【結果発表】今週の検査結果【白血病】
前回の記事が自分の思っている以上に人の目に触れ、反応いただいたことに正直ビビっている。同時にこんなにも多くの方に気にかけてもらえる自分はきっと恵まれた世界を生きているのだと思う。
これまではテンプレ的な生存報告だったが、ここから先は毎回異なるタイトルになると思う。正直160本近く似たようなタイトルで記事を書いてきてしまったので見返しが非常にややこしい笑
タイトル詐欺に感じる回もあるかもしれないがその点はご容赦願いたい。
↓↓↓↓前回の記事はこちら↓↓↓↓
▶総合判断と所見
白血病の再発は確定だが、移植行為は可能
10月13日時点での総合判断は上記の通り。
ひとまずは最悪の状況を回避することができてひと安心。以下には備忘録として各検査の結果を記す。各検査がどのようなものかの説明は各リンク先に記載があるのでこの記事での説明は割愛する。
▷検査結果
▷所見(私見)
まず第一に腰椎穿刺で髄液中に白血病細胞がなかったことが嬉しい。ここをクリアできなければそもそも移植という選択肢自体が消滅するところだった。選択肢を残すことができた。
ただ同時に、『まだ選択肢に悩む時間が続くのか』と感じたのも事実だった。
自分で何かを決めることには体力も気力も使う。その選択が重要であればなおのこと。いっそ抗えない現実に強制的に行動を制限される方が体力と気力を消耗しない分効率的だとすら思う。
ただそれが後悔しない選択かと言われれば答えはまったくの否だ。考えることを放棄するにはまだ自分には可能性がありすぎる。まだまだしっかり悩んでいこうと思う。
骨髄穿刺で白血病が20%を超えていたのは正直想定通り。むしろもっと高くあってもおかしないとすら思っていた。
血液は骨の中の骨髄で製造される。骨は身体を外的圧力から支える柱であると同時に内面を支える製造工場でもある。日本の自動車産業みたいなものかもしれない。
今の自分はその製造工場の中の24%の社員がストライキを起こしている状態ともいえる。社員の約1/4が仕事を放棄したらどうなるか、血液という商品の製造に物凄く時間がかかってしまう。加えてこのストライキを起こした社員は、どんどん新しいストライキ社員を増やしていく。しかも骨髄内にとどまらず体内のあらゆる場所でデモ行進と破壊活動を起こす。こうやって白血病というストライキ集団はその勢力を拡大していく。
幸運にもいま現在、デモ行進自体はほぼ行われていない様子。恐らく製造ライン内で交渉が行われている状況だろうと思う。ただしこのストライキ社員は悲しいことにまったく仕事に戻る気はない。だからこそ抗がん剤という手付金を渡して退職してもらうのだが、今はそれすらも拒まれている。我が社存亡の危機という状態だ。
頭部MRI、PET-CTについては、元々先生から「たぶんこの検査じゃ移植の可否は変わらない」と言われていた。頭部に腫瘍があればすでに何かしらの障害が見受けられるだろうし、血液状態から腫瘍も大したものではないと予想していたようだ。結果としてその予想の通りなあたり、先生に任せて正解だと再確認できた。
▶一時退院について
となると次は一時退院であるが、これについては一時退院はできないとの判断となった。理由は2つ、原因が特定できていない発熱が続いていることと、血球の回復が確認できなかったことだ。
▷原因が特定できない発熱
先週末くらいから恒常的に発熱が続いている。そしてその発熱はどんどん高まり、今週末はついに39℃を突破した。抗がん剤治療、移植を経て多少バグり始めている身体は38℃くらいならあまりきつくない。危機管理能力が明確に欠如している。だがさすがにそれを超えるとキツイし、木曜時点で寒気で電気毛布を出してもらうほどに震えていた。
原因がわからなかった。感染症の検査をしても、血液の検査をしても特別発熱につながる異常値は出ない。感染症等に感染すると体の免疫機能がそれをやっつけようと喧嘩が始まる。これによって熱が出るというのが一般的な発熱の仕組みだ。その際には炎症反応といわれる反応が体内で発生する。
ただ、今回はその炎症反応すらほとんどない。自分は白血病の初期症状だと思って震えていたが、先生曰く症状が出たならいろんな血球の値が高まるからそれも違うとのことだったので、今週は検査に並行して発熱の原因調査も行っていた。
結果として先生が想定したものは『薬剤熱』というモノだ。単純に説明すると薬と身体の相性が合わないことによる発熱である。あらゆる薬で起こりうる可能性があるものだそうだ。
思い当たる節がある。ここ数週間、食後に吐き気がくることが多く、食前に吐き気止めを新しく出してもらっていた。それの開始時期がだいたい熱が出始めた頃の数日前だった。
今日でその薬の服用をやめて2日目、明確に熱の具合が落ち着いてきた。
1日3回服用している薬は大体3日程度で大部分がその効果が切れるそうだ。自分の主治医は凄いなと再確認することになった。
▷血球の回復状況
久々の誰に需要があるのかわからない表である。
見ての通り値は上下を繰り返しているが、最上段の白血球の値が基準値をはるかに下回っている。その下の好中球の値も非常に低い。
これまで一時退院の目安はこの好中球が安定して一定基準を超えてからという条件だった。
今回は明確に死のリスクが伴う治療前の最後の帰宅のタイミング、先生も大いに悩んでくれたが、最終的には退院不可になった。悔しいが仕方ない。今の自分は外出自体が死亡のリスクだ。
こうなると次に病院を出るときは移植を成功させて退院するか、死んで出棺されるか、気を狂わせて脱走するかの3択、実質2択だ。
正直生きて退院できる自信はない。それでも自分の足で歩いて退院するため、できることをしっかりやろうと思う。
▶今後のスケジュールと2つの選択肢
とはいえ今の選択そのものにまだ自信が持てない。自分がどう身を振るべきか、いまだ悩んでいる。
悩みは尽きないが、予定通り移植を選択する(予定)
一応は上記の通り。
▷2つの選択肢
最悪の結果は回避できたため、今の自分には2つの選択肢がある。
当初の選択と変わらず、臍帯血移植を受ける
治療を終え、終末期医療に入る
恥ずかしい話、ここにきてもまだ決意は固まらない。フラフラと揺れる灯火のままである。理由は2つ。移植による死亡リスクは変わらないことと、検査結果が想定よりも良好だったからだ。
▷移植による死亡リスク
前回の記事に記載したとおり、今回の移植には非常に高い確率で死が付きまとう。それは時間経過によって雪だるま式のように積みあがっていくと思う。時間が進めば体内の白血病細胞は確実に増加を続けていくからだ。
移植の前処置、今回はそのさらに前段に前々処置を行う予定だが、それが有効であるという確証はない。可能性としてはまったく効果がないこともありうる。そうすれば非常に高いリスクを抱えたうえでの移植が始まる。
▷移植する場合のスケジュール
命に関わるレベルの抗がん剤を服用する前処置は、自分が入院する病院に臍帯血が確実に到着してから行う。事前にコップの中の古い水を空にして、新しい水が届きませんでしたなんてお笑いにもならないからだ。
その時期が10月末、その到着後に前処置が始まるため、さらにその前段で前々処置が始まる。先生にうかがったところ、血球の状態にもよるが、来週後半には前々処置を始める予定とのこと。前処置の開始タイミングもおおよそ定まり、必然的に移植そのものの日も決まってくる。恐らくは11月初旬。
そこからおよそ一か月程度をかけて生死の境をふらつきながら生着を待つことになる。
ここで変動するのが前々処置の期間。仮にこの処置で白血病細胞が大きく減少した場合は、臍帯血が届いてもすぐに前処置を始めず、前々処置の期間を延長しさらなる白血病細胞の駆逐、ひいては寛解状態への到達を目指す可能性もある。逆に効果がなければ予定通りという流れだ。
何となく日付のイメージは固まってきたが、イマイチ確定という状態ではない。モヤモヤする部分もあるが助かっている部分もある。移植のキツさはトラウマレベルだ。これは絶対に経験者にしかわからないが、あんな感覚は人生で1度でも十分すぎるくらいのレベルだ。その日が定まることも少し怖い。
▷終末期医療の目安の延長
今週の結果をみて、先生からも「想定よりも問題なさそう」との言葉をいただいた。それは恐らく『移植および前々処置を行う状態として想定よりも問題なさそう』という意味だと思う。それでもそれから時々「治療やめても何だかんだ来年くらいは生きられるのでは?」と結果に過信する自分がいる。
終末期医療に切り替える場合、家に帰り、家族と過ごす時間ができる。前述のとおり一時退院が叶わなかった身としては、できれば家族に会いたい。その可能性を勝手に膨らませてしまっている自分がいる。
今はまだ選択の天秤は揺れている。先生や移植コーディネーターさん、臍帯血を提供してくださるいずこかのご家庭には多大なるご迷惑をおかけするかもしれない。それでも家族と過ごす時間が延びる可能性があるのならば…という気持ちとの板挟み状態である。
それでもいまは、移植を選択する予定でいる。寿命が多少延びたとしても、それは根本解決ではなく後回しに近い選択でもある。それを将来の自分は過去の笑い話にできそうにはない。
▶雑記
13日の金曜日、友人先輩達の祝いの席にLINE通話でお邪魔させてもらった。参加者の多くが親交のある方で、特に自分の結婚パーティーのスタッフまでしていただいている。当然自分の現状を知ってくださっており、気にかけてくださっている方々だ。noteも(多分)読んでくれていると思う笑
正直少ししんみりしてしまうだろうから元気出していかないとと心配していた。しかし通話をつなげばどういうことか、みな一様にこれまでとまるで変わらない対応である。むしろもっと病人を労わってほしいくらいの扱いだった。
恐らくみんなの気遣いの現れなのだろう。みな根はまじめな方々(のはず)だ。酒を飲まないと平常通りに話すこともままならないくらいに心配してくれていたのだろう。
それでも病院の個室でいいともコールを強制するのは酷なものである。これは一生根に持つレベルの辱めだ。通話先の席に10人ほどの人がいる。対してこちらは白壁に囲まれた無菌室の個室だ。当たり前だが個室故1人。その1人が約10人と同等にいいともコールなんかできるはずもなかろう。しかもこっちは素面。向こうは酔っ払いだ。ノリが悪いみたいな反応されるが異常値なのはそちら側だということを本当に理解してほしかった。
それでも、変わらない態度で接してもらえることは心地よかった。もちろん病気の話に触れる機会もあったが、「今度こんなことするよ!」「あん時はこうやった」というようないつもの酒の席だ。自分は元々アルコールに異常に弱いので本当にいつも通りだった。それそのものが嬉しかった。
人のエネルギーは他人に伝播することがあると思う。1本のマッチが焚火に火をつけるようなものだ。この人たちはいつも自分の心に火種を与えてくれる。いただいた火種はきっと自分の中の灯火をより一層はっきりとした炎に変えてくれるのだろうと思う。
ちなみにその席で「明日からテレフォンショッキング形式でみんなで電話するよ」と高らかに宣言していたが、いまだ着信はない。「そっちの都合は知らん。こっちにはこっちの都合がある」とも言われた。対等な関係性だ。
ただ連絡そのものをよこさないのはただの嘘つきなのではとちょっと思う。こういう時酒に酔える人は少しうらやましく思える笑
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!