第37回『ガスの元栓が抜け大爆発⁉ 難波の味園ビルの宴会で一丸となり出店へ』
うぃす! 大阪男塾の塾長です。
今でこそ時代の流れもあって、多少おとなしくなったところもあるっすけど、ホストのノリは基本やんちゃ。
前に灯油を持ち歩くクレイジーホストのトシさんの話を書きました。
当時は本当、トシさんレベルの破天荒な人が少なくなかったんすね。
今回書くのは、熱湯社長のエピソードっす。
熱湯社長は読んで字のごとく、酔っ払ったら熱湯をかけまくるクレイジーな社長。
何が楽しいかわからんすけど、宴会で盛り上がってきたらお湯を沸騰させて柄杓に汲んだ熱湯を「おら、おら」と僕らにかけまくるんすね。
ほんまにめっちゃ熱いっすよ。なので熱湯社長が熱湯をまきまくると、毎回、蜘蛛の子を散らしたかのような大騒ぎに。
あの日は、確か味園ビルでの忘年会だったんすよね。
ホストや裏方が全員集まって、鍋を囲んでました。
宴会の中盤、いい感じで場が温まってくると、熱湯社長が沸かした湯を持ってきて、柄杓を片手に「そりゃ、そりゃ!」ってみんなに掛け始めたんす。
ほんまにアホなんか、脈略なく熱湯をかけ出すんすよ。
みんな「あっつ!」って言いながらも、社長なんで逆らえません。ポップに「ちょっと勘弁してくださいよ~」と嫌がりながら、空気をぴりつかせずに逃げるノリがあるんすね。
でもそのとき、ガチでヤバい出来事が発生。
熱湯を避けた誰かの足が、鍋を温めていたガスのホースに引っかかって、コンロの元栓がポコッて抜けたんすね。
ホースが外れたんで、ガスがスースー室内に出まくってるんすよ。
「ヤバイ、逃げろ!」と何人かが大騒ぎ。
ビビったみんなは、ふすまの裏にかくれることに。
そのままガスが漏れを放置するのは危なすぎるんで、ジャンケンしてガスの元栓を捻って止めにいく人間を決めることになったんすね。
こういうときこそ運の強さを発揮したかったんすけど、なんとジャンケンで負けたのは僕。
僕はへっぴり腰で、恐る恐る元栓向かって歩いていくんすけど、みんなは後ろから「はよ、せい」「トロいねん!」と好き放題ガヤを入れてくるんす。
ほんまにドリフのコントみたいな一幕っすよね。
なんとか元栓までたどり着き、きゅっと締めてひと段落。
現金なもので、僕が元栓を締め終わった途端、みんな急に近づいてきて「勇気あるやんけ」とか「タクマ、ようやった。お前は男や」みたいに言いよるんすよ。
今思うとふすまの裏に隠れても、爆発したら絶対吹っ飛ぶし意味ないっすよね。
ドリフのような爆発オチにはならなかったんすけど、この騒動で意外なプラス面がありました。
僕らは何度も鍋を囲んだり、熱湯かけられたりしてたんすけど、そのうちに気の合うメンバーが自然と集まるようになっていったんすね。
今回のガス漏れ騒動で、なおさらチームワークができた実感がありましたね。
ほんで、それを見た熱湯社長が「ええやん、お前らで協力して店を出せよ」と言ってくれて、それでほんまにホストクラブを出店することに。
ちなみにそのときのノリとして、宴会で盛り上がったら立場関係なく胴上げをするというのがあったんすね。
元栓を締めたあと、急にそのノリが始まってワタルくんという先輩をみんなで胴上げすることになったんすね。
でもワタルくん、顔が猿みたいに真っ赤で明らかに酔っぱらってるんすよ。
僕は内心「大丈夫かな!?」と思ってましたけど「やってまえ!」という気持ちで高々と胴上げすることに。
186cmの高身長をいかし、誰よりも高くワタルくんの体を天井へ突きあげました。
みんなの息が合ってたこともあり、ワタルくんの体がめっちゃ高く上がったんすね。
でもその直後、ハプニングが!
ワタルくんが空中で体を捻って「うえええ」って、ゲロを吐きやがったんす。
頭上からゲロの雨が降り注ぎ、またみんな「逃げろ!」って蜘蛛の子散らした状態に。
ゲロを吐くおっさんを受け止めたい人なんか、誰ひとりいません。哀れワタルくんは、畳に敷かれた座布団の上にドスン。「いてえ、いてえ」と叫びながらそのまま潰れました。
水商売が長いと人がゲロを吐く場面は山ほど見ることになるんすけど、「空中ゲロ吐き」を目撃したのはあとにも先にもこのときだけ。
ほんまに勘弁してほしいっすわ。
僕らはお店の人に「バカ騒ぎして、店内を汚すな‼」とお灸をすえられましたが、当然すね。
でもこの頃から僕の中で「楽しいか?」「楽しくないか?」が全ての行動の基準になりました。
今でも楽しそうな方、楽しい方を迷わず選んでますね。
この頃はアホな連中とよくつるんでましたが、ハイテンションなノリで毎日笑い転げていたっす。
そのとき遊んでいた仲間には幸太郎がふくまれていたり、今も一緒に働いている奴らがいるっすね。
やっぱ楽しくつるめる連中の存在は貴重っすね。
最後まで読んでもらって、あざしたぁ!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?