ったのかな。
迎えを待つこどもたちのことも、親になった今、想像するだけでちょっと苦しい気持ちになる。

そもそも被害が大きかった地域では、本当に悲しいことだけど再会することが叶わなかったケースも相当あったのだろう。
(あの様な大きな災害で甚大な被害が発生した中、時間が掛かってもその後無事に家族が再開出来たことはそれだけで本当に幸運なことなのだろうとも思う。)

そういったことを想像するたび、自分は無事にこどもをお迎えに行けるだろうか。どうするのが最善なのか頭の中がぐるぐるする。
ぐるぐるするだけで、答えはでないけど。

ただ、コロナ禍で在宅勤務やテレワークの導入が進んで、時短正社員だった私も週の半分程度利用する様になり、この漠然とした不安も半分くらいに小さくなった。
こどもと離れる距離や時間が物理的に小さくなり、それに比例してリスクも小さくなったと思ったからだ。

私の場合、職場(自宅)と保育園が徒歩圏内だったので、「何かあっても自力ですぐ(10分以内ぐらい)迎えに行ける」ことが非常に安心できた。
(普通に通勤すると電車で片道約1時間ぐらい)
在宅勤務による、「仕事中もこどもと物理的に近くにいられることの安心感」は本当にありがたかった。これは災害だけじゃなく、こどもの体調不良とかにも当てはまった。

今、私はパートで比較的自宅近くに週2〜3勤務(出勤はマスト)のため、在宅勤務をしていた時と同じくらいのリスクかなぁと思って過ごしている。

本当は両親以外の大人が、万が一に備えてバックアップ体制がとれるようにすべきなのだろうが
そこまでの対応は取れていない。

近所にママ友なるものが一人でもいたらまた違うのだろうが、私が筋金入りの転勤族のコミュ障ぼっちときている。
祖父母も他府県住まいで、高齢。
ファミサポとか?うーん、普段の生活では必要ではないし。非常時に対応して貰えるか??
とか、なんとか理屈をつけて具体策は講じていない。

まずは、夫との非常時の対応共有化とか伝言板アプリとかからかな。できることからコツコツと。こうやって、リスクがあると想像するだけでも違うと思いたい。

もう一つ、毎朝こどもの登園時に、「ママ迎えに行くからね。待っててね。」とこどもに伝える様にしている。
人生、何が起きるか分からないし、安易に約束するなと思う方もいるかもしれないが、まぁ私なりの決意表明。
(毎日、そんな重く考えてる訳ではない。ルーチン化してる部分もある。)

無責任な約束かなぁと、ちょっとまた頭の中でぐるぐる考えながらも、やっぱり今日も、こどもにママ迎えに行くからね。待っててね。」と言わずにはいられないでいる。





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