【治療4日目】治療が始まった【白血病】
先日から治療が始まった。原因不明だった発熱が(不確定とはいえ)原因を特定できたためだ。
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▶治療内容について
これから移植に向けて各種治療を行うが、造血幹細胞移植(臍帯血)【前処置、移植、経過観察】の前段に『前々処置』を行う。現在はこの治療の段階となる。
▷服用する抗がん剤等の名称は明かさない
自身と同様の治療を行う方に過度の関心をひかせないため
(体験談に基づく)「この抗がん剤がおススメ(だめ)です。」というアドバイスの防止
1は、すでに自分の治療は一定のプロトコルからは逸脱しており、同じ抗がん剤を服用している方とは状況が異なる場合が多い。そういう方が自分の服用結果を良くも悪くも気にしすぎないようにしたい。
2は、自分への矢を防ぐためである。10月初旬に投稿した記事が思った以上に人目に付いたことで、特定の抗がん剤を推奨、または悪的な表現でやめるべきだという声をいただくことが明確に増えた。オカルトDMよりも善意での行為のため、失礼だが反応に困る。あなたやあなたの知人にはその抗がん剤が効果的(⇔効果なかった)だったのかもしれないが、その人と自分は別人である。
1でも説明したように同じ効果が得られるのかは不明である。良かれと思ってのアドバイスだということは百も承知である。だが、その言葉を自分が真に受けて安易に選択し、死んでしまった場合、その責任を当人は負えない。白血病に限らず、困難な状況というのはそう簡単に身代わりになれることは多くはない。
良かれと思ったアドバイスが、ある状況では相手に不快感を与えることにもなりうることを、どうかご理解いただきたい。どの薬が現実的にどれだけの効果を期待できるのかというのは、科学的根拠や症例データを広く学び、何より自分以上に自分の病状を理解された先生達と議論?質問を繰り返している。その中で自分にとって最も妥当だと思われる選択肢を選んでいる。他人のいち症例ではそれは覆るようなものでないことを覚えておいてもらいたい。
▷始まった治療
今週頭から、前々処置と位置づけされた抗がん剤が始まった。その結果は今週末の骨髄検査で判断する。期待する効果が出ればもう1週間程度継続し、その逆なら前処置に移行する予定だ。
正直どれだけの効果があるかの確定的なものはない。それでもこの治療で効果が表れれば移植前に今以上に移植に適した身体に近づけることができる。それは移植の成功率を高め、移植後の再発の可能性を抑えてくれる。是が非でも効果を期待したいものである。
▶今後のスケジュール
早ければ(=前々処置の効果がなかったならば)週明け、前処置始める。不可逆な選択のタイミングまであと少し。
▶雑記
それでもまだまだ心は揺れている。
残りの寿命の火を一気に吹き消す可能性が高いこの選択が本当に後悔しないものなのか、あいかわらず自信が持てない。
先週半ばから、娘に自分の状況を伝えるための電話を何度も行った。結果としては「聞きたくない」という選択をする娘に対して言葉をつづけることができなかった。
最初の日に、「お父さん病気に負けてしまうかもしれない。負けてしまったら、もう会うことができなくなってしまう」と伝えたときから明確に話をそらそうとする。
恐らくはっきりと、『悲しい話をお父さんからされる』と自覚しているようで、それは間違っていない。話を聞いてほしいのだが、一方で悲しい話であると認識し、話を聞くことを拒めるようになった娘の成長を嬉しく思う。
それでも、ことが起こる前に自分の考えを聞いてもらいたいと思い、動画にした。決して派手なアニメーションを入れたりしたわけでなく、自分から娘に伝えたいことを淡々と話した動画だ。
それでも自分の思っていることを少しでも伝えたいと思い、話した結果10分以上話し続ける動画となった。
最近の子は絵本も変わらず好きだが、動画、特にyoutuberのような、視聴者に向けてに話しかけてくるような動画には興味を持ってくれているようだ。
動画を作成し、youtubeに限定公開し、妻に動画を見てもらった。妻の最初の印象は「難しくてわからないかも…」という言葉だった。確かに病気のことをできるだけ簡単に説明したつもりだったが、出来上がったものはお世辞にも簡単なものではなかった。
それでも妻と娘のふたりで見てくれたようだ。途中で怖くなって泣いたり走り出したりしたそうだが、「続きはまた今度見る?」という妻の問いかけに「いや、まだ見る」と答え、一緒に全部見てくれたようだ。応答もない一方通行の話だったけど、娘は最後まで自分の話を聞いてくれてた。なかばわがままとも言える自分の覚悟を受け止めてくれた。この成長も、本当に自慢の娘だ。
それからは、「パパと電話したい」「パパ帰ってきて」と、これまで以上によく妻に言ってくれるようだ。自分も体調や時間が許す限り娘との電話の時間を取っている。
電話したからと言っても、病気の話をするわけではない。
娘の今日の出来事や今何をしているのか、こども園でどんな遊びが流行っているのか、それを矢継ぎ早に話してくれる。
そしてその幕間に、「パパ病気に負けないで」と言ってくる。「必ず帰る」と言い切れない自分が何とも情けない。
それでも、今は特に、半端な約束は出来ない。「帰れるよう頑張るよ」と半泣きで返すことしか出来ない。
今の治療を選択することだけが、もっと将来の娘の姿を見られる選択肢だ。だけど同時に残りの寿命の火を吹き消す可能性の方が遥かに高い。
今の治療を選択しない、終末期医療を選択すれば、期間は2ヶ月もないかもしれないが、家族に触れる時間を作ることができる。
このままでは、最期に直接会えたのが8月の入院当日の朝だ。
もう時期あれから2か月も経っている。電話の中だけでも成長を感じる娘に、妻に会いたい。
自然とそうも思ってしまう。
選択のときは近づいて刻一刻と近づいている。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!