未経験でSEO業務に転職し半年で月間PV15万にした40代女のメモ【8】

今回も文章の整え方について書いてみます。

企業のオウンドメディア運営という仕事柄、「文字単価●円」で文章力を切り売りしているWebライターさんの原稿をたくさん読みます。

上から目線で申し訳ないのですが、本音を言うと「ま、Webライターやし仕方ないよね」と思う原稿がほとんどです。

こちらがお支払いしているギャラが低いからだと言われればそれまでなんですが、それを差し引いても「ライターの仕事ナメとんか」と思う記事にはしょっちゅうお目にかかります。


ちなみに私自身の文章術は、前職の編集プロダクションにいた間に先輩からイヤというほど叩き込まれたものです。

今回お伝えすることは紙媒体での体験が元になっているので「Web上で人気ブロガーになりたい」という人にとってはお堅すぎるかもしれません。

でも世間ではライターもデザイナーも
「紙の経験があればWebもできるが、その逆は難しい」
とよく言われますので、「紙の基礎」を知っておいても損はないかと思います。

●ムダを省いて文章を引き締める

素人さんがお小遣い稼ぎで使い捨てのWebライターをやるのは、人それぞれ理由があるんだろうと思います。

もし、「上手な文章を書けるようになりたい。そのためにクラウドソーシングで経験を積もう」と思っているなら、悪いことは言わないから止めておいたほうがいいでしょう。

「質より量」の仕事をしたって、気軽に取っつけるかわりに身に付くものもありません。

あなたの文章がひどかったら、見捨てられて終わりです。

忙しいクライアントとしては、顔も知らないあなたの文章に注意をする時間すらもったいない。

的確なフィードバックをもらえない仕事をいくらやっても場数を踏んだことにはなりません。当然、成長もありません。

大きなお世話かもしれませんが、ああいう仕事を続けている限り文章力は上がらないはずです。
思うところあって一時的に利用するならいいかもしれませんが。

文章の基礎のできていない人が文字単価いくらの仕事に慣れてしまう弊害は

「ムダな言葉をたっぷり挟み込んで文字数稼ぎをしたほうがトク」

という変な価値観やクセが染み付いてしまうことです。
これは「上手な文章」 の対極にあるやり方で、上達を妨げます。

上手な文章、読みやすい文章を書く第一歩は、ムダを徹底的に省くことですから。

私は前職の先輩から自分の文章にしつこくダメ出しされ続けてやっと「あ、この部分ってムダなのか」と気づけるようになりました。



●「まず最初に○○をする」←この言葉のおかしさに気づけますか?


これを見て「そうそう」と思う人はきっと文章力が高いはず。
語句の重複をすぐに見抜けるセンスがあるからです。

「まず」も「最初に」も、意味は同じ。だったら片方をいさぎよく取っ払う。
それで十分、日本語として通じますよね。


重複に敏感になり、それを削る習慣を身に付けるほどに、書く文体が引き締まり洗練されていきます。

逆に文字数をふくらまそうとしながら書く人は、文章がどんどん冗長になります。

だから報酬が文字単価で決まるWebライターの仕事は、やればやるほど文章が荒れていくでしょう。

「自分の文章のムダに向き合い、洗練させる」なんてしんどい修行をするより、フワフワ書き散らかしてるほうがその一瞬はトクですからね。あくまでも目先のトクですが。



大手の新聞社や出版社に入社できれば、文章の書き方を基本からみっちり叩き込んでもらえるのでしょう。

フリーペーパーの編集部ぐらいだと、文章力の高い人と、素人に毛が生えた程度の人が混在しているイメージです。

このあたりにいる「書くのがちょっと得意」レベルの人ほど、ムダに文章こねくり回して「自分らしい文体」と思っている節があります。

こういうタイプは変なクセが強いし、指摘しても耳に入らないしで、使いづらい。

フリーペーパーのライター経験者に記事を書いてもらったことがありますが、納品スピードは早くても文章にノイズが多く、とてもじゃないがそのままでは使えませんでした。

編集作業で重複部分やなくてもいい決まり文句をカットしていくと、小手先のテクニックで文字数を水増ししているのが浮かび上がってくる。
本当に必要な情報は文章全体の半分も残るかどうか。

一見、いろんな表現を使いこなすプロのように見えますが、実がないので結局は大幅な加筆修正をしなければなりません。

オウンドメディアの編集側がライターさんにやって欲しいことは、読んでためになる具体的な情報のリサーチなんですけどね……



まぁ、さんざん偉そうなことを書きましたが私もまだまだ未熟者なので、自戒しながら自分が書いたものを見直し続けています。

明日は手直しの例を挙げて、ムダのない文章の考え方をご説明します。

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