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ヴァナ・ディールの思い出2:グスタベルグの悲劇編(FF11)

※前回の冒険
https://note.com/tender_acacia654/n/n1415fcd60b6d?from=notice

シーフという名の鉱夫として冒険者デビューをしたぼくは、ついにつるはしを武器に初期装備のオニオンナイフを手に、外の世界へと飛び出した。

公式サイトより

グスタベルグ。起伏のある荒涼とした大地が広がる荒野。
その圧倒的な広さと景観にすっかり魅了され、ツェールン鉱山で井の中の蛙状態だったぼくはカルチャーショックを受けたことを覚えている。

おぼつかない操作で、町の出口近辺の蜂・ミミズゾーンを抜けると、
低空飛行する赤い鳥や大柄なトカゲ、そしてバストゥーク出身者にとって生涯の宿敵となる、二足歩行の亀のような獣人クゥダフの姿があった。

クゥダフ……アイツは絶対やばい。間違いなく強敵に違いない。
強さを調べると「丁度よい相手だ」と表示されるものの、
自キャラのタルタル族(小人)の三倍ほどの体躯を持つクゥダフに挑む勇気はなかった。

仕方なく、赤い鳥などを倒して経験値を稼ごうとしたが、
ここでぼくの背中に電撃走る。

オニオンナイフが弱い。弱すぎる。十万石饅頭。

短剣という武器はオートアタックの攻撃間隔が短い代わりに威力は控えめなのだが、それにしても弱すぎる。1回の戦闘に時間が掛かりすぎる。

おまけに短剣の必殺技である「ワスプスティング」という技も、
毒を付与する効果はあれど威力が低い。片手剣でバッサバッサと敵をなぎ倒していた姉や親父を見ていたので、自分の攻撃力の低さに愕然としたことを今でも覚えている。

溜めたお金で武器を買えばいいのだが、
鉱山出身の冒険者ルーキーだったぼくはその考えに至らず、ひたすら弱い短剣で赤い鳥やミミズをチクチクつつくという愚行を続けていた。

悲劇が起こったのはそんな時だった。

「グガァ……!」

今でも鮮明に思い出せるクゥダフの鳴き声。

FF11には自分から襲ってこないノンアクティブのモンスターと、
自ら襲ってくるアクティブモンスターの二種類がいる。

クゥダフは後者であり、ミミズと死闘を繰り広げていたぼくは、
背後に迫っていたクゥダフの影に気が付かなかった……!
俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めると身体が縮んd

クゥダフの不意打ちにHPはゴリゴリ削られ、十秒ほど経った頃には「クゥダフに倒された」というテキストと共に、盛大に床ペロしていた。

ゲームオーバーめいたショッキングなBGMと、何事もなかったかのように去っていくクゥダフと、地面掘ってどっか行ったミミズ。残されたのは、荒野でうつ伏せになってべちゃーんと倒れる自キャラだけ。

なにこのゲームむずすぎね!?

早くも心が折れかけたぼくは、ホームポイント(いわゆるセーブポイント)に送還され、先ほどの出来事にショックを隠せず、無駄に町をウロウロしまくった。

あまりにも悔しかったので、親父が持っていた攻略本を読んでみると、
「シーフが短剣をまともに使えるようになるのはレベル33になってから」
「それまでは片手剣と盾を使おう」「格闘武器という選択肢もある」
といったことが書いてあった。

じゃあ最初から短剣持たせんじゃねーよ!!

FF11は戦闘不能になると経験値をがっつりロストしてしまうので、経験値を稼ぐのにたくさんの時間を要するこのゲームではまさに死活問題。
幸い、低レベル帯のみ経験値のロストはないものの、デスペナほぼなしのFF14のように気軽に床ペロはできないのである。

亀の野郎、許せねェ。絶対ぶっ倒してやる。

鉱夫→ルーキー→復讐鬼とジョブチェンジしたぼくは、鉱山でチマチマ溜めていたお金で武器・防具を揃え、すっかり軽くなった財布と、反比例して重くなった武装で身を固め、クゥダフへの雪辱戦に乗り出したのだった。

殺意むき出しで再び荒野へ飛び出したぼくは、
すぐさま二度目の悲劇に襲われることを、まだ知らなかった……。

続く?

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