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【DAY.215】2023年7月19日の生存報告【白血病】

 近い未来に闘病が再開することが(ほぼ)決まった。まだ未確定の部分もあるがほぼ確実にこれまで以上に辛い闘いになる。それでも自分のできる限り、納得のできる選択と挑戦をしていきたい。
 それでもきっとここ数日で気持ちは乱高下するだろうし、それは致し方ないと思うが、少しでも緩衝になるように文字に起こして記録と心の整理の一助になればと思う。

体調の変遷

・血球推移

 血球の値は数値としては減少しているものの、落ち着いてきている。白血球の値が少し下がり幅が大きいが、前回受診時は風邪をひいてしまっていたときなので、免疫機能として白血球が一時的に増加していたのだろうとの先生の言葉。数値の推移を見てみれば今回の結果の方が自然なのでおそらくそういうことなのだろうと思う。炎症反応を示すCRP値も正常値に戻ったので、ひとまず風邪は落ち着いたのかなと思う。
 その他、肝臓の値AST(ALT)が基準値を若干上回っていたが、最近顔のかゆみと皮疹が再発したので、おそらくGVHDが出ているのではないかとの予想。基準値からの外れ方も若干なので様子見。

・体調変化

①粘膜障害、味覚障害
 前回受診時よりも確実に改善してきている。味覚はほぼ戻ってきた気がするし、唾液量もこの1ヶ月で回復が進んだ気がする。

②吐き気
 もうほぼなし。

③皮疹
 首から上に症状あり。頬と顎の付け根周辺が乾燥しており、頬は多少のかゆみを伴う赤みが出ている。おそらくGVHDによるものと思われるので、弱いステロイドの塗り薬を塗って様子見。首から下は全体的に痒みも乾燥も落ち着いた。毎日の保湿を欠かしていないことが奏効しているのだろう。

④爪の剥がれ
 足の爪は少し欠けたりがあるものの、問題なく復活してきている。指の爪は縦筋が入ったり、そこから少し裂けたりしているが、段々と修復が進んできた。

▶再発の兆候

 2023年6月下旬に外来受診を受けた際に、移植後半年後の経過観察として骨髄検査を行った。フローサイトメトリー検査では特段問題はなく、生成されている血球もドナー由来のものにきちっと置き換わっている様子。
 しかし、6月上旬からWT1腫瘍マーカーの値が増加傾向にあることが懸念材料となっていた。この値は骨髄性白血病の治療進度の指標のひとつにされており、自分はリンパ性白血病ではあるがこの値が症状に比例した変化を見せてきた。この値が移植前の水準まで増加しており、これがどのような結果につながるのか、主治医の先生と注視が必要という話をしていた。
 そして今日、MRD(残存微小病変)測定の結果が帰ってきた。結果は陽性。そしてWT1マーカーも前回から更に増加していた。これらの結果から、このままであれば、そう遠くない未来に白血病が再発する可能性が高く、そのまま放置すれば1年は持たないだろうとのこと。

 正直なところ、WT1マーカーが増加を始めた段階で、先生ともある程度覚悟はしていたが、やはり現実として結果を見ると息がつまった。それでもこれが現在の自分の立ち位置。再発予備軍とでもいう状態なのだろう。

▶これから

 これからどうするのか、おそらくは化学療法→2度目の移植、という流れになるが、現時点では明確な治療計画は定まっていない。というのも、リンパ性白血病として、できる治療はこの2年間である程度行ってしまっているから。これまでは、治療プロトコルに沿って標準治療を行っていたため、『この治療を行うことで、何%の人が寛解に達した』というような、これまで積み上げてきた実績データをもとに治療を進めることができた。
 だがしかし、これからはそういったプロトコルから外れた、『オリジナルの治療』(語弊が生まれるかもしれないが、こういう表現くらいしか思いつかない…)の側面が強くなる。これまでよりも症例データ等が乏しいため、苦しい副作用を耐えたからといって、求めた成果が得られない可能性も十分にありえる。治療結果が目指す到達点までたどり着けない可能性も往々にして考えうる。そういう領域での治療となる。
 それでも、いま主治医の先生が、それこそ世界中の様々な症例や治験、臨床試験等を調べて、自分に適した治療計画を考えてくれている。今日の病状の説明も、言葉に窮することがあっても真摯に正面から、答えにくいであろう質問にも誠実に回答をくださった先生の提示する治療方法を信じようと思う。

 選択肢自体は他にも存在する。治療をやめ、残りの時間を家族とともに過ごす選択肢もある。だが、現時点ではこの選択肢を選択する予定はない。たとえ再び長期の入院を伴う治療であっても、初回よりもリスクが高まり、リターンが少なくなるとしても、完治の可能性が残っているならば、治療を続けたいと思っている。それらの可能性を捨てて、老い先短いことが確定した余生を満喫できるほど自分の人生は終盤に差し掛かってもないし、心残りのない人生ではない。まだまだ娘の成長を見続けたいし、妻の人生早期リタイア計画に助力したいし、自分の趣味も満喫したいし、ライフワークにしたいことも朧気だけど見えてきた。
 人生100年時代、もしかすると自分の人生は100年よりももっと短いのかもしれないが、自分から短くする選択肢はまだ選べない。もう数十年は、生きることに貪欲でありたい

▶雑記

 とはいえ、自分の人生ではあるが、その生死に影響を受ける人も少なからずいる。自身の選択を大事にしたいとは思うが、周りの大事な人の考えも尊重できるだけの度量を持ち続けていたい。
 冒頭にも書いたが、おそらくこれからの数日は自分でも驚くくらいに色々なことに頭が駆け回ることになると思う。それは仕方のないことだと思うし、しばらくはそれにある程度身を任せることも必要だと思う。感情的になることで発散されるものもきっとあると思う。
 それでも、これから出していく結論は、周囲の言葉と自分の本心に耳を傾け、後悔のない、納得できる選択をしたい
 今はまだ今後の方針など、未確定の部分もあるため、文章として記録するにも限度がある。それでも、今後もこの生存報告の記録はつけていこうと思う。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました!