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大奥(よしながふみさんの話)

大奥って、キーボードで打つと「お」がたくさんあるのね。
今日からNHKで大奥をやる。主演は富永愛さんである。私は彼女がデビューしたての頃から彼女のファンである。月と鼈みたいに形に似ているところがあるならまだしも、一応同じ人間で女性ということになっている以外に何の共通点も見つけられないくらい遠い位置にいる。何もかもが私と反対の存在であるが、テレビに出てれば録画してみるくらいには憧れている。
女優さんとしての彼女の活躍はあまり存じ上げない(まさかのデビルマンくらい)が、楽しみにしている。

そのせいかどうか、新春映画で大奥を放送していた。まず、2010年の映画にはまだ堀北真希さんが出ていたということにびっくりした。で、当時とある役で関ジャニの大倉さんが出ると聞いて、あんまり合わなくない?と思っていたのだが、見てみると割とはまり役でそちらにも驚いた。中村蒼さんにもかわいいイメージはなかったのだけど、なかなかだった。かわいくしようと思ったらまずかわいい声からなんだなあ。
ここまで書いても最終的に映画そのものの出来不出来はともかく、と書きたくなるのは、なんというかあの2時間だけではよしながふみさんの書いた「大奥」の何も描けていないからだろうか。男女をひっくり返した意味までは描けずに、BLと少女漫画を掛け合わせたものになっていて、柴咲コウの無駄遣いだった。でもあの「下がりゃ!」は最高でした。

大奥というドロドロを避けては通れない作品をあんなに長く読めるものしたのは、彼女だからだろう。フジテレビでやっていたような大奥だったらレディコミ分類になってしまっていて20巻は続かなかったに違いない。
でもあれはあれで最高でしたね。映画版の西島秀俊さんの色っぽさったらなかったし。北村一輝さんも最高でした。貫地谷しほりさんとか大好きでした。また見たい。

よしながふみさんは他の本も読んでいます。月曜断食しているのですが、昨日うっかり「昨日何食べた」を読んでしまっておなかを鳴らしながら夜をすごしました。最新刊は鶏肉料理が多くて、年末年始鶏ばっか食べた気がするから食指が動かない気がしたのにさすがです。
私は彼女の作品を何から読みだしたのだろう?西洋骨董洋菓子店で名前を知ったのか…?フラワーオブライフだった気もするし、ソルフェージュか子どもの体温だった気もする…友人が好きだったのかもしれないし、違うかもしれない。
もっと昔から毒々しいBLを読まされていたので、彼女に対してBL作家というイメージがなくて、どこかの本屋でBLの棚に本が置いてあって驚愕したことを覚えている。
あんまり子どもに縁がないのかな、人間関係のあるあるを描くのがうまいよな、という認識しかなかったし、あるあるを描いている割に出てくる人が割とあっさりしていてほんとみんなこうならいいのにと思いながら読んでいる。大奥でもどろっとしたシーンにも湿度がない。私の中の同じくくりの作家さんにヤマシタトモコさんがいるが、彼女は湿度がなさそうなシーンもしっとり…?もとい、びしょっとした感じになる気がする。どろっとはしてないけど、タクシーに幽霊が乗った時の席の水たまりのような。でも、彼女も大好きです。さんかく窓が終わって今は違国日記の新刊を楽しみにしています。コミックエッセイも素敵ですね。

ここのところ楽しみにしていた漫画が終わってしまってがっかりしてはいるのですが、よしながふみさんも、ヤマシタトモコさんも次に何を描いてもらえるのかわくわくするばかりです。



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