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お家で楽しくおいしいこと〜妄想レストラン「サンダニエレ村のプロシュッテリア」

あっという間に世界中に感染が広がった新型コロナ禍。
このウィルスから身を守る生活も1年が経ち、
私たちの暮らしかたもずいぶん変わりました。
いつまで続くのか先の見えない生活にだんだん不安や鬱積した気分が
たまり、いわゆる「コロナ疲れ」になっていることも事実です。
不要不急の外出は自粛、飲食店も時短営業、
以前のように友人たちとのびのび気兼ねなく会って、
おしゃべりしたり、食事ができるようになるのはいつになることやら。
そこで、気分を明るく切り替えて、#STAYHOME を元気に過ごす工夫を
したいものです。いつものおうちごはんにひと手間かけて演出、
妄想レストランを開店して楽しんでみませんか。
ふだんの食卓を、ちょっと気取ってテーブルセッティングしてみましょう。いつか行ったあの店を思い出してレストランごっこです。

フリウリ州サン・ダニエレ村のプロシュット

長年の間、イタリアに行くたびにパルマと並ぶプロシュットの名産地、
フリウリ州のサン・ダニエレ村を訪ねるのが常でした。
そして「AI BINTERS」というプロシュット専門店=プロシュッテリアで
存分にプロシュットを味わい尽くす至福の時間を過ごすのです。
コロナのパンデミックの中、当分海外旅行もままならない状況です。
毎年のように行っていたヴェネツィアも、サン・ダニエレ村も今となっては
夢のまた夢、切なく遠い存在になってしまいました。

フリウリ州のサン・ダニエレ村「AI BINTERS」
この店はメニューはひとつしかなく、席につくとほぼ自動的に人数分の
プロシュットとフォルマッジオ、カルチョフィやキノコのオイルマリネなどのつけあわせのセットが運ばれてきます。ワインと水も入れて、ひとり分が18エウロ、約2000円という驚愕のお代です。

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散歩の途中でプロシュットを見つけて

STAYHOME生活になってから俄然散歩の時間が多くなりました。
はじめは運動不足解消のつもりでしたが、家の周辺から少し足を延ばすだけでいつも新しい発見があり、その面白さは病みつきに。
また散歩の達人のお隣さんの案内で、今まで行ったことのないエリアを
歩くのはまるで小旅行のよう。想像力をはたらかせて、日常の中に旅の時間を作り出す楽しみが広がっています。
そんなお隣さん夫婦と一緒に、代々木八幡から駒場界隈の散歩に出かけた
ある時、噂に聞いていたイタリア食材の店に立ち寄り、久しぶりに本場直送のプロシュットを買いこみました。

旅の思い出、あのプロシュッテリアの食卓を再現

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仕入れたプロシュットは熟成度の違うパルマ産とサン・ダニエレ産の2種類をメインに、その他スモーク風味のスペック、脂身部分のラルド、
パンチェッタ、サラミソプレッサなどを少しずつ切ってもらいました。
散歩から戻り、いそいそとプロシュットの試食会の準備にかかります。
せっかくなので、サン・ダニエレ村のBINTERSを真似て、妄想レストラン
を開店することにしました。
まずはアーカイブの写真で確認し、同じような赤白のギンガムチェックの
テーブルクロスを広げたらますます気分もアップ!
大皿にダイナミックにプロシュットを盛りつけ、ちょうどいいタイミングで届いていた極上のモッツァレラチーズもあり、パンとワインを用意したら、我ながらかなり満足のいく食卓の再現になりました。

プロシュットをあれこれ比較しながら食べ放題、しっかり堪能した後は、
定番のアスパラガスと卵、シンプルなトマトソースのスパゲッティというコース。
アスパラガスと卵のレシピはこちら
チェリートマトのシンプルトマトソースのレシピはこちら

食後にはプロセッコをかけたヴェネツィア風の苺
カフェにブソライ(ヴェネツィア名物のビスケット)を添えて、
こちらは完璧にヴェネツィア風を再現しました。

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#旅するように暮らす日常


旅好きの4人、食事の間もずっと色んな国や場所を訪れた思い出話で
果てしなく盛り上がりました。
日中の散歩から始まった旅の気分は夜まで続き、おいしい脳内妄想旅行を
楽しみました。まだしばらくイタリアへ行けそうもないけれど、
日常を旅するように暮らすことにしましょう。







この記事が参加している募集

デザイナー、美術家、料理家。イタリアはヴェネツィアに通い、東京においても小さなエネルギーで豊かに暮らす都市型スローライフ「ヴェネツィア的生活」を実践しています。ヴェネツィアのマンマから学んだ家庭料理と暮らしの極意を伝えます。