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ヴェネツィア物語

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ヴェネツィアのマンマから学んだ家庭料理と暮らしの極意、ヴェネツィアをめぐる物語。
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2020年2月の記事一覧

アペリティーヴォのすすめ

ヴェネツィア名物の食前酒APERITIVO=アペリティーヴォといえば、 白ワインベースのカクテル、SPRITZ=スプリッツ。 明るい赤色のお酒は日々の暮らしの楽しいアクセントです。 ヴェネツィア暮らしのアクセント 食事の前の軽い一杯、アペリティーヴォはヴェネツィア人にとってなくてはならないものとして町歩き=パッセジャータとセットになっています。 ヴェネツィア暮らしの昼食は午後1時くらい、夕食は夜9時くらい。 マンマと一緒に夕食前はもちろん、お昼の前もアペリティーヴォ。 市場

人生はパッセジャータ

もっともヴェネツィア的なひとときといえば、 それはまちがいなく午後のパッセジャータの時間。 passeggiata というのは「歩き」という意味ですが、 いわゆる散歩というのとは、ちょっとニュアンスを異にする 日常的な町歩きのことをいいます。 ヴェネツィア暮らしはパッセジャータに始まりパッセジャータに 終わる。なにしろここでは自動車が一切入って来ないので、 公共交通の水上バス以外はひたすら歩くしかないのです。 どこへでも歩いていくヴェネツィア イタリア人の多くは「毎日が同じ

ヴェネツィア未来の記憶

ヴェネツィアとそこで暮らす人々に出会って以来「本当の豊かさとは何か」を問い続けています。2000年に「ヴェネツィア的生活」という本を 出したのをきっかけに始めたホームページ。 そこには、我が愛するマンマロージィと過ごした時間が リアルタイムで刻印されています。 ヴェネツィアについて語りたいことは今もずっと変わっていません。 マンマが私に手渡してくれたもの、それをまた次の誰かに伝えていきたい。2009年に経験した「未来のシュミレーションをしているような既視感」。 今思えば、それ

ヴォンゴレかカパロッソイか

実家への里帰りよろしくヴェネツィアに通うこと25年あまり。 私にとって何より大事なのは、マンマ・ロージィと過ごす時間、 そして世にも幸せな味のマンマの料理を学ぶことでした。 本当の豊かさとは何か?マンマが私に手渡してくれたものを、 その味とともに、次の誰かに伝えていきたいと思っています。 アサリのスパゲッティを食べないヴェネツィアっ子アサリのスパゲッティは、おそらく日本人が一番よく知っている イタリアン、パスタ料理のひとつではないでしょうか。 そしてSpaghetti al