第29回『つるむのが苦手な僕に井上敬一さんが告げた一言』
うぃす! 大阪男塾の塾長です。
今日は、僕と何かと縁のある井上敬一さんについて書くっす。
前回のハワイ旅行の記事で
和を乱しすぎた結果、何度かクビになったということに触れました。
僕がクビになった翌日、すぐに電話をくれたのが井上さんだったんすよ。
ほんま僕の人生の転機によく関わっていた人やなあと思うっすね。
井上さんとの出会いは、今でもよく覚えてるっす。
彼は僕が最初に勤めたホストクラブのオーナーだったんすけど、多忙でたまにしか顔を出せないんすね。
あるときようやく会えたんすけど、初対面の井上さんは、完全に泥酔状態。ホストクラブのソファーで、酔っ払って寝てました。
先輩ホストが僕に「お前、これ使って井上さんにコーラ飲ませて来い!」て、ささやいたんす。
手渡されたのは漏斗。
液体を流し込むときに使う円錐の形をした器具っすね。
「井上さんに、そんなことできません」て、ひるんだらダサいんで、僕は漏斗とコーラを手にし「よっしゃ!」と、酔いつぶれていた井上さんに近づきました。
口を開けて寝てたんで、そこへ漏斗の先をカポッと差し込みコーラをこれでもかと流し入れたっす。
寝ていた井上さんの目がバチッと開き、僕を見るなり「そうそう、そろそろチェイサーでコーラ欲しかったんや。ありがとうってコラ、お前何しとんねん。ほんでお前誰や!?」
とノリツッコミ。
「お前何しとんねん」から「ほんでお前誰や!?」までが、めっちゃ早かったっすね。
「ゴハッ…!」とむせ返り、口の周辺についたコーラを袖でぬぐいながら「やるやないか」と笑う井上さんを見て「ノリのええ人やなあ」「どんな状況でもおもろい返し用意してるんや」と思いました。
普通なら初対面の新人ホストに、いきなりそんなことされると「俺を誰や思ってるねん!」とブチ切れるっすからね。
井上さんといえば、フジテレビのドキュメント番組『ザ・ノンフィクション』の「ホストの前に人間やろ」シリーズがやっぱ有名っす。
僕もあの番組に出演させてもらったんすけど、今でもときどき「『ザ・ノンフィクション』見てましたよ」って結構言われたんで、顔を売ることにつながりました。ありがたかったっすね。
井上さんとは正直、考え方がちがうところも多く反発心を持ったこともあったんすけど、やっぱり影響は受けてるっす。
ハワイ旅行の初日に「なんで俺がこき使われなあかんねん。もう帰ったる」と激怒し先輩たちを置いて帰るほど、当時の僕は集団行動が苦手でした。
ホストは、ホストクラブという働く場所を借りている個人事業主のような存在っす。
実力があれば、ひとりでもやっていけないことはないんすけど、ヘルプとの呼吸合わせとかチームプレーの要素も結構あるんすね。
我が強すぎて、何かとぶつかることが多かった僕に、ある日、井上さんからこんな提案をしてきました。
「タクマ、お前サッカー好きやろ? 今度フットサルやるから来いよ」と。
僕はフットサルはやりたかったんすけど、つるむのが苦手なんで「正直、人とつるむの苦手なんで」と言いました。
それを聞いた井上さんはこう切り返したんすよ。
「そうなんや。ええやん。じゃあ今回が苦手を克服するチャンスやな。男は苦手なもんあったらアカンで」
「確かにそうや」「この人の言うてること一理ある」と感じたので「わかりました」と承諾。
納得できたので、みんなでフットサルを楽しむようになりました。
この時に「そうか!」と思ったのは、井上さんは僕のつるむの苦手だという気持ちを一切否定せず、「苦手な上でやれ」という強制感がないということと、後ろ向きだった部分を前向きにすんなり方向転換されたということに感心したっすね。
「言葉一つで人の考え方や解釈って変わるもんや。すげー!」と思いました。
今でも個人で参加する個人フットサル通称「個サル」を定期的に楽しめてるのは、井上さんが物の見方を変えてくれたからっすね。
そこには感謝してるっす。
当時はそんな言葉なかったっすけど、事実を変えず物事の枠組みや解釈を変えることをリフレーミングって呼ぶんすよ。
井上さんは、僕にリフレーミングを教えてくれたんすね。
これを知った僕は、その後、人と話すときにこの技術を大いに役立てたっす。
井上さんとの話は、他にもまだまだたくさんあるので、また別の機会に書かせてもらう予定です。
最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!
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