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あなたが選挙へ行く理由〜参院選2019

参議院選挙が始まっています。投開票日は7月21日。
期日前投票は前日の20日まで、もうすでに投票することができます。
この大事な選挙、ひとりでも多くの方に投票に行って欲しいという
思いから、友人たちにメールを送りました。

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#何より大事なのは投票に行こうという呼びかけです

「投票に行こう」という呼びかけは一切の制約がない選挙活動なので
誰でも誰に対しても選挙期間中ずっと、投票日当日でもできます。
SNSを使った呼びかけも有効ですが、家族やまわりの友人、知人の方たちと選挙についてリアルに話をすることがとても大切なのです。
ではなぜ「投票に行こう」なのか、今回の選挙の重要性、一般的な基礎知識と現在の情勢など選挙情報について、まとめてお知らせしたいと思います。
(支持する候補者や政党をfacebookやtwitterなどのSNSで発表したり、
応援や薦めることができますが、公選法によりメールでの投票依頼は禁止
されています。)以下の通り長文御免、あしからず。

#今回の参院選の重要性


参院選は任期6年の参院議員全体の半分ずつを3年ごとに改選するもので、
政権交代は起きません。

政権交代が可能なのは全部総とっかえで改選する衆院選(総選挙)だけ。
参院選は国民が査定する「政権に対する通知簿」といわれ、アメリカに
おける中間選挙のような性格を持っています。

今の国会の最大の問題点は、与党の圧倒的多数ゆえの極端な強行政治。
どのような法案も数の論理でやりたい放題に採択されてしまいます。
本来参議院は「良識の府」といわれ、衆議院通過後の法案を受けて
再チェックする機能を持っていますが、ここでも与党多数で、
十分な審議をせずに多数決による強行採決が横行
しています。
国会運営さえも与党の都合で決まり、政権内の不祥事を野党に追及されるのを恐れて、今年の通常国会では100日以上も予算委員会が開催されないまま終了するという異常事態が起きました。

このような現政権の独裁政治の暴走を止めるため、野党勢力の議席を
増やして、正常な国会運営ができるような議員数のバランスに是正
しなければなりません。

少なくとも参議院において与野党が拮抗する数、いわゆる「ねじれ国会」の状態にすることが目標です。もしも与党が過半数割れすれば、自民党の党首交代、安倍首相は退陣ということになります。

#参院選の争点


今回の選挙の最大の争点として、野党は一斉に消費税10%増税反対と
年金問題、社会保障問題を挙げています。

連動して賃金と労働環境、格差と貧困、また安保、軍事配備、沖縄辺野古
基地、原発問題など国民生活に切迫する問題が目白押しです。少なくとも、安倍自民が無理やり問おうとする改憲問題の優先順位は低い。

現政権下でくり返される、官邸主導の政治の私物化、公文書改竄、隠蔽、
もみ消しなどなど安倍一強腐敗政治の批判の種はつきませんが、
選挙直前の6月に起きた金融庁報告書による「年金不足老後資金2000万円」問題は、嘘で固めた今の政権の体質をあらわにするものでした。
一方、与党が掲げるのは「政治の安定」。これはあくまで今の政権と既得権益の安定維持のことであり、国民生活の安定という意味ではありません。
しかも与党は消費税10%をそのままに選挙に入りました。
つまり、消費税増税を掲げても勝てると踏んでいるのです。

どんなに不祥事が起きても内閣支持率は下がらず、どうせ低い投票率の選挙になるのだから、逆風は起きないとたかをくくっているのです。

#なぜ投票率を上げることが大事なのか


安倍政権になってから国政選挙の投票率は常に50%台と低調
半数が欠席した会議で決を取っているようなものです。
実はこの投票率の低さが安倍政権を支え続けているのです。
自民党の得票率は絶対値にすると20%にも満たず、有権者の8割が
自民党に投票していないのです。
つまり「安倍政権の最大の支持母体は、投票に行かない人たち」です。
その証拠に、10ポイント高い69%の投票率だった2009年の衆議院選挙
では自民党は大敗、結果麻生政権は倒れました。

投票に行かずに寝ていてくれというのが、政権側の本音です。
このような選挙で「民意を得た」といって、またぞろやりたい放題の独裁がくりかえされていいはずがありません。
いつも選挙に行かない無関心な人たち(特に若い人たち)にはたらきかけ、
一人でも多くの人が投票に行くことが、この国の民主主義の再生につながるのです。
「選挙に行っても何も変わらない、のではなく、選挙に行かないから
変わらない」のです。

投票率が上がれば、確実に政治は動き、社会は変わります。
今、ひとりひとりの行動が試されています。


#参院選の投票と選出方法

今回の改選数は選挙区74に、比例代表50の計124人。
特に今回から新制度が加わる、比例代表制についての確認をします。

【参院選比例代表制とは】
*参院選比例は全国の有権者から票を集められる全国区。
*「候補者名と政党名のどちらを書いてもいい」投票方法です。

「候補者名票と政党名票を合算した得票数によって、党に議席数を配分」
する仕組みです。
どちらの票も合算して政党得票としてカウントされるので、
一般に候補者名を書いた方が、候補者と政党を応援できて一石二鳥、
無駄なく効果的にはたらくとされます。

候補者票も、党全体の得票数を押し上げるので、同じ政党の他の候補の
議席獲得にも繋がるというわけです。

*選出方法は、まず〈候補者票+政党票の得票合計〉をドント方式という
方法で計算し、各政党に振り分けられる議席を決定します。

今回は1議席約100万票目安といわれています。(投票率50%台の推定で)
ざっくりいうと、候補者と政党名合計の得票数が300万票なら3議席、
500万票なら5議席確保できるということです。

*議席数が決まったのち、非拘束名簿(候補者の当選順位がない)により
「多く名前が書かれた候補の順」に当選が決まります。

*ただし、今回から「特定枠」という新制度が加わります。
これは条件つきですが、特定枠にした候補者は得票数に関係なく優先的に
当選する新ルールです。
つまり擬似的に拘束名簿を作り出すもので、選挙区を統合され定数減と
なった(与党現職)地方議員の救済措置のために設けられた制度なのでは
といわれています。

ちなみにれいわ新選組の山本太郎氏は、この制度を利用して
特定枠に2名の候補をあてています。
山本太郎氏自身は通常の比例候補なので当選順位は3番目。
山本氏自身が議員になるには全体で300万票超えが必要です。

#どのように候補者を選ぶか

以上のように今回の選挙の目標は投票率を上げ「野党の議員数を増やす」
ことです。おのずと投票行動は「野党候補に入れる」「自公維に入れない」です。

*選挙区について
改選定数74名、45選挙区のうち、
>定数1の1人区が32、
>定数が2〜6の複数区が13です。

今回この32の1人区すべてで野党は統一候補を立てています。
なので、1人区は迷わず野党統一候補、
複数区では情勢を見ながら、当落線上で競り合う野党候補を見極めて
入れる
ことが大事です。
前回2016年参院選の東京選挙区でいえば、ダントツに票を集めた蓮舫候補
が首位で安全圏に入るのを見極めたら、あとは当落線上で競り合う
小川敏夫候補に票を集めることで、当時の民進党から2名が当選しました。

*比例区について
改選定数50名、比例代表は全国から票を集める全国区。
野党では 立憲/22、国民/14、共産/26、社民/4、れいわ/9
の候補者が立っています。

特に共産党は、1人区の統一候補選びにおいて候補者を取り下げている
こともあり、その分比例の候補者を増やしています。
今回の野党候補は、新人候補が多いため、顔や名前の周知、浸透に時間が
かかりそうです。
そのため、序盤と後半では情勢が大きく変化するかもしれません。
また、れいわの山本太郎候補がどこまで波乱を巻き起こすかも注目です。
今まで選挙に関心を向けなかった層を掘り起こしてくれるのでは、という
期待もあります。

先にあるように、比例区は政党名よりも候補者名で投票する方が効果的です。また、政党名は名前が一部ダブって紛らわしい「民主党」や、
「令和新撰組>れいわ新選組」だったりと間違いが起きやすいので、
いずれにしても候補者名を書く方が安全です。

*東京選挙区について
1議席増えて定数6になった東京選挙区、山本太郎候補が比例に移った
ので、堅調とされる現職吉良よしこ候補以外の野党候補がどんぐりの背比べ状態になって、情勢読みが難しくなりました。

残念ながら現職自民武見候補にも有利にはたらくことになり、
野党で4議席確保は難しいかもしれない。最低でも野党3議席は確保したいので、吉良候補以外の残り2つの議席について、ギリギリまで当落線上の
候補を見極めることが大事です。
現状では立憲民主の2候補が続いています。
れいわの野原ヨシマサ候補は3年前の三宅洋平氏と同じく、
おそらく最後まで情勢が読みにくい
と思うので、こまめに動勢をチェック
しながら注意が必要です。

私個人としては、野党共闘を応援し、いいと思う政党、いいと思う候補者を
すべて応援しています。
もちろん、最終的には見極めて、しかるべき候補に投票します。
以上長くなりましたが、参考にしていただければ幸いです。
私たちの未来がかかっている大事な選挙です。
ひとりでも多くの人が投票に行くことを願っています。




デザイナー、美術家、料理家。イタリアはヴェネツィアに通い、東京においても小さなエネルギーで豊かに暮らす都市型スローライフ「ヴェネツィア的生活」を実践しています。ヴェネツィアのマンマから学んだ家庭料理と暮らしの極意を伝えます。