シェア
これから長々と私のヴェネツィア物語をお話しします私たち夫婦は、縁あってヴェネツィアとそこに暮らす人々に出会いました。 これまで長い間通い続け、そのコミュニティーに身を置き、自然環境と シンクロした昔ながらの暮らしに触れてきました。 #都市型スローライフヴェネツィア的生活ヴェネツィア、とりわけヴェネツィアのマンマに出会って、確実に人生が 変わったと思っています。 生活の質、ほんとうの豊かさ、自分らしく生きるということーー。 多くの人にヴェネツィアで暮らす人々の生活を知ってもら
ヴェネツィア病、この重い病にかかってからずいぶん長い歳月が 流れました。私が最初にヴェネツィアを訪れたのは、 今から35年ほど前のイタリア旅行中のことでした。 ヴェネツィアとの出会いは衝撃でした その時の衝撃は、いつでも皮膚感覚まで伴ってリアルに脳内再生することができます。よく晴れた冬の午後、乗っていたタクシーボートがカナルグランデを抜け、サンマルコの広い水際へと放たれるように出ていった瞬間、 切るような冷たい風を受けながら私はいわゆる「ぶっとんだ」状態になり、恍惚として
愛するマンマ・ロージィについて、さて何から話そうと思った時、 真っ先に心に浮かんだのは、ヴェネツィアの家のあの戸棚でした。 リネンはマンマの宝物2013年、ヴェネツィアの家でマンマと過ごした数週間、互いにそれが最後になるかもしれないという何か予感のようなものがあったのでしょうか。 いつもは私たち夫婦はサロンのソファベッドを使うことにしていました。 けれど、その時に限ってマンマがふだん自分が使っている広い主寝室を使うようにと頑固にすすめるので、しかたなく従うことにしたのでした
ヴェネツィア人をつかまえて、「ヴェネツィアの名物料理は?」と尋ねたら、ほぼ全員が「そりゃサオールだろ」と答えるに違いありません。 ヴェネツィア中の料理屋や居酒屋のどこにでもある定番料理、 サオールのお味とは? #ヴェネツィア人は甘酸っぱい味が大好き エル・サオール=EL SAOR、一見スペイン語のようなこの料理名は ヴェネツィア弁で、イタリア語ならばイル・サポーレ=IL SAPORE、 すなわち「味」の意。 味なもの、旨いもの、の代名詞というところでしょうか。 サオールと